トランクルームとスレイベル

ゲームの感想 乙女ゲ多め

大正×対称アリスシリーズを終えて

『大正×対称アリス』応援中!

作文みたいなタイトルですが(思いつきませんでした(;'∀'))、要は本編&FDをこんな感じでプレイしていましたよという自分用メモです。
引っ越し前のブログにep1のみ感想をあげていたようですが、それ以降メモですら歯抜けになっているので、一生懸命思い出しながら書きました(;´∀`)
シリーズ全体のネタバレあり、自分語りばっかりですのでご注意お願いします。
 

 

 

episode1

最初からフルスロットルのepisode1。
シンデレラ→赤ずきんの順で攻略しました。
最初はどうも百合花に不満たらたらだったようです(笑)
シンデレラ編ではまだこの子すごいなあという感想でしたが、赤ずきん編でちょっと引いてました。
秘密を暴かれて身を引いた後に、かつての家を買い取って結婚相手(=自分)を探していると告げられたシンデレラさん。
誰かに狙われている芝居を打たれて、これまで逃げ続けてきた過去へ向き合わざるをえなかった赤ずきんさん。
囲い込まれるようなシンデレラ編*1はまだしも(?)、赤ずきん編は荒っぽすぎる。
何より強引だし重いよぉ。
本当にうまくいったから良かったようなもの。終わり良ければ総て良しは良くなければ大惨事になるんですね。
感情を持て余したのか「このヒロインはやり方が独善的すぎる」みたいなことを書いてました(;^ω^)
他には、
・百合花が強すぎるあまりに攻略キャラの(かっこいい)見せ場が少なくて萌えにくい
乙女ゲームとしては真相が生々しく、人を選ぶ
・(メーカーの)挑戦的なところは好き
とか。これは総評にも書いてるので、その辺はブレてないんだな自分……。
あとこの時点では考察しようというやる気があって、
・百合花は自分を「ゲームの駒」と称しているがどちらかというと劇の役のようなもので、その観客は我々(=プレイヤー)といったメタ的な仕掛けの作品なのでは? シリーズラストで画面越しに彼女が語り掛けてくるのでは?
とも書いてありました。中らずといえども遠からずって感じですね。でもこのころの自分に突っ込みたい。そのオチ、ホラーじゃね?
そしてepisode1をプレイし終わったあと、自分の心の棚のなかでの分類をそっと「乙女ゲーム」から「ノベルゲーム」に移動させました。
※どういう意味か説明すると長くなりますし、自分ルールな分類にすぎませんので割愛します。
これが正解だったと自分では思います。
百合花さんは、私が感情移入するには相当難易度の高いお嬢さんでしたから。
まず信頼できない(笑)
プレイヤーには彼女が何を考えているのか開示されませんからね。
どういう過去があってこういう人格になったのか、具体的にはいつ攻略対象を好きになったのか、何を意図して動いているのか。
表面的なところはともかく深い部分は一切わかりません。
むしろ攻略対象の方がどういう風に恋に落ちて行っているかわかりやすいです。赤ずきん編なんか、真相関係はもろに赤ずきんさんの視点=プレイヤーの視点でしたし。
早々に百合花は百合花という一個のキャラであり、プレイヤーの意思を代弁する存在ではない、と割り切ったことで私にとってのベストな距離感でシリーズを追っかけられた気がします。
といってもこの時点では続きを買うか悩んでいました。
“序盤の謎めいたシーンは気になる。でも万一「深い意味はなかったんだよ」的なオチだったらがっかりしてしまう。
萌えを楽しむにはコツがいる作風だし。
あとボリュームで考えるとけしてコスパもよくないし~……”とぐだぐだ悩んでいたようです。最終的に“続報来てから決める!”と先送りにしてました。

 

 

episode2

毒が強まった気がするepisode2。
結局予約して購入。
シンデレラ編の主人公を見守ってくれる従者かぐやさんが気になりすぎて。関係性はリセットされちゃうんですけどね。
グレーテル→かぐやの順で攻略しました。
グレーテル編は何故か百合花が監禁されているところからはじまり、またも若干置いてけぼり。サスペンスとかホラーだと最高にわくわくする導入なんですけどね。
少しずつ事情が明らかになっていくのをハラハラしながら見守っていました。
今作でも百合花節は健在で、全体的な感想は1とほぼ同じです。対アリさんが一切ブレずに作風を貫いているのがわかります。
あれ?と思ったのはかぐや編。
私と相性が良くなかったのか攻略がへたくそなせいなのか、とにかくハッピーエンドが見れない。
というか少しでも対応を間違うとバッドエンド。かぐやさん何度月に帰ってしまわれたことか……。
めんどくさい人だなーと笑っていたら、最終的に百合花が愛を証明せんとお腹を刺しはじめて白目剥きそうになりました。
これまでプレイした他3つと違い百合花の方が振り回され気味だった印象も手伝って乙女ゲームの主人公も大変だな……”という感想を抱きました。
なんというか「かぐやさんの求めるヒロイン像以外の主人公は、存在さえ許されない」ように見えたんですよね。
バッドエンドに魔法使いさんが出てきて「これは彼の望む展開(選択肢)じゃないよ、ハッピーエンドに行くにはそれじゃだめ。やりなおし」と告げてくる演出が、この印象を強めたんだと思います。
この時は単純に“Primulaさんも酷なことする(シナリオ書く)ぜ……”とか“いかに最強ヒロインであっても神(シナリオライター含むスタッフ)には勝てないんだなぁ”という「創作物である以上当然の仕組み」を再認識したにすぎず、そこから発展して考えるとかはまったくなかったです。
まさかすべて計算で、シナリオにきっちりその答えが用意されていようとはorz
私は見事にPrimulaさんの狙いにはまっていたことになりますね。
考察とかはこの辺ですでに投げていたようです。わかんね(笑)と書いてありました。あとで困るから真面目にやってほしい。
そして上記の事情で、私の中に少々あった百合花への反感がいっきに同情へシフト。
“過酷なゲームの主人公になっちゃったけど頑張れよ”と思っていました。これも次でひっくり返るんですけど。
 
 

eipsode3

そして転機のepisode3。
攻略制限があるので白雪→魔法使いの順でしか攻略できません。
仕掛けてくるのは制限のある魔法使い編だろうと、白雪編では油断していました。
そして始まる後半の怒涛の種明かし。夢中になってクリッククリック。
何故かこの時点では「白雪くん=アリスくんの別人格」というところまでで思考がストップしてしまいました。
では他の攻略キャラは?ってところまで頭回ってなかったと思います。
何かを考える時間も惜しく、物語を進めていたんだとフォローしておこう(笑) 私の脳みそはすぐ動作を停止するのがデフォルトです。
ちなみに初回プレイ時の白雪くんへの感想は「ぶっちぎりで重たい背景を背負った可哀そうな子」でした。
みんなそれぞれ辛い記憶があるのですが、私の価値観だと彼が一番きつい。そのイメージが強く残りすぎたんでしょうね。
つい先日FDをプレイした流れで再プレイしたのですが、「可哀そうな子」から「誰かのためにそれを背負うことを決めた、強く優しい子」に更新されました。格好良かったです。
手を止められず、そのままぶっつづけで魔法使い編へ。
そこでほぼすべての真相を明かされ、ただただ放心しました。
私事ですが(というか今回私事しか書いてないですが)、実はこの直前に「攻略対象が全員、とある人物の別人格」というギミックの別のゲームをやっておりまして、正直その事実自体に大きく動揺したわけではありませんでした。
どちらかというと、例えば「外に出てはいけないと注意した赤ずきんの母親」=「白雪くんの母親」など、要所要所で感じていた違和感についてきっちり説明がついたことへのカタルシスが強かったです。
“ぐわああああああ!そういうことか!!!すっきり!!!”という一文のみがメモ帳ソフトに残っていました。なんなのこの人?
私は大変ちょろい人間なので一度でも「この作品はやばい(すごい)」と思うと、評価がぐんと上がってなんでも肯定的になってしまうのですが、今回はまさしくこのパターンでした。
ただしそのすっきり感とは裏腹に、主人公に対してはかなり複雑な気持ちを抱いたことを覚えています。
私がこれまで応援してきたのは各物語のヒロインであり、現実の有栖百合花ではありません。
ヒロインたちは、百合花の望む結末のために生み出され利用されているわけです。利用されていると言えば魔法使いさんもそうなんですけど。
恋心さえ設定されたもので、王子様を救うお姫様として相応しい振る舞いができなければ死ぬしかありません。
それでもいいとヒロインズは(黒猫さんみたいに)ニッコリ笑って言いそうですが、私が納得できませんでした。
ここまでゲーム3本分駆け抜けているわけで、「たかが人格」といった割り切り方も到底無理でした。
またepisode3時点では現実の方の有栖百合花がどんな人物がはっきりわからないので、もう想像の中でどんどん悪女になっていく(笑)
この時ほど誰かと感想を語りたい……!と思ったこともないかもしれません。
でもネタバレせずには語れないしネガティブな感想も引っ付いてるしで諦めました。ブログは非公開にしてた頃だしなぁ。
 
 

epilogue

綺麗にまとめてくれたepilogue
3で若干燃え尽きた感はあったものの、ここまで来たら毒を食らわば皿まで的にラストまで見届けたい気持ちはありました。
それでもすごく不安でした。
二次元で多重人格のキャラクターをシリアスに描く場合、「統合エンド」があるべき結末として描かれることがあるからです。
対アリもそうだとすると、現実の有栖百合花の一人勝ちです。
すごく意地の悪い見方・言い方をすると「まぼろしだけど幸せな結末とお姫様を用意したから、それを抱いて消えてね」的なお話になってしまう。
ここまで走ってきてそんなオチだとつらい……と一人でぐるぐる考えていましたね。
※一応付け加えると、描き方によってはそれはそれでアリと思いますよ。
1~3までプレイして、文句を言いつつもなんのかんの楽しんでプレイしたことに変わりはないです。ただ最終的な評価が少し上下するだけ。
杞憂でしたけどね。
ちょっと今手元に実物がなくて*2再プレイできる環境にないのですが、記憶を掘り起こすと「よかったー!!!!」というものしか出てきません。
今プレイしたらまた違う感想を抱くかもしれませんが(その場合はここに追記します)、プレイ時は本当に納得できる回答をもらった気がしました。
アリステアと有栖百合花の過去。なぜ百合花はあそこまで彼に執着し、アリスは生まれたのか。
この辺すごく気になっていたので嬉しかったです。欲しかったパズルの最後のピースみたいな感覚でした。
特にアリステアとアリスの関係性についてはしっくりきました。
百合花さんは……うん(笑)
予想以上にヒロインズとの乖離が小さくて(そりゃそうだ)、受け入れ態勢にさせられました。イメージが得体のしれない魔女から必死に恋する少女に変化したというか。
思ったより、うん、嫌いではない(笑)
素直に認められないのはバッドエンドを迎えて死んでいったヒロインのこととか、魔法使いさんへの仕打ちとか、やっぱりそれでも手段は強引だと思うからです。許して(;^ω^)
タイトルの大正部分に関しては「そっち!??」と思いましたが。ずいぶんこの単語に惑わされたような(笑)
最後に虹が出たときは「もう言うことはない」とも思ったものです。気分が盛り上がりすぎ。
 
 

HEAD&TAILS

FDですね。個別の感想はすでに書いているので割愛します。
ここで百合花の印象がさらに更新。
諒士さんと同じく、彼女の葛藤がもう少し詳しくわかります。好きな人のためにいっつもギリギリの普通の女の子の面が強調されていると思います。
さてFD全体のお話をしますと。
全てのエピソードに濃密な「大正×対称アリスの空気」が漂っていまして、あの雰囲気をまた味わいたい!というプレイヤーさんにはかなりオススメな作品となっております。
ただし個々のプレイ時間のみから判別すると、メインはオオカミ編と猟師編ということになります。そして彼らは「攻略」という感じではありません。
私個人は本編の裏側をのぞけて大変満足だったわけですが、こういう内訳ゆえにFDも万人向けかと言われると難しいなと思います。
要は推しキャラ一人のために買うとちょっと肩透かしかなと思うのです。主にボリュームの面で。
攻略対象が多いのである程度仕方のないこととは言え、もう少し一人一人のボリュームは欲しかった気がします、とボリューム厨の視点から申し上げておきます。
味は満足、もうちょっと量が欲しかったです。
 
 
 
 
だだーっと自分の思い出を書きました。
色々思うところはあって、でもやっぱりすごい作品だったなあと思います。
書いてあるように途中から思考停止していたので、余裕ができたら全編あらためて再プレイしたいなーとも思いつつ。
お付き合いありがとうございました!

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*1:ここまでやられたら断りづらいよね…

*2:間違って実家に郵送するものに混じってしまった