トランクルームとスレイベル

乙女ゲーム(+α)の感想など

百花百狼 全体感想+甲賀忍感想

コメント欄でオススメいただいたときに、ちょうどセールだったのもあって購入したのですが、すごく面白かったです。
大変私好みでした。オススメありがとうございました!
今回は全体的な感想と月下丸・黒雪・蝶治郎の三名について。
以下しょっぱなからネタバレしまくってますので見たくない方はここでブラウザバックお願いします。
※今回はアイコン用の画像を使用させていただいています。
 

全体感想

「かつての仲間に追われる&殺し合う」という人によってはとんでもなくストレスになるお話なんですが、個人的な鬱度はそこまで高くありませんでした。
人が死にまくる作品というのだけは知っていたのと、主人公がくのいちという点で「抜け忍になるのかな」とはなんとなく思っていて、ゲームの実際の展開も予想を裏切らないものが多かったので。
例のアレも、秀吉のシーンの時点で「バジリスクかな???*1」と身構えていましたので「やっぱりバジリスクだった…」とショックも小さくて済みました。腹筋に力入れてれば腹パンされてもある程度威力を軽減できる理論。
悪役が誰なのかはっきりしていて、ヘイトが向きやすかったのも良かったかも。いくつかの結末では主人公もやり返していて、溜飲も下がりました。
一周すれば大体の流れはわかるので、あとは安心して悲しい物語に浸ることができます。
と思いきや黒幕に関しては二通りあるという二段構えで、周回中飽きさせないようにという工夫も嬉しかったです。
また設定上展開が限られる中、ルートごとのカラーを出そうという頑張りも見えました。
その甲斐あってと言うか、もちろん過程があるのが前提ですが、キャラ萌えはたくさんありました。
バッドエンドもシチュエーション多彩で楽しかったです。
フルコンプ11時間半ほどだったんですが、この設定で長々とやられても鬱々とするか中だるみしそうだったので、いい塩梅でした。
総合して「精神的にくる作品」というよりは乙女ゲームとして美味しいタイプの「美しい悲劇もの」という印象で終われました。
※感想には個人差があります。正味私は感覚が麻痺してる感が否めないので…。
 
べた褒めしてますが、恐らく「禁断の逃避行で芽生える忍たちの愛」みたいなテーマ先行型のゲームだと思われますので、本筋ではそのシチュエーションを作るための粗もちらほら見えました。
とんでもなく目立つというほどでもないので強いて難をあげるならという感じではありますが、シチュエーションのためにキャラを動かしているというか。
特に甲賀忍を追手に起用しない積極的な理由が見当たらないため、そっちのケースの場合「なぜ甲賀は参戦しないのか」という説得力が薄かったように思いました。あくまで作り手側の都合で排されたとしか見えなくて残念でした。
ただそれは周囲のサブキャラたちに限っての話であり、攻略対象と主人公の情動は丁寧に考えて作られていましたので、キャラ萌えは充分に可能です。萌えました(実体験)。
 
攻略にあたって、いつものように「攻略順 おすすめ」とかで検索したのですがかなりバラバラでした。五右衛門さんは最後っていうのだけ共通してたかな。
なので深く考えず公式サイト紹介順に攻略しましたが(これはこれで正解だったように思います)、確かに順番つけるのは難しいかも…。
以下はキャラクター感想です。
 
 
 
 

月下丸 (CV羽多野渉)

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主人公の護衛役としてとにかく彼女が第一の人。
「いわれのない罪を着せられたくのいちと、彼女のために仲間を裏切った忍びの逃避行」というものすごく王道なシナリオで、恐らく百花百狼の雰囲気を掴むのに最適のルート。
なぜ追われるのか*2という点など、一周すると仕掛けがわかってしまう作品は初回のインパクトが重要だと思うので、そういう意味でも向いてます。
追手と正面切って闘っている率が高いのもポイント高い。
全体的に驚きの展開で畳みかけるようなルートだった記憶があるのですが、心を痛めつつもかつての仲間を撃退し、月下丸との仲を深めたところで最後の追手は…とその辺りの展開のドラマチックさがすごかった。
恋愛面では月下丸は何を置いても主人公を優先する人であり、最初から疑似恋人関係にあるような二人なので、過程という意味では他より少し弱かったかもしれません。
ただ「あなたが私を守る(好きな)のは義務から?本心から?」というイベントの強化版をやってくれたので、違和感はありませんでした。
 
 
 

黒雪 (CV下野紘)

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めちゃくちゃ好きなキャラでした。
大字で主張しておこう。
主人公にすごく執着していて、手段を選ばないし引き離されるとどこまでも追ってくるのですが、そういうキャラが私の性癖。
嘘をついて周囲との繋がりを断ち切り、自分だけを見つめるようマインドコントロールするタイプのヤンデレ*3なのもすごく良かったです。
でも他ルートではあくまで自分の感情を抑え込んで手助けするいい子なので許してあげてください…。
黒雪ルートは追われているのは黒雪の方で、主人公はそれを見捨てられないという感じで、あらゆる面で月下丸ルートの対比になっているのが面白かったです。
彼が序盤に何げなく言ったことが、後から色々な意味があることが判明する演出がすごく好きでした。
全てのルートを終えてみると、五右衛門さん捕縛後に彼が姿を消しているか何らかの理由で身動きが取れない(=秀吉を殺しに行けない)という、二通りある真相に対応した描写がしっかり入っているのは感心しました。こういう丁寧な仕事好きです。
彼の辛い過去と併せてなぜ主人公に執着するのかという点もきちんと語られるので、説得力がありました。
バッドエンドの「お前は綺麗なままで綺麗な世界にいてほしい」という彼の言動が、黒雪の行動原理の真髄に思えて切なかったですね。
本当幸せになってほしい。
 
 
 
 

百地蝶治郎 (CV鳥海浩輔)

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主人公と逃避行するのは彼でなく月下丸と五右衛門さんというちょっと特殊な立ち位置のルート。
彼も月下丸と同じく追手の一人なのですが、性格上主人公を庇って逃げるという選択肢がないためシナリオ的に若干不憫でした。
主人公と攻略対象が立場上殺し合わなくてはならない敵同士…というのもハマれば大変好みなのですが、蝶兄さまは優しすぎた。
追手を返り討ちにして立っているのは二人だけになって、殺しあうでもなく状況を打開するために話し合うでもない、ふわふわ時空が訪れた時はちょっと混乱しました。
蝶治郎は本来優しくて生真面目でちょっと天然入ってる忍には向かない人だろうと思われますので、後輩が死にまくったあの辺が限界だったのでしょうけど、それならそれでキーになるイベントをまず入れてほしかったなと。
その人間らしい迷いが仇になって結局一対一で対決させられるんですから、忍って因果な職業ですねー…。
最終的に主人公の方が腹を括るのは「好きな人のために一気に成長する少女」みがあってとても良かったですけどね!
 
 
 
次は残る二人と主人公の感想、それからネタバレなしの総評まで上げる予定です。
もう少しお付き合いよろしくお願いします。

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*1:ボキャ貧ゆえの他作品でのたとえをお許しください。山田風太郎氏の小説が原作のせがわまさき氏の漫画だよ!面白いよ!

*2:細かく考えると二通りあるとはいえ

*3:何がヤンデレなのかという定義について語ると長くなるので割愛します。ちなみに私は節操ない派です