トランクルームとスレイベル

ゲームの感想 乙女ゲ多め

灰鷹のサイケデリカ メインキャラクター感想

灰鷹のサイケデリカ、フルコンプしました。

今回はレビ/ラヴァン/塔の主/ルーガスのルート、EDのネタバレあり感想です。

成功してるんだか不明ですが、一応世界観については伏せてある…はずです。ルートネタバレしてるのであんまり意味ない気もしますが。

お付き合いいただける方は続きからよろしくお願いします。

 

 

この個別EDでも容赦ない感じ、サイケデリカだなあ…と思いました。
ストーリーの流れが基本一本道なのも相変わらず。ただし今回はかなりボリュームが増えてました。
あとは立絵の挙動が細かいのも、SEが一部コミカルすぎるのも相変わらず(笑)
そんな構成なので共通ルートのネタバレをしないで全体は語れないし、でもそこネタバレしちゃうと大体ネタバレになっちゃうし。今回はネタバレストップのお願いはなかったようですが発売されたばっかりなのでさすがにどうだろう、とちょっと躊躇いが。
迷って結局どこまでブログに書くか定まらなかったので、とりあえずキャラクターごとの感想を先にあげます。
おそらくフルコンプ感想は重要な部分は反転すると見えるみたいな形式になると思われます。

以下プレイした順にキャラクターごとの感想です。各キャラクターの秘密とかEDのネタバレは普通にしてます。また前触れなく前作黒蝶のサイケデリカに触れたりします。

ご注意ください。

 

 

レビ (CV斉藤壮馬)

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断罪する男。主人公の幼馴染のうち弟の方です。
序盤主人公との関係はしっかりものの弟とその弟がかわいくてしょうがない兄って感じで大変微笑ましかったです。
途中優秀で母親にも信頼されている兄への劣等感のようなものが見え隠れしていたので、その辺がキーになるかとは思っていたのですが、予想していたよりさらに斜め上の方向でした。
実は街を騒がせている連続殺人鬼「黒い影」の正体はレビです。街に4つ存在する、所有者を狂わせるアイテム魔石の持ち主の一人であり、その影響か殺人衝動を持っています。そのことを知ったとある人物の指示を受け、一族にとって邪魔な人間を消していました。殺人を楽しみつつも、我に返って手に染み付いた血の臭いに苦しむレビ。洗いすぎて冷たくなった指先を、主人公が何の気なしに手に取って温めてくれた…というのが彼の主人公への想いの始まりです。
このゲーム、大体のルートは主人公の瞳のことが街の人にばれてしまい魔女として捕らえられたところから分岐します。レビもそうです。
広場で審問にかけられる主人公。魔女の嫌疑以外に黒い影も主人公ではと疑われて、耐えられなくなったレビはその場で罪を告白します。裁かれるべきは自分であり、何もしていない主人公ではないと。
この告白(というか演説?)によって主人公は牢獄生活から解放されるのですが、そこがどうにもあっさりで違和感がありました。ここまでの描写だと、すべての災厄は魔女のせいとされ、魔女を庇う者も操られているとして処刑対象になるような場所、というイメージだったので。主人公とレビが親しい仲だったのは周知の事実だし「殺人衝動も魔女の呪いだ!」と言われるのが普通じゃないかと思います。主人公のこれまでの頑張りがあったからということなのかもしれませんが、それにしては最初遠慮なく石とか投げてくるし。
まあそんなこんなで、主人公と入れ替わるように今度はレビが投獄されてしまいます。ほとぼりが冷めるまではラヴァンに頼んで文通をして、少し落ち着いたところで食事番として主人公が牢に通うようになります。いつでも一緒だった昔のように話をする二人。
しかしその和やかな時間は、彼が何故牢にいるかを考えると当然ですが、期限付きです。
最終的にレビに下された処分は「追放」でした。しかし雪深い街の外へ、しかも彼に援助する者は同じ刑になるという条件付きですので実質死刑のようなものです。手を下さないだけで野垂れ死ねってことでしょうから。主人公が動揺するだろうとわかっていたので、レビは刑の日まで黙っているのですが結局それを知った主人公は彼を追いかけます。
たとえ二人っきりになってしまってもずっと一緒、という綺麗なシーンで終わるんですが……先を考えると絶望しか待っていないような。レビEDに限ったことじゃないのですがサイケデリカ関連の根本的な解決はしてないし。
バッドED以外で一番最初に見たのがこのEDだったので「うああああ」と思いました。そうだ、サイケデリカはこんな感じだった!と頭を殴られる感覚(笑) あと豹変するシーンで前作のヤマト思い出しました。
しかしこの内容だとレビは断罪される男、の方がキャッチコピーとしては正しい気がするのですが、(自分自身を)断罪する男ってことですかね?
同時に狼の兄弟EDも回収したのですが、これは兄弟が魔石の影響もあって行き着くところまで行き着いた感じですね。「大切な主人公を魔女と呼ぶ人間はみんな消してしまえ」EDです。主人公は絶望しますが、彼らがこのような凶行に及んだのが自分のためであると分かっているので責めることもできず、魔女として一緒に罪を背負うと決めるという結末です。
バッドエンド好きなのでこれも嫌いじゃないです(笑) というか直前の住民の手のひら返しでヘイト溜まりまくっていたので若干すっきりしました。

 

 

 

ラヴァン (CV日野聡)

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繋げ護る男。主人公の幼馴染のうち兄の方。狼の一族の優秀な次期当主。
やべえCVヒノのお兄ちゃんキャラだ!!と、思いましたが作中実際にやばい行動に出ることはほとんどありませんでした。上記の兄弟EDくらい。
ただ内面はどろどろしていて、自分たちを顧みなかった前当主である実の父親を殺したいほど憎んでいます。立派な当主にならなくてはならない、と強迫観念的に自分を律しているのは父親のようになりたくないから。
主人公のことは幼い頃は母の関心を奪う存在として疎んでいた模様。しかし主人公なりに色々考えていたことを知り、一種の尊敬の念を抱いたことから変化が生じます。それ以降主人公に称賛されることで、自分が未来の当主として相応しいかどうか確認していたというか拠りどころにしていた節もあります。
彼はかなり早い段階から主人公の性別にも気付いており、女性として好きです。
けれど主人公と母親が隠している以上指摘するわけにはいかない。自分もいずれ当主になれば相応しい相手をあてがわれる可能性があるため思いはひた隠しにしています。
とはいえ完全に感情を抑えることはできずに、じわじわ行動の端に滲み出てしまっているところが詰めが甘いという可愛いというか。この辺のじりじり感というかじとっとした湿っぽい執着。言いたいけど言えない、我慢しようとしても抑えきれない少女漫画的ジレンマ。大変好みでした。シナリオだと少女ルート(というかルーガス真ルート?)が好きなんですが、キャラクターはラヴァンが一番萌えました。
レビをヤマトだとするとラヴァンはナツキですね。本人たちも共感するところがあったようだし。
彼のルートでは捕らえられたあと、ラヴァンが「彼女は自分の妻である、狼の一族の当主の妻が魔女なわけがない」と嘘の主張をして主人公を解放させます。何の根拠もない主張ですが、鷹の一族の痛いところをついて強引に解放させた感じです。
これにより主人公はラヴァンと表向き夫婦ということになってしまいます。とはいえ直前までラヴァンといい雰囲気だったので悪い気はしない主人公。それに反して負い目のあるラヴァンは、忙しさもあって主人公を避けるようになります。
そんな自分を「かつてあれほどなりたくないと思った父親のようだ」と自嘲するラヴァン。主人公はなんとか和解したいと彼の父親のところを訪れます。「自分の声ではラヴァンに届かないから会って話してあげてほしい」という主人公に、父親は「まずはきちんと君の気持ちを伝えたら?」とアドバイスする父親。それにより主人公は好意を自覚。納得し、その場を去ります。陰でラヴァンは聞いていたんですけどね。そのあとは告白しあってEDです。レビと比べるとまだ明るいし甘め。まあラヴァンも魔石所有者の一人だったんですが最後まで暴走はしなかったので、この差は仕方がないかなと思ってます。
ずっと好きだった主人公に告白してもらえる、と盗み聞きしているためそわそわして告白を待つラヴァン可愛かったです。

 

 

 

塔の主(ハイタカ) (CV平川大輔)

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喪失した男。主人公が現在住んでいる塔の先住人。飄々としてつかみどころがない。
最初は当然攻略対象だと思っていたのですが、真相を知った後に彼のルートに入ってむしろ驚愕しました。エンディングあるの!?みたいな。
だって彼妻子持ちですからね。しかも奥さんを愛してたってはっきり言います。
どんな結末がくるのかびくびくしながらプレイしてたら「人目を避ける者同士世界の隅っこでまどろんでいよう」という感じのEDでした。個人的にはガチガチの恋愛EDじゃなくてよかったです。主人公は辛いときに側にいて欲しがるなどハイタカを精神的な支えの一つとしており、そんな彼は彼女に孤独を癒されているのでいいコンビではあると思うのですが、それは別に恋愛でなくても成り立つので。
ただ事前情報で攻略したかった方は相当数いたのではないかと思われますし、一応どちらにも取れる内容になってるとは思います。攻略後公式サイトを再度確認したらエンディング対象*1とだけ書いてあって納得しました。
彼は複雑な立場で、かつて街で起きたとある事件の中心にいました。しかしきっかけではあったものの彼自身は何かをしたわけではありません。4年一緒に暮らして情が移っているのか、主人公はこれに関して終始「ハイタカは悪くない」という姿勢でしたが、プレイしているこちらとしては「この人がもう少ししっかりしてくれてれば…」という考えが最後まで拭えず。そういう意味でも萌えるにはちょっと難しいキャラでした。

 

 

 

ルーガス (CV古川慎)

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追い求める男。鷹の一族の次期当主。
顔面筋が呪われているうえに、父親のようにあろうとするために威圧感があるのですが、実際は方向音痴だったり負けず嫌いだったり主人公への好意はストレートに表現する可愛いキャラでした。正統派ギャップ萌えともいう。

彼には実父と養父の二人の父親がいて、どちらにも負い目を感じています。ルーガス自身はいつでも真剣にそのとき最善と言われる行動をしてきたつもりなのですが、それがどうも裏目に出るタイプ。しかしそれでも折れず、また動くことができる。そんな精神的に強いキャラクターです。

彼はメインだと思ったので(実際メインだった)最後に回したのですが、プレイ順しくじったなと思います。
というのもレビルートで表面上は容赦なく主人公を審問にかけようとするんですよね。最後の最後で分岐するゲームなので、それまで結構仲良くしていたんですが。街のために動いているのはわかるのですが、正直裏切られた感が。
先にルーガスルートか少女EDやっていれば、内心めちゃくちゃ葛藤してたんだろうなというのがプレイ中補完できたのにな。
メインとはいえ個別EDは暗め。とある人物の機転とルーガスの手助けにより、牢に囚われていた主人公は直前に処刑された人間と一緒に死んだということで処理され、こっそり抜け出します。しかし公には死んだ身分なので人前に姿を見せることはできず、鷹の一族の屋敷の小部屋にルーガスに囲われるように暮らすようになります。ただ顔を隠せるマスカレードの日だけ、外に出ることが許される…というある意味監禁ED。でも別にルーガスはこの状況を喜んではいないので、特に萌えはありませんでした(笑)
彼の真価は少女EDにあります。
※ものすごく真相ネタバレになるので詳細はフルコンプ感想の方であげて、こちらではさわりの部分だけにします。
ラスト、主人公の出した結論とルーガスの結論は正反対のものでした。しかも主人公の選択によると彼女は死ななくてはなりません。ルーガスとしては到底受け入れられない結論のはずですが、主人公の話を聞き、結局は彼女の望み通り自分の手で彼女を討ち、その後の遺志も継ぐことを誓ってくれます。自分の感情より街のことを優先するルーガスが、主人公の命がけの決意に折れてくれるという展開は深い愛情を感じていいです。
ここで「自分の目的とは真逆のことをさせ、おまけに愛しい女をこの手で殺せというお前は、やはり魔女だ」みたいなセリフがあるのですが、なるほど、ここで主人公は本当に魔女になるのか、と感心しました。
ルーガスは誓い通り主人公を斬りますが、その後のあれこれに関してはラヴァンたちに任せ、自分もすぐに主人公の後を追います。しかし二人が行動したおかげで街には春が訪れ、二人はいつか別の場所でまた出会う…おそらくこれが真のハッピーエンドです。
このEDに関しては語りたいことがいっぱいあるのですが、それは前述したとおり別であげます。たぶん例の彼もその時に。
お疲れ様でした。

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*1:レビたちは「恋愛エンディング対象」と書いてある。