トランクルームとスレイベル

ゲームの感想 乙女ゲ多め

吉原彼岸花 朔夜ルート感想

 

しょっぱなタイトル関係ないゲームの話で申し訳ないのですが、ようやくFate/EXTELLAプレイ開始しました!
最初から嫁王(赤セイバー)と主人公の好感度がマックスで、これ、EXTELLAからプレイした人は楽しいんだろうか…?
まだ序盤ですが主人公もがっつりEXTRA派生だし。
嫁王がぼーっとしてる主人公に冒頭で説明してくれるけど「月の聖杯戦争で頑張ったそなたは聖杯保持者になったのだ!」みたいなネタバレに配慮した数行あらすじのみ。
一応ストーリー自体はEXTRAとCCCの聖杯戦争は完全に終わってて、その後!という新規の展開なので筋が分からないということはないです。でも嫁王との関係は乙女ゲーム的に言うならFD的っていうか、EXTELLAからだと親しくなる過程がないように見えるんですよね…。これから何か仕掛けがあるんでしょうか。うーん。
まあ何はともあれ一通りストーリー見てからですね。
無双系は真・三国無双6empires以来だ。無双系アクションはぶっちゃけ苦手ですが積まないよう頑張ります。

 

続きより吉原彼岸花、朔夜ルートのネタバレあり感想です。
こちらはR-18ソフトとなっていますので(大したことは書いてませんが一応)年齢に満たない方はご注意ください。
よろしくお願いします。

 

高評価に違わない綺麗なビジュアルと、世界観に浸れる文章が素敵な作品だと思います。
初回3時間と若干物足りなさを感じたものの、お話の起承転結はしっかりあったので不満というほどではありませんでした。
この辺はフルコンプした時の感想か総評でまた改めて詳しく書こうと思います。

  

朔夜 (CV木島宇太)

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主人公の勤める遊郭「桜華屋」に最近雇われた髪結い師。
最初は無口無表情でそっけないですが人間嫌いなわけではなく、付き合い方を知らないだけです。根が真面目でとにかくまずは仕事、と愛想のふりまき方を知らないタイプ。
まだ朔夜ルートしか終わっていないので断言はできませんが、彼のルートのテーマは「初恋」あたりでしょうか。
色恋沙汰に疎い朔夜と仕事柄身体は売るけど恋はしたことがない主人公。二人が自分の変化に戸惑う初々しさが目を引くルートでした。後半の話の重たさに甘酸っぱいとは言えないのがさすが遊郭ものというか。

 

ルート前半は人慣れしていない子犬(実際に話に出てくるのは猫ですが)がちょっとずつ懐いてきて、そのうち後を離れなくなるような可愛いエピソードが多いです。
主人公と朔夜はどちらも真面目なので、当初仕事に関連する以外の会話はほとんどありません。
しかし主人公が野良の子猫を拾ってしまって困っていたところ、通りがかった朔夜が飼ってくれることになり個人的な付き合いが始まります。
子猫を見に朔夜の住んでいる長屋へ通うようになる主人公。そこで朔夜の無表情が崩れるところを目撃し、親しみを持ちます。
ベタな展開ですけども、立ち絵が綺麗&これまで本当に無表情だったので、微笑まれると破壊力がすごい。
猫のお礼というわけではありませんが、朔夜が文字が読めないこととそれをコンプレックスにしていることから、主人公が読み書きを教えることになります。
この辺の一連のイベントの朔夜は本当に可愛い。またこの文字の読み書きはのちのち色々な演出にかかってくるので、重要なポイントです。
まずは平仮名で自分の名前を、と主人公は「さくや」と見本を書いてあげます。そして「好きなものを書こうと思うと上達が早い、何か好きなものはない?」と聞きます。
それに対する朔夜の答えは「千早(主人公の源氏名。デフォルト固定)花魁の名前はどう書くんですか」
「ちはや」だと教えてあげると、それを紙いっぱいに一生懸命書くんです。主人公が思わず照れてしまうくらい。うまいよと褒めてあげると「本当ですか、俺きちんと書けてますか」とめちゃくちゃ嬉しそう。
その後文字の練習を兼ねて手紙を書いてくれるようになるんですが、その内容も「ちはやおいらんへ けさはさくら(猫の名前)がおれのかおのうえにのって いきがくるしくてめがさめました」みたいな可愛いもの。ここで平仮名なのも朔夜の朴訥な人柄を表しているように見えます。
主人公から返事をもらうと、家まで堪えきれず門を出たところでさっそく読んじゃったり。二行程度しかない返事をその場で何度も読み返して、嬉しくてたまらないみたいな反応を見せたり。
可愛すぎか??? この辺は思い返してもヤバいです。

 

しかし同僚に忠告されて最近朔夜との距離が近くなりすぎたと自覚する主人公。
文字の練習教室も強引に終わらせて彼を遠ざけるようになりますが、朔夜はとっくに主人公を好きだったのでいきなりの態度の変わりように納得がいきません。思い余って告白してきます。
主人公はそれを袖にしますが、件の猫が事故で死んでしまって失意の朔夜を見てしまうと放っておけず、つい体を重ねてしまいます。
ここで初セックスですね。
朔夜は今作の童貞枠だったわけですけれども、主人公は主人公でいつもと違う自分の反応にいっぱいいっぱいで「ベテラン遊女の手ほどき」感は薄めでした。朔夜も器用ですぐコツ掴んでたし。
むしろ朔夜が素直に「ここは気持ちいいですか?これはだめですか?」とか聞いてくるのを主人公は恥ずかしがってたので、ある種の言葉攻めっぽかったかも。
終わった後に冷静になって「やっちまったー」って頭抱える主人公がリアルでした(笑) 一時のテンションに身を任せるって意味で飲み会後の朝チュンに近いものがあると思います。掟のこともあるけど、綺麗な朔夜に(落ち込んでいる彼を体で慰めようとするような)こんな職業の私は似合わないとも考えてしまうわけです。
なのでその後改めて朔夜から距離を置こうと頑張る主人公。あれは一回きり、と流そうとします。
でも恋愛初心者の朔夜にそれは通用しません。ストレートに問い詰めて主人公に拒絶されると、桜華屋での仕事を辞めて吉原からも引っ越すと言いだします。
まさかそこまでと反応の大きさに驚く主人公。人柄から予想はできただろうにと内心突っ込んだ。結局引っ越し直前に引き留めに駆けつけて、そこでようやく朔夜を好きだと自覚して恋人同士になるんですが。流れに身を任せたとはいえ意識ははっきりしてるのにセックスしてる時点で、ある程度の好意は(プレイヤー側からすると)お察しなわけですが、主人公も主人公で「朔夜といると胸が苦しくてつらい、どうしてなのかわからない」と言っているレベルなので仕方がないかな。言われた朔夜は嬉しかったでしょうね。

 

ただこれまで何度かモノローグに出てくるのですが「遊郭関係者同士の恋愛沙汰はご法度」らしいです。見つかると女の方は折檻、男は最悪殺されてしまうのだとか。
だからひしひしと嫌な予感はしてたんですけど、後半はかなり重い雰囲気になります。
恋人になった後桜華屋ではあくまで仕事以外の会話はせず、たまに時間を作っては長屋で二人で過ごす日々を送ります。
そこを朔夜の元兄弟子という男に目撃されてから話は一気に不穏な空気になります。
この元兄弟子が絵に描いたようなダメ男。かつて文字の読めなかった朔夜を騙して金を奪い取り、自分の店を構えたはいいものの仕事に熱意もないので腕も低く客も来ず、今は昼間から酒を飲んで遊んでいる人間。
主人公と朔夜の関係を知った後は、主人公にこっそり「見世にばらされたくなかったら俺を客*1にしろ」と脅迫してきます。
朔夜のためにと一度は要求をのむ主人公ですが、すぐにその朔夜本人に話は伝わって「どうしてよりにもよってあの男なんですか」と苦しそうな態度を見せられると揺らいでしまいます。朔夜にとっては仇敵ですが客である以上寝ないわけにはいきません。
本人も言ってますが「遊女として年季が明けるまで秘密の関係のまま待つ」ということの辛さを、ここまで二人とも本当には理解していなかったんですね。
そして床入り当日、主人公は迷い悩んだ末に同僚からもらった強力な睡眠薬を酒に盛ってしまいます。実際に飲ませるか否かは選択肢で分岐するんですが、どちらにしろこの日の床入りはありません。
しかしこれが露見して主人公は楼主から折檻を受けます。水責め鞭打ち、そのあとは縛ったまま空き部屋に放置。そこに主人公が心配のあまり忍び込んでくる朔夜。兄弟子と寝るのも嫌だがこんな目にあなたをあわせるところに置いておきたくないという彼をなだめてなんとか帰らせます。
そのまま数日経っても主人公がこんなことをした理由を口にしないので、楼主の方が諦めて解放します。
しかし「高い金を払ったんだから元を取らせろ」と兄弟子の方が再び接触してきて主人公を遊郭の外で無理やり犯そうとします。朔夜が駆けつけてくれますが、抵抗する際の事故で兄弟子を死なせてしまいます。
困り果てた二人は結局「いっそそれなら逃げてしまおう」と雨の夜、吉原からの脱出を決めます。しかし楼主はお見通しで、吉原を出て少ししたところで追いつかれてしまうのですが。ここでED分岐です。

 

EDは4種類。
1つだけは折檻の後、忍び込んできた朔夜を説得できずにその場で彼とセックスしたまま終わるバッドEDです。「バレるならバレればいい。それで二人とも殺されてしまっても、これであなたを独り占めできる」と歪んだ表情を浮かべる朔夜の変貌ぶりが辛い。ここの主人公は縛られたままなので緊縛プレイです。アブノーマルっぽいプレイがあったのはここくらいかな。
他の3つは上記の通り、楼主に追いつかれてからの分岐です。
1つは追い詰められて二人で川に身を投げるも、目が覚めた主人公の隣には誰もいなかったというバッドED。追手から逃げるため転々と場所を変え、現在は最下位の遊女になっても主人公は朔夜を待ち続けている…というEDです。ラスト、何者か不明な人影が彼女に近づくところで終わるのですが、これは朔夜の幻なのか追手なのか、それとも第三者か。
もう1つのバッドでは、追いつかれた時の立ち回りで朔夜が刺されてしまいます。彼が死んだらすぐ後を追うと言う主人公に、すでに出ない声の代わりに、指先で「いきて」と書いて伝える朔夜。結果死ぬこともできず、主人公は精神を病んで療養所で過ごすことになります。昔のことは思い出せない、新しく覚えることもできない主人公の唯一の楽しみは「さくや」の手紙を読んで返事を書くこと。いつか彼に会いたいという主人公の独白で終わり。読み書きイベントの可愛らしさがこれでもかときいてくる秀逸なバッド。
ハッピーEDでは「二人でいられないなら生きていてもしょうがない」と本気で喉を掻き切ろうとした主人公に楼主が折れて「どこにでも行きなさい」と見逃して(見放して)くれます。二人はとある街で夫婦として暮らし始め、娘もできて幸せに暮らすというEDです。

 

と、こんな感じで遊郭要素「足抜け」に特化したEDが多かったです。朔夜は腕はいいですが、所詮髪結い師にすぎないのでこの流れは自然とも言えます。
このルートで痛感したのですが、私に「みんなにバレちゃいけないスリルなシチュエーション萌え」属性はなさそうです。
スリルでドキドキするより、いつ人が来るか、人に見られるかとハラハラして集中できない方です。こういう時のセックスシーンは早く終わらせないと!というのが頭の片隅にずっとある。1個目のバッドEDはそういう意味では大変心臓に悪かった。
もっとゲーム全体がおバカなノリだったり、相手か主人公がなんとかしちゃいそうな要領のよい策士タイプなら話は別ですが、吉原彼岸花は終始シリアスだし、主人公も朔夜も真面目だけどそういうタイプじゃないですし。
海千山千の遊女である主人公にはもう少しうまくやってほしいとも思うのですが、まあ「経験は豊富だけど恋愛初心者が初恋ですっころぶ」というのは性別逆転すると全年齢乙女ゲームでもほぼ様式美なわけで、これはこれで一種王道なんだろうと納得しました。冷静になれないほど初恋に溺れている、っていうことなんでしょうね。
朔夜は朔夜で高嶺の花だった主人公(最初はそこまで意識していたわけではないだろうけど)が、素顔は可愛いし自分を気にかけてくれて親切だしで惚れちゃうのも理解はできます。彼は最後まで主人公のことを「美しくてすごい人」とどこかに尊敬(信仰?)する姿勢でしたね。ずっと敬語だし一段上に置いて跪いているイメージ。終わった後で思うのですが、他のキャラを見る限り、もしかしたら主人公に対するそういう姿勢は今作では珍しいのかもしれない。

スチルもかなり美しいのですが、脱ぐと二人とも(特に朔夜)がかなり細身なのは少し気になりました。構図とかも関係あると思うのですが、元々痩せているのかそういう絵柄なのか一人目では判別しにくい。主人公はくびれがすごい、くらいだったのですが。
あと余談ですがバッドEDについて。本来大好物のはずが朔夜がいい子すぎて久々に胸が痛くて「見たいけど気が進まない」感じを味わいました。
でもせっかくの遊郭もの、せっかくのR-18ですからね!バッドEDも醍醐味醍醐味!
バッドEDが無いと(特にこの設定は)題材を味わい尽くせないという意味でもったいないと思うので、数が多くて嬉しかったです。

 

 

久々にがっつりあらすじを書いてしまった。あまりの読みにくさにセリフだけ色を変えてみたけど焼け石に水な気がします…。長々と申し訳ありません。
次は忍さんの予定なのですが、さすがにもう少し削る予定です。そして更新はEXTELLAの進行次第です。
お疲れさまでした。

 

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*1:主人公は高位の遊女なので、客になるだけでも本来はしっかりしたところの紹介や楼主の許可がいる