トランクルームとスレイベル

ゲームの感想 乙女ゲ多め

7’scarlet ソウスケ・ユヅキ感想

この二人あかん(好き)。
先ほどフルコン・トロコンしました!というわけで色々判明した状態でのソウスケ・ユヅキルート感想です。ネタバレありですのでご注意ください。

 

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建比良ソウスケ(CV沢城千春)

アウトドア趣味の理屈っぽい医大生。

私こういう理論馬鹿で人付き合いに慣れてないタイプ弱いのかも…とセブスカで初めて知る事実。アムネシアのケントさんもデザートキングダムのイシュマールも大好きなんですがあれはあくまでツンデレ亜種だからだと思ってたよ。ソウスケはツンデレじゃないですね。ちょっと天然。

ちょっと変わり者のソウスケとぎこちないながらも交流を続けていると彼が主人公の兄探しを手伝ってくれることになります。そのうちいつもの転落事故の二件目が発生し、二人は偶然その遺体の発見現場に居合わせてしまうのですが、被害者はなんとソウスケの父親でした。ソウスケも元々奥音里出身で父親は自警団の一員だったのですが、子供のころ父親が犯罪にかかわっている(ように見える)場面に遭遇し、関係に溝ができて高校進学をきっかけに親元を離れたっきりとのこと。

父親への複雑な感情を主人公のフォローもあって整理できたところに叢雲家からの接触があります。そこで当主叢雲キョウジから屍者は実在すること、自警団には毎年夏ごろ蘇る屍者を狩る「屍葬組」としての一面があること、理由は明かされませんでしたが主人公は狙われ続けることを聞かされ、お互いの目的のために屍葬組に協力しろと持ちかけられます。熟考の末それを飲む二人。

そしてその後当主の言うとおり、風厘館で主人公が何者かに襲われてしまいます。間一髪逃れられましたが、当時風厘館は外からの出入りが不可能な状態でした。このことから建前上は余興としつつも宿泊客、スタッフによる屍者当てゲームが始まってしまいます。一人一人自分が屍者ではないと思う根拠を述べ、それをおかしいと思う人が論破していくスタイル。全員が語り終えた段階で、ソウスケはとある人物に違和感を抱き、指摘します。その人物とは月影でした。否定しようと必死な月影ですが、どんどんボロが出て最後には本性を現し主人公に襲いかかってきます。ソウスケが負傷しつつもそれを庇い、取り押さえられた月影に対して父親の仇を討とうとしますが、主人公の制止もあって結局復讐はしませんでした。

その後「全部終わった、ありがとう」って感じでソウスケと再会の約束をしつつお別れでエンディングなんですが、ハッピーだと後日談&過去話がつきます。結局昔ソウスケが目撃した父親の犯罪現場というのは屍葬組の仕事中だったのですが、中学生のソウスケは彼が結局何をしていたのかという手掛かりを探しに山の禁足地に入ったことがありました。その時偶然紫姓草の群生地にたどり着きそこでなにか恐ろしいものに遭遇してしまい、逃げる途中で迷子の小さな女の子を保護します。ソウスケは咄嗟に引っこ抜いてきてしまった紫姓草を彼女にあげて、おぶって下山します。最後に(あれ?もしかして……)と主人公も思い出しそうな描写で終わり。
さてさて、ようやく猫仮面=月影さんで確定し、このルートからミステリーっぽさが増してぐっと面白くなります。ただキャラクターが謎解きするだけではなく、ソウスケとの会話と例の屍者あて人狼ゲームのところの二か所ほどきちんとプレイヤーにも選択肢があります。前者があまりエンディング分岐に関係なくて残念でしたが、後者は人狼ゲーム自体が、緊張感をはらみつつかなりテンポよく進むこともあってすごくテンションあがりました。ソウスケが最初に指摘した「違和感」は先が気になり読み飛ばしていたせいで焦りました(笑)もういっこの「犯人しか知らない事実」のほうをプレイ時にあれ?と思っていたのでなんとか間違えずに済みましたが。あとトアルートでソウスケは屍葬組と既知っぽかったのでルート前はかつて屍葬組だったとか屍葬組のスパイかと思ってましたが全然違いましたね。どのルートでも父親の死の真相を探って叢雲キョウジと接触してたのでしょう。
ソウスケは理屈っぽさが単なるキャラづけに留まらない思慮深いキャラクターです。基本的にまっとうで安定しています。精神的に自立している人物でもありますので人に必要以上によっかかりません。誰かに相談する前に自分で何とかしちゃうできちゃうタイプ。このせいであまり他人と深く関わってこなかったのではないかと思います。
自分の父親の遺体を見てしまった時、彼はその場で主人公には何も言いません。彼女がなるべくショックを受けないよう配慮してる節さえあります。後日家族との距離を語るときになってようやくぽろっと「今日が通夜だ」みたいなことを言うんです。ここでソウスケお前……!ってなった。そんなソウスケが主人公が傍にいることは気にならない、自分が弱っているときは傍にいてほしいと変化していくのはとてもよかった。また兄探しも叢雲家に呼び出されたと時も人狼ゲームも冷静に主導してくれるので安心感がすごかったです。頼りがいやばい。ちらっと上で書いてあるように人狼ゲーム前の会話で「誰が屍者だと思う?」と聞かれるんですが「イソラ」と答えたときに「彼ちょっと狂気見える」みたいなこと言ってて笑いました。鋭い!!!
余談ですが真相ルートで、父親を殺した犯人の事情を聴いて「あれは事故だ。息子の俺が言うから間違いない」とか器が大きすぎること言ったり、ライブを続行させるためにトアの怪我について棒読みの医者の演技をするところなんかもかわいくてしょうがなかったです。二度おいしい。
あとずっと好きだった系とはちょっと違いますが、彼も結局過去の主人公と関わりがありましたね。幼女主人公最強かよ。

 

 

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叢雲ユヅキ(CV三木眞一郎)

主人公に冷たい風厘館のオーナー。奥音里の名家叢雲家の一人息子。
共通でヤスが「ユヅちゃん」と呼んだ時のリアクションで「ん?」と思った私の勘は正しかった。ちょろ可愛い人です。
ヒノルートでちらっと出ていた烏丸さんの事情とユヅキの過去が判明するルートです。屍者とは?という点について屍葬組(ユヅキ)の視点からソウスケルートよりも深く触れるルートでもあります。
かつて叢雲家の次期当主として屍葬組のリーダーを務めた初の狩りで、ユヅキはとある女の屍者と出会います。このことで屍者を見境なく駆除することに疑問を持った彼は彼女を逃そうとしてしますが、結局そこを他の屍葬組に見られて立場を最底辺まで落とされてしまいます。ちなみにこの女屍者が烏丸さんの奥さんツヅリさんです。烏丸さんはツヅリさんが逃亡中にかけてきた電話をもとに自力で屍者について辿り着き、電話で聞こえた名前、「ユヅキ」に復讐するため奥音里を訪れていました。ユヅキを誘い出すために主人公を誘拐しますが、上記事情を話して和解。

これらを経てお互いの事情について詳しくなったため、主人公も放っておけなくなったユヅキは兄探しに協力してくれるようになります。現在は屍葬組の主流から外されているとはいえ立場が立場なので他のルートより情報が集まります。でもその動きが叢雲家当主(ユヅキの父)の耳に入らないはずがなく、二人は呼び出しを食らいますがそこでユヅキを罵倒するキョウジにかっとなった主人公はつい彼を庇って反論してしまいます。ここちょっと向こう見ずすぎて見てられなかった(笑)

そのことで仲が深まる二人。しかし主人公が一人の時に月影が接触、襲いかかってきます。屍者を警戒していたユヅキとソウスケ、さらには烏丸さんが助けに来てくれますが、その時のあれこれでユヅキは腹部を刺され重傷。ノーマルだとそのまま帰らぬ人に、ハッピーだと無事目を覚まします。
このルートの主人公は恋愛面でぐいぐいきますね(笑) そうしないと親しくなれないので仕方がないでしょうが。ルート入って序盤~中盤、主人公がユヅキに好意を持つのは自然ですが、逆がよくわからない。いつ好きになった?と腑に落ちずにいたのですがエンディング間際で判明。

一目ぼれでした。しかも初恋。これまでの自分を変えそう(=初めて恋に落ちそう)だと直感したので遠ざけていたのだそうです。そりゃあそんな子に好意をストレートに伝えられたらきょどって声も裏返るよね!ついにはヒノにまで「ユヅちゃん」呼ばわりされてましたし、叢雲家の一族という肩書のせいで強く振舞いがちですが本来いじりがいのある人なのかも。そんな感じで決めるところは決めてくれますが、普段はむしろ主人公の方が余裕があるように見える可愛いお兄さんでした。
このルートで主人公が屍者に狙われる理由も判明。彼女は「アルビノ(一般的な色素欠乏症とは若干定義が異なります)」と呼ばれる珍しい人間で、本来屍者は存在を保つために人を殺して生気を奪い続けなければなりませんが、アルビノを殺せれば永遠に餓えなくなるんだとか。特徴は瞳の奥で絶えず赤く発光する虹彩。傍目にはわかりませんが写真などで赤目に写りやすくなります。このせいで彼女は昔から(恐らくヒノルートの殺人犯もそう)屍者に狙われているようです。

しかしフルコンプしていると月影さんの意味深なセリフの意味がわかるようになりますが、彼、主人公のことしっかり覚えてますね……。生前からガチサイコパスだったっぽい。彼のThe悪役を貫くヒャッハーなキャラは突き抜けてるので嫌いじゃないです。
ソウスケルート以降ネタ晴らしが多くなっていますが、必ずエンディング付近で別の謎を提示するので「次のルートでわかるのかな?」とわくわくプレイできます。ソウスケルートだと彼の父親を手にかけてたのは月影ではない事実とか、ユヅキルートだと屍者はもうひとりいる発言など。この辺大変うまいなあと思います。
あと奥音パンダ、ヤスだったんかい!いや着ぐるみを利用しての中の人の入れ替わり絶対あるでえと期待してたら、なかった。普通に考えてシナリオ上特に必要のないギミックなので当然でした。
さあ次回ついに真相、隠しルート感想です。

 

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