トランクルームとスレイベル

ゲームの感想 乙女ゲ多め

絶対絶望少女 プレイ感想

シリーズ新作「ニューダンガンロンパV3」発売おめでとうございます!

それに伴い、「アクション、外伝作品」ということでちょっと躊躇っていた本作を、いい機会だと思いプレイしました。フリプに来てたしね!

ざっと一周しただけで、アイテム収集などのやりこみ要素はまだまだなのですが、EDは見たのでクリアとしました。
ネタバレ厳禁の作品のため、シナリオバレはしていないはずですが、まったく予備知識を入れたくない派の方はご注意ください。
では続きからどうぞ。

 

 

  

 

まずは恒例の項目ごとの個人的評価。

シナリオ:悪くはないけど…。
全体的にエロ・グロ・メタといったロンパらしさはありつつも、従来の作品からすると「予想外の衝撃」が減っていました。
これはこうかな?と大まか予想したものが、ほぼ真相。基本的にメイン二人(もっと言うとこまるちゃんの成長)がずっと主軸にあって、構成自体はシンプルになってました。

キャラ:良かったです。
メイン陣営は2人と少人数ですが、彼女らがとても良かったです。
水と油だった2人が、衝突しながら絆を深めていく様子も良かったですし、腐川さんの新しい魅力に気付けたのは収穫でした。

アクション:ちょっと微妙。
TPS視点のシューティングアクション+ギミックの謎解きが少々…という感じのシステムです。
創意工夫は見られたのですが、色々な要素が競合しているところにカメラワークの悪さが重なり、個人的にはこの評価です。

ボリューム:満足度は高かったです。
厳密には計測してないのですが、大体クリアまで20時間ちょいでした。
一気にプレイしたことも大きいと思いますが、EDを迎えたときに心地よい疲労感とこれ以上はダレるという予感があったので、おそらく内容に鑑みて程よいボリュームだったのではと思います。

ビジュアル:良かったです。
素人視点ですが、キャラデザを忠実に3Dモデルに落とし込んでるように見えました。

サウンド:良かったです。
ロンパっぽいBGMが多めで作品の世界観構築に一役買ってました。
あえて難をあげるなら、ボーカル?SE?入りのBGMはもう少し声量控えめにしてくれた方が良かったかなと。

 

 

感想

面白かった…ですが外伝とはいえダンガンロンパシリーズであることを考えると、凡作寄りかなと思います。

 

過剰気味の下ネタ・残酷なイベント(描写はソフト)・メタネタ満載のセリフ…なにより「コドモ VS オトナ」の悪趣味さを前面に押し出した構図は良かったです。
メイン2人も友情ものも、ベタですけど好みでした。
意味の分からないうちに巻き込まれたため、泣きながら「どうしよう腐川さぁん」が口癖のこまるちゃん。1では正直、十神くんに引っ付いて場をかき乱す言動が印象に残りやすかった腐川さん。
どちらも可愛いけど特別好きではない、という感じで序盤を終えたのですが、腐川さんの言うことが一々重みのある正論なのですぐに見方が変わります。
1の出来事を踏まえて、彼女は彼女なりにいい方向へ成長しているんだなあ…と変な話ですが、嬉しくなりました。私は過去作贔屓気味なので。
中盤までこまるちゃんは基本的に変化なしなのでちょっと間延びしちゃいますが、終盤以降の成長には目を見張るものがありました。ぼかしますが、演説のシーンとか。
腐川さんが迷うとこまるちゃんが方向性を示し、こまるちゃんが折れると腐川さんが渇を入れるというベストバディ。若干こまるちゃんのほうが頼り気味ですが、それは経験の差だからしょうがないかな。
ラストの仲良しっぷりはほんわかしました(笑)

 

…と、このゲームを「絶望に立ち向かう普通の少女(たち)の成長ストーリー」とするなら恐らく高評価になるのですが、問題は私がこのシリーズに求めているのは「あっと驚く展開・真相」であること。
ダンガンロンパシリーズはとにかくプレイヤーの裏をかく演出がうまいと思っています。
それもそこそこADVをプレイしていて、深読みするタイプの人が引っかかりやすい仕掛けが多いです。
外伝とはいえ、やっぱりそこを期待してのプレイだったので、先述の通り「こいつ黒幕かな」「こういう感じの背景かな」とぼんやり考えていた範囲から外れのない展開・真相だったのはとても残念でした。
1と2でぼんやりとしかわからなかった、「外」の状況が目に見える形で提示されたのは良かったですし、結末自体に不満はないですけどね。外伝でないと/普通の少女でないと、やれなかった物語ということですとんと納得しました。

 

また従来のシリーズとは異なるアクション部分についてなのですが…。
基本的にこまるちゃんの持つ「拡声器型ハッキング銃」でモノクマを撃退してマップを進みます。
ガンガン敵が出てきて爽快アクション!という感じではなく、思い出したようにモノクマが出現&無意味な動きの多い彼ら(でも可愛い)にゆっくり照準を合わせて撃つというゆったりしたテンポになってます。
難易度選択もあるし、初心者にもやさしい形式と言えばそうなんだけど、この作品で重要と思われる緊迫感は減ってます。
弾は八種類存在し、種類に応じて色々な効果をもたらすのはいいのですが、「この敵がきたらこれ」と使い道はかなりシンプルで、プレイヤーの工夫などは特に必要ありません。というかモノクマズは大抵通常攻撃ごり押しでOKです。
面白い効果のものもあったので、もっと「これとこれが連鎖して、この敵にはこういう戦い方もできる」みたいにシステムを詰めてくれても良かったんじゃないかなあと思います。せっかくアクションにしたんだし。

 

またVitaというハードとの相性もあると思いますが、あんまり操作性は良くないです。
弾の選択ボタンが押しにくいなど細々した点もありますが、一番はカメラワーク。
何の気なしにオートロックスキルをつけて、一番近いモノクマから照準が外れなくなったときはびっくり*1しました。
スキルって強くなるためのものではないのか…。
そうでなくとも、ボス戦は強制オートロックです。スキル外していようと、カメラを設定でマニュアルにしてようと、ボスからプレイヤーは目をそらせない。
回避が難しいなか障害物のあるステージもあり、非常にストレスでした。

 

「モノックマン」は結構好きでした!
チャプターごとにいくつか用意されているパズル的ミニゲームで、プレイヤーは用意されたギミック・モノクマや弾の特性を生かして条件達成を目指します。これもごり押しできるんですけどね(ボソッ
条件は一応クリアしているはずなのに、高評価画面が出ない箇所がいくつかあったのだけが少し困りました。条件が曖昧すぎる。
モノックマンに限らず、全マップでもっとギミックあっても良かったのに。

 

総合してアクション面は悪いというほどではないですが、「なぜこのシステムにしたのか」という意味は薄いかな~という感じです。
違和感を覚えるほどではないですが、シナリオと親和性がめちゃくちゃ高いわけでもなく、ストーリーパート間の作業になってるんですよね。
また「爽快無双アクション系」を端から目指してないのは理解できるんですが、それとプレイヤーに不要なストレスを与える要素が存在していいかどうかは別かなとも思います。

 

 

 

少し言葉が過ぎたかな…(;・∀・)
ゲームとして未完成とかそういうことはないですよ。ある程度のクオリティは保っています。
でもシリーズやってるともう少し突き詰めてくれれば…という期待を捨てられなかったわけです。
これからプレイされる方は(私の主観はスルーして)肩の力を抜いて楽しんでくださいませ。

 

 

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*1:遠距離攻撃するモノクマは周囲を巻き込んで自爆してくれるので、そっちを優先的に倒したい場面は多い