トランクルームとスレイベル

ゲームの感想 乙女ゲ多め

Code:Realize~創世の姫君~ サン・ルパン√+フルコンプ感想

一日遅くなりましたが、Code:Realize~祝福の未来~発売おめでとうございます!

私のところには本日到着予定なんですがまだ来てない。大丈夫かな。

間を置いたってレベルじゃない、コドリア本編のサンとルパンルートを思い出しながらの粗い感想とフルコンプ感想になります。

今回ネタバレに加えてほぼ愚痴です。

コドリア大好き!ってお嬢様はブラウザバックされた方がいいんじゃないかな…というレベルです。

何が来ても(どんな言いがかりでも)大丈夫!という方だけ続きからお付き合いお願いします。

あとネタバレなし総評はあげないことにしました。記憶が曖昧でだいぶ印象で書いてしまっているところがあるので。

では以下よりどうぞ。

 

※「Code:Realize ~創世の姫君~」のバナーに使用されている画像の著作権は、アイディアファクトリー株式会社およびデザインファクトリー株式会社に帰属します。

 

 

サン・ジェルマン (CV平川大輔)

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ルパン一味が滞在する屋敷をしれっと用意してくれるなど多大な貢献をしてくれるも、いまいち過去や何がしたいのかが見えてこない貴族。
個別ルートは彼の正体や目的について明かされるルートになります。
ざっくりまとめちゃうと、彼は間違った世界の運命(歴史)を正しい方向に導く秘密組織「イデア」の刺客で、あまりにも先鋭的すぎて人の領分を超えているアイザックの研究結果を消滅させるために動いています。目下の標的は彼の被造物である主人公です。
イデア予知能力や魔法が使える女性オムニブスに率いられているため、このルートはかなりオカルティックというかファンタジー要素が入ってきます。スチームパンクってどっちかというとSFのイメージが強かったのでびっくりしましたが、吸血鬼とか人造人間とかはこのジャンルでも割とメジャーっぽいので、私が知らなかっただけでこれもよくあるパターンなのかな?
個別開始時、黄昏の襲撃にこれ以上仲間を巻き込めないと考えた主人公はサンの口車に乗る形で一味と別行動をとります。引き離された後彼の口でこの辺の事情を知らされ、殺されそうになります。一度は衝撃を受けるも、彼の言動からこれまでの仲間として過ごした日々は完全に嘘なわけではなく彼も葛藤しているのではと気づく主人公。
隙をついて逃げ出すも、このままではいずれ本物の怪物になるとイデアのリーダー「オムニブス」に告げられ、失意の主人公はどうせならサンの手にかかって死のうとします。しかし己のことを人形と自虐し未来を諦めた様子の主人公を見て、むしろサンの方が(予想以上に)ショックを受け、躊躇が生じます。最終的に彼はイデアを裏切り、使徒(メンバー)をすべて殺すことを決意。主人公には何も心配しなくていいと告げて姿を消します。
その後再度接触してきたオムニブスにより、サンはこれまでオムニブスにより不老不死の状態であったこと、裏切によりその魔法を解いたためいずれ完全に死んでしまうことを教えられます。主人公はサンの身を救うために自ら命を絶つことを条件に、オムニブスと取引をします…。
ここ正直「ええ~!?」って思いました。主人公の命を救うために命を懸けたサン、を救うために主人公は死のうとするので。新たな情報を得たことで結論が変わったというのは理解していますが、なんとなく元の木阿弥というか台無し感ありました。
 まあ最終的には「主人公が化け物にならない道を探す」という執行猶予をオムニブスからもぎとってEDです。

もう恒例になりそうなんですが今回も敵キャラ(オムニブスさん)には色々言いたいです…。
ここまで毎回引っかかると、とことんライターさん?ディレクターさん?と感性が合わないんだなと感心するしかない。
こういう「正義は我にあり!だから我々は何をしてもいい!」みたいな独善的な人は元々苦手なんですが、活動指針がいまいち曖昧というかオムニブスさんの匙加減次第というかなもので余計に受け入れられませんでした。
あと悪い意味で人間らしすぎるんですよね、オムニブスさん。もっと人間らしからぬ超然とした存在だったらまた印象も変わっていたかもしれません。
オムニブスはラテン語で「全ての人のために」って意味らしいけど(本名は別にあるだろうし)ご自分でつけられたとしたらあまり合ってないです。少なくとも必要な犠牲はズバズバ切っていくタイプだし
ラストの執行猶予も「サンと主人公が予言を覆したから、主人公の運命に関しても可能性に賭けることにした」ってことなのでしょうが、その予言の内容が「サンはギネヴィアには勝てない」だったのもなんとも微妙でした。
ここは「被造物である主人公がアイザックの企みを阻止する」くらいであってこそ、例えその後主人公に毒素が残りっぱなしでも生かしても大丈夫かもって説得力に繋がる気がするんですが。
ただアイザックとの諸々は最後のルパンルートに持ち越しのためか、個別始まってすぐにフィーニス関係はさくっと処理しちゃってるんですよね。勿体ないなあと思います

 

恋愛イベントはぐっと来るものが多かったです!
『冷酷に任務を遂行しないといけないのに殺さなくてはならない相手を想ってしまった』からの『組織を裏切って自分は追われる身になろうとも相手を生かしたい』という流れはとても悲劇的で美しいです。
具体的にあげると、不老不死なので主人公に直接触られても大丈夫=再生する、と頬に彼女の手を押し当てるシーンがすごく好きです。その後「貴女に触れられるのは私だけですよ」と優越感を誇示するところも含めて。ルパンEDを考えると真顔になってしまうんですけども。
あと自害しそうになった主人公を止めて、オムニブスにサンが土下座して頼み込むところも好きです。普段飄々としているキャラが必死になるところは見所ですよね。
例の執行猶予もあのサンがここまで言うなら、みたいな部分も大きく作用していた気がします。
イベント自体は実は全キャラ中一番好きだったのですが、引っ張り込んだ要素を飲みこみ切れずシナリオ自体は微妙になってしまったサンルートでした。

 

 

 

アルセーヌ・ルパン (CV前野智昭)

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満を持して!約束されし勝利のメインヒーロー(と称してしまってもよかろう)!怪盗紳士さんです。
ルパンさんはキャラはすごい好きなんですよ。
飄々としてていいお兄ちゃんポジションで、決めるときにはバシッと決める主人公気質。芝居がかった大仰な言動はご愛敬でしょう。
主人公が「もうだめだ…」ってときに必ず駆けつけてくれるので、プレイヤー的にもほっとしたりして、頼りがいがあるところは文句なしにかっこよかったです。
ストーリーもそんな彼に相応しいというか、オールスターキャストで赤絨毯引いて堂々正道を歩く感じのものに仕上がってます。これまでのルートの敵キャラ総出演ですよ。ルパン一味が彼らと協力したりやっぱり小競り合いしながら、フィーニスに攫われた主人公を救いにノーチラスまで駆け抜けます。

またアイザックとフィーニスが何を目的に動いていたのかがようやくはっきりわかるルートでもあります。
フィーニスはアイザックの人格データを管理・保存する演算装置的器、主人公のホロロギウムが器を動かすための動力源。二つ合わさって真・アイザックが新世界の神として降臨するよ!ってことらしいです。
アイザックの目的は世界を延々続く戦争状態に持ちこんで科学を絶えず発展させること。また最後にわかるのですが戦争を望む根底には、妻子を殺した愚かな人間への復讐と進化を続けることでいつか死者の復活を可能にという企みがあったみたいです。
主人公自身には特に何の感慨もなかったみたいですね。優しかったのはあくまで娘の姿そっくりで、彼女を思い出せて嬉しかったから。その割に息子にそっくりなフィーニスには冷たいんですけど。
余談ですがフィーニスが「父様ァ!」と叫びアイザック登場、少し会話して「まだ動力が足りない…」と引っ込むくだりが数回あって(そんな場面じゃないと思いつつも)ちょっと笑っちゃいました。せわしないな!
今作一番行動原理に納得がいったキャラはフィーニスです。怪物だから愛されないと自分の宿命を理解し(諦め)、それでも父親に愛されるため役目を必死に果たそうとします。何も知らず父親に可愛がられている主人公には憎悪を向けつつも、最後自分を救おうとした主人公を道連れにはしません。とても人間らしくないですか? 彼を救いたくてFD購入を決めたところがあるくらい気になっています。


話を戻します。
創造主から全否定された主人公がそれでも完全に堕ちず最終的に完璧なハッピーEDをつかみ取るのは、ルパンとのこれまでのあれこれがあったからだというのは重々承知です。が、ルパンの具体的決着方法は「失敗の可能性は常にゼロ!」と言う割にはかなり行き当たりばったりでした、よね? まあ外しちゃいけないところで外さない、ディスティニードロー(違う)もヒーローの適正というものなのか。
恋愛に関しては頼りになる男性を好きになってしまう主人公側の心理は理解できたものの、ルパンがいつ主人公をそこまで好きになったのかがわからずじまいでした。例え惚れてなくても「困っていたから」「見捨てるのは自分の美学に反するから」とかで手を差し伸べてくれそうな人だし。
というかイベントを見直してたら彼自身も「いつ好きになったのかわからない」って言っていたので、私にわかるはずがなかったです。自然に惹かれ合う二人ってことなんだとしても、プレイヤー側がときめけるきっかけの演出も乙女ゲームには必要だと思いますよ。
彼のメイン扱いについては、攻略キャラ同士で差があること自体は気にしない派です。むしろルートの彩りが豊かになるのでガンガン入れてくれてOK派。
例えば主人公のかつての相思相愛の婚約者とかだったら、もうメインでもしょうがないかなって気になります。前世での恋人とか事件の真犯人とか。
ただ今回に限ってはルパンがメインになる内容的根拠が薄い気がしました。一応主人公を最初に連れ出したのはルパンだけども、その後は「みんな仲間」的な同列の関係性に落ち着いてしまいますし。
ぶっちゃけると制作側が「ルパンメインにしたい」からそうなったって感じ。これに関しては贔屓以外の何物にも思えなくて微妙でした。必要性があって結果としてのメインじゃなくて、ルパンルートを盛り上げるために他ルートsageしているように見えてしまったんですよね…。
こんな感じでキャラクターは好みだけども、出来レースすぎて「彼を好き!」って素直に言えなくなるルパンさんでした。ルートは若干勢い任せで強引なところも含めて、少年漫画的ボーイミーツガールぽくて良かったです。全編ルパン視点だとちょっとラピュタっぽくもあるかも。

 

 

フルコンプ感想

設定の壮大さとエンターテイメント性、乙女ゲーム的お約束と尺が水面下で喧嘩しちゃって消化不良っていう感じのゲームでした。
希少だったり高価な素材を用意したのに、みんなに食べやすいように味付けを口当たりの良いものにした結果、おいしいけど風味は消えたしどこでも食べられる料理になっちゃったみたいな。わかりにくい(笑)

とっくにコンプしていたのに筆が進まなかった理由は…察してください。

 

プレイヤーを楽しませようという意気込みはすごく見えるんですよ
共通ルートは長めだけども、そこに「スチームパンクならこういう場面が欲しい!」みたいなイベントが目白押しですし、個別ルートに入ってからは飽きさせないように毎回敵キャラが異なります。
背景もめちゃくちゃこだわってて綺麗なだけでなく、世界観を補完する素晴らしいクオリティです。また火事のシーンではきちんと燃えてる差分を用意するなど細かいところまで手を抜いてません。
主人公は触れたものをすべて溶かしてしまう猛毒を宿しているけれども、そこはそれ乙女ゲームですから、特殊な布越しなら触れても大丈夫(=密着したスチルもOK)ですし、一味のメンバーに彼女を本気で排斥しようという者はいません。
徹底してプレイヤーを不快にさせないようにという配慮が見えます。

 

ただその代償として、このゲームに宿ったかもしれないアクは消えてしまいました。そしてそれこそ私が見たかったものかもなーと思います。
色々と突き詰めるとひたすら重たい話になりそうな設定なので、故意に登場人物の情動を止めてる部分があるように思われました。反対に乙女ゲーム的イベント他を起こすために、後付けで動かされているようなキャラも。
その結果設定があやふやに思えたり、浅く見えたり、詰めが甘く感じてしまったり…この辺がぬぐえない違和感になって私の前に立ちはだかってしまい、どうしようもなかったです。
細かいところですが例を挙げるとするとサンルートで主人公とオムニブスが会話するシーン。オムニブスが「貴女は魂がなく、ゆえに人間ではない。人間らしく感情があるように振舞っているだけの人形にすぎない(重たい設定)」と指摘して主人公は衝撃を受けます。しかしその直後に「サンを愛しているのね(乙女ゲームだからね!)」とか言われてしまいます。もう本当重箱の隅をつつくようで申し訳ないのですが、プレイ中はどっち!???と混乱しました。
また今作では敵キャラが複数登場するのですが、彼らの犯行動機が割とよくわからない。いや、言いたいことはわかるんですけど、彼らの設定からすると言い分が幼稚すぎるというか小物っぽすぎる。毎回そこが気にかかりすぎて個別は集中できなかったです。
ただこの辺にひっかかってる方が見受けられなかったので、私がピリピリしすぎてるだけなんだろうなー。
あとは共通ルートで冒険的イベントに尺を使いすぎて低糖度進行だったのに、個別に入るといきなりクライマックスになっているキャラクターが数名いたのも気になりました。恋愛過程が行方不明。
そして過程が不足気味なので、好みのシチュエーションはあったものの完全にはのりきれませんでした。内容もかなり王道ぽいものを揃えていましたしね。

 

好きか嫌いかで言ったら好き、面白いか面白くないか聞かれたら面白い。でも萌えたかって言われると「そこそこ…」みたいなゲームでした。七割美味しいんだけど三割の雑味が気になると台無し。
軒並み高評価だったので期待値爆上げで挑んだのも良くなかったと思います。あと前述したとおり丁寧なところは丁寧なので、きっとこのもやもやもラストにきっちり決着つけてくれる!と意地でも期待を下げないままでいたのも。
ゲームを楽しめないとへこみますが、世間様が評価している作品を楽しめないとなぜかよりへこみます。コンプ後へこんだし、今感想をまとめてまたへこんでますが、一応今回は正直な意見ということであげさせていただきます。
ご不快になられた方がいたら申し訳ないです。
気を取り直して、FDの方はさっぱり楽しめたらいいなあとほどほどに期待(学習した)して〆ます。
お疲れさまでした。

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