トランクルームとスレイベル

ゲームの感想 乙女ゲ多め

夏空のモノローグ 木野瀬ルート感想

夏空のモノローグ、フルコンプしました。
夏にやりたい!とか言ってすでに9月も終盤ですけど、なんとか10月に入る前にクリアできてよかったです。とはいえ二枚ほど取れてないカットがあるんだけどどうしよう。多分LRC関連だよね…。

追記から木野瀬感想です。いつものようにネタバレしていますのでご注意ください。

 

木野瀬一樹 (CV阿部敦)

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目つきと顔立ちで怖がられやすいが、本当は優しい科学部副部長。


彼とのルートはLRCの一環として、お互い恋人(偽)のようにふるまってみよう!という実験からスタートします。2人とも相手を意識しまくってるし、告白してないだけでほぼ両思いでは?みたいなやりとりをするので大変甘酸っぱいです。
しかし部長の細かい指示のうち「お互いをよく知ろう!(正確にはお互いの過去を知ろうという部分)」という内容のものが届いたとき、木野瀬は過剰に反応し指示を拒否します。頑なに過去を語りたがらない木野瀬ですが、ただ、主人公にはかつてとても好きな人がいたことを教えてくれます。
主人公がもやもやした気分を抱えているなか2人して雨に降られた日、雨宿りとして訪れた木野瀬の部屋で、主人公は彼と記憶を失う前の自分のツーショット写真を見て彼の想い人の正体を悟ってしまいます。
うん、知ってた……!
この辺はプレイ順によるかな。LRCや他のルートの彼の言動でわかっちゃうプレイヤーさんは結構いると思います。初周木野瀬だと驚くのかもしれない。
過去に何があったかざっくり書くと、2人は中学生の頃に出会い、木野瀬が主人公に一目惚れして告白するも玉砕。しかしその後友人としては関係が続き、受験勉強をいっしょにして同じ高校に合格。仲が深まったと感じた木野瀬は再度告白しようとツリー広場へ主人公を呼び出します。しかしその日ツリーが謎の発光現象を起こして先に待ち合わせに来ていた主人公は何らかの影響を受け昏倒。目覚めるとそれまでの記憶をすべて失っていました。
過去を知られた木野瀬は罪悪感その他から主人公を拒絶してしまいます。それをなんとか振り向かせよう、先へ進ませようと主人公が奮闘するのがこのルートです。

 

何が自分を自分たらしめるか、記憶のある自分は記憶のない自分と同一と言えるか、ということについて作品によってさまざまな答えがあり得るかと思いますが、このゲームは基本的に「記憶の有無にかかわらず主人公は主人公」という考えを採用しています。
恐らく木野瀬も本音ではそう思っているのではないでしょうか。しかしゲーム開始当初他でもない主人公自身がかつての自分と今の自分は別の人間だと認識しています。そのため記憶を失ったばかりの時、見舞いに来た木野瀬に「自分はかつての彼女ではない、彼女はもういない」と拒絶してしまっています。
この件が木野瀬の一種のトラウマになり、「今の彼女はかつての彼女とは違う」と刷り込まれ、その考えから抜け出すことができなくなったように見えます。被害者である彼女がそう言うなら、彼はそれを受け入れざるを得なかったという構図です。
さらに記憶喪失になった原因が自分である(と彼は思いこんでいる)という罪悪感から「彼女は自分のせいで消えてしまった、今の彼女に近づく資格はない、困ったときに手を貸せるように遠くから見守ることだけしよう」という痛々しい献身の決意が出来上がってしまっており、それが拒絶につながっているわけです。
彼女への贖罪のはずが、主人公を傷つけてしまうという悪循環。

 

主人公にとっては好きな人の好きな人が、ある意味地雷であるかつての自分であったというだけでショックなのに、自分は彼女ではないからと拒絶されたような形なわけです。しかも木野瀬がこういう感じなので、主人公は自分で過去の自分との折り合いをつける必要があります。
この辺の彼女の頑張りは大変良かったです。拒絶に怯えたり泣いたりしながら、それでも木野瀬と関わることをやめない主人公の姿は最初の頃の消極的さからすると、ものすごい成長が見えて応援したくなりました。あと他ルートでの主人公への私のネガティブな感想を吹き飛ばしてくれて個人的に本当によかった。
相対的に木野瀬くんもう少しバシッと決めてくれ!という心もちにもなってしまいましたが、彼は罪悪感にがんじがらめなのでまあ仕方がない。
最後は二人して一歩踏み出せて本当によかったなあという感じです。
ただ他ルートでの木野瀬を思うとなんともいえない感情があったのは確かです。そういう意味では彼が(綿森除く)ラストでよかったのか。
木野瀬に限らないしもっというとこのゲームだけじゃないけど、他キャラの個別ルートに入ったときの彼女の特別になれない、問題に一緒に立ち向かう人がいない状態の攻略キャラって心配になりますよね…。考えると泥沼にはまりそうなので基本考えないようにしてるんですけど。
ただフルコンプしてみると、それでも科学部ならなんとかなるかな!というほんのり希望が持てました。
次はそんな感じの綿森さんルート、というか真相+フルコンプ感想になります。
お疲れ様でした。

 

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