トランクルームとスレイベル

ゲームの感想 乙女ゲ多め

百花百狼 半蔵・五右衛門+α感想

百花百狼、今回は前回に引き続き半蔵さんと五右衛門さん、主人公についての感想です。
ネタバレアリですので、NGな方はここでブラウザバックお願いします。
お付き合いいただける方は続きからどうぞ。
 

 

 
 

服部半蔵 (CV津田健次郎)

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若干キャラ造形が蝶治郎と被るのと、他ルートではバトルロワイアル(仮)の監視役を務めていた彼なのでどうかなーと思ってましたが…。
すごく良かったです。やっぱり大字で主張しとく。
半蔵の実直な人柄と忍の大先輩としてのキャリア、主人公とは初対面(=親しくなる過程がわかりやすい)という状況などなどがうまく噛み合っていたように思います。
このルートでは誰にも主人公を討たせたくない家康により、半蔵は周囲に気づかれないよう彼女を守れと命じられます。
逃亡しながら半蔵に忍としての手ほどきを受けるようになると主人公の内面に変化が生じ、それを見ていた半蔵にも影響が…という感じのお話。
主人公は自分が忍の里であまり役に立てていなかったことや未熟なことを自覚している&父親がかなり高圧的な環境で育ってきているので、世間知らずで自己犠牲精神が強めな子です。
どのルートでも程度の差こそあれど、そんな感じ。
特に今回は最初はショックで呆然としてて「お前が悪い、里のために犠牲になれ」って言われたら「そうなのかな…」って思い込みそうな危うさ。
ただし半ば思考停止しながら半蔵についていくうち、彼の言葉で自分にも何かやれることはないかとできることを探すようになります。
そんな彼女を半蔵は否定しない。
任務だからと言いつつも、彼女が修行するのを黙認したり請われれば教えてあげたりします。それは忍の技に限らず、死生観とかそういうものも含まれます。
努力が実り彼女も忍として動けるようになって、それが自信と変化につながって…という流れが大変美しかったです。
これでいいのかなって周囲の目を気にしていた主人公が、自分に自信を持てるようになることで、きちんと考えたうえで「こうしたい」という意見も出せるようになるんですよね。
ここの凛と背筋が伸びていくような感じは見ていて清々しかった。
それを言葉少なに見守る半蔵も良かったです。
けしてセリフは多くないんですが、恐らくのびのび育っていたらこうなったであろう本来の姿に戻っていく主人公を見て、微笑ましさとか眩しさを感じていたんではないかなーと思わせてくれます。
特に作中に何度か出てくる「その意気やよし」と「お前は死なぬ」というセリフは、ルート入ってすぐとラストじゃ全然トーンが違う…! 声優さんの演技が最高でした。
その後守れという命令が殺せに変わってからの半蔵に萌えて大変でした。
こんな忍の究極体みたいな人が、命令と自分の感情の間で悶え苦しむんですよ…!
主人公に世界をひっくり返されたような気持だったと思います。
いい加減長くなりそうなので切りますが、ここは本当「ウッ」って呼吸が苦しくなったwww
真面目な二人がいい方に影響を与えあいストイックに仲を深めていくのが、大変ツボだったルートでした。
ごちそうさまでした。
 
 
 
 

石川五右衛門 (CV緑川光)

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明るくて気持ちよくて自由、と主人公が初めて出会う「外の世界」の象徴みたいな人です。
どのルートでも大変親切なお助けマンであり、一度主人公に牢にぶち込まれているのにどれだけ器が広いんだと思いながらプレイしました。
何をやらせてもそつなくこなしそうな抜群の安定感の持ち主でしたね。
彼のルートは死臭が薄いうえに、カラっとした結末なので(他のルートの惨状を思い出して真顔になりつつ)ラストにもってくると気持ちよく終われると思います。
忍の生き方を嫌がった彼ならではの選択肢なのだと思えば納得はできますけどね。
この時代だから仕方がないけどみんな縛られすぎィ!
五右衛門さんいるから多分何が起きても大丈夫という謎の安心感のもと、主人公たちもお祭り行ったり旅を満喫してました。
しかし彼の過去が匂わされたあたりからちらほら不穏な空気が。
かつて彼が頭領をやってた風魔忍軍が接触してきたり、三成一派が取引持ち掛けてきたりときな臭くなったところで、五右衛門は一芝居打って問題を一挙に解決しようとするのですが…。
バッドエンドでご本人も言ってたけどまわりくどいよ!
主人公いかにも嘘がつけなさそうなので致し方ない部分はあるとはいえ、その結果がアレ(バッド)と思うとちょっとね…。五右衛門さんならもう少しうまくやれたのではって気がして複雑でした。
ただ苦労した甲斐はあって、作戦が成功するとスカッとしますね。派手なのもまた彼らしい。
秀吉だけでなく三成、大名たち全員に地味にストレスが溜まっていましたのですっきりさせていただきました。
個人的にはもう少し派手にやってくれても…と感じなくもなかったですが、やりすぎると好漢のイメージが崩れちゃうのかもしれない。
二人のやり取りは他より甘めだった気がします。とにかくさらっと口説き言葉が出る人という感じでした。
 
 
 

上野槐 (CVなし・名前のみ変換可能)

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本作の主人公。
里の長の一人娘でこれまで任務に就いたことがないというけっこうな姫系忍なのですが、彼女が家業慣れしていると即座にバトルロワイアルに発展するかさくっと自害しそうなので、これはこれでベストな主人公なのではと思います。
閉鎖的な環境で抑圧されながら過ごしてきた彼女だからこそ、ゲーム中の成長が分かりやすかったですし説得力がありました。
最初は本当に世間知らずのお嬢さんという感じで任務中でも「殺したくない」とか言ってしまう子なんですけど、最終的に腹を括ったり逆に殺さないために努力したりと伸びしろが半端なかったです。
殺しをしない忍なんて甘いなーと思いつつ、現状を理解したうえで自分の決定に責任が取れるならそれは全然OKというか、むしろ自分の譲れない部分を貫こうとする姿勢は美しいと感じました。
特に終盤、現実の理不尽さがある一線を超えると見せてくれるキレ芸というか、覚醒が毎回楽しみで楽しみで。
今作の悪役は本当に胸糞なので、彼女が据わった目で大暴れしてくれると大変すっきり。
画面の外からいけ!そこだ!と拳を握って応援してました。
私は初回月下丸を攻略したのですが、父親に利用されていたことを知って「自分の中には花(母)だけでなく狼(父)の血も入っている*1」と(皮肉交じりに)開き直って刃を向ける彼女に、ぐんぐん(私の)好感度が上がっていきました!
お人形だった序盤の彼女とここの怒りに燃えるあまりにも人間らしい彼女の対比がすごく良かったです。
最終的にどのルートでも、一人のくのいちや女性として完成していく姿は見ていて快かった。
色々大変だったね…お疲れ様。
 
 
 
 

次回ネタバレなしの総評を上げたら、ひとまず百花関係は終わりです。
おつきあいありがとうございました。
※今回もアイコン用の画像をお借りしました。

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*1:タイトル回収なのも素晴らしい