トランクルームとスレイベル

ゲームの感想 乙女ゲ多め

【ADV】月英学園 -kou- 感想

学園伝奇アドベンチャー月英学園-kou-クリアしていましたので、全体的な感想+αです。
もとは声優の杉田さんが原作を務める同人誌で、後に同人ゲーム化され、さらにそれをリメイクしたのがこの「月英学園-kou-」だそうです。
同人ゲームの移植としては珍しくVita→PCの順で発売されたっぽいですね。

実はセール中にPC版を購入したら、その直後にVita版がフリプに来ちゃって笑いました。タイミングゥ……。
意地でPC版をプレイしました。ということで一部リンクがVita版になっていますが、私がプレイしたのはPC版です。

ネタバレしまくっていますので、OKな方のみ続きよりどうぞ。

 

 

月英学園 -kou- - PS Vita

月英学園 -kou- - PS Vita

 

―― 桃生町には鬼がいる。

それは誰もが知っている、けれど誰にも解からない、
この町でまことしやかに囁かれている、恐ろしくも哀しい、真実 ――

“市能瀬” “双邑” “御月” “執行” “後堂” “睦月” “七房” “栄斗” “久遠院”
久遠院を長とする九つの家柄『九頭龍』。
異能の力を持っていた九頭龍は、鬼と戦うための組織を設立した。
それが、月英学園生徒会。
彼らは人知れず戦っている。
夜になると現れ人を襲う、『ハザード』と呼ばれる鬼たちと。

一方的な虐殺、蹂躙。
戦いは凄惨を極め、そして彼らは知る事になる。
桃生町に隠された、本当の真相を。

「来い――俺達人間の意地を見せてやる」

運命に抗う物語が、今、幕を開ける――――

◆ ◆ ◆

月英学園に転校した遠山浩は、転校初日の夜に、異形の存在“ハザード”に襲われる。
絶体絶命の浩を救ったのは、同じ月英学園の一年生、御月英理。
だが、安心したのも束の間、浩はその少女の手で殺された……はずだった。

自宅で目を覚ました浩が、昨夜の出来事に疑問を抱きながらも、再び向かった月英学園。
だがその日付は、昨日過ごした筈の「転校初日」だった……

公式サイトより

 

 

感想

面白いところはあったんだけど……という感じでした。
一周目に10時間、全てのエンドを回収して24時間でした。
いわゆるTrueルートでの伏線回収&熱い展開は良かったです。勢いがあって好きでした。
ただ全体的な構成が私とは合わなくて、全力で乗っかるには至らなかったという感じです。
なんというか起承~~~~~~~~~転転転転転転転転、結!というイメージ。

序盤から個別ルートに入るまでがかなり長い。そして展開がとてもベタです。

異能を持つ一族が秘密裏に鬼(ハザード)と戦っている桃生町へ、やってくる転校生。一族しか持たないはずの異能をなぜか顕現させてしまったことで、生徒会 (裏の顔は鬼との戦闘部隊) へ入って鬼と戦うことになる……というのがあらすじ。
敵のスパイでは?とツンデレヒロインに警戒されて監視の名目で登下校を共にすることになったり、愉快なクラスメイトとのドタバタがあったり、細かいシーンもあげるとキリがないほど、異能バトルもののThe王道という感じ。

製作側のインタビューを見る限り、ベタなのは意図的なようです。
キャラクターの交流を描くために欠けてはいけない部分だというのは理解できるけどね。それでも先の分かっている展開を延々数時間プレイするのは、相応にきつかったですね……。

 

ただ個別ルートに入るとどんどん新要素が出てきてグッと面白くなります。
好青年な生徒会長が豹変したり学園の不思議ちゃんが覚醒したり、意外なキャラが真相への鍵を握ってたりして、先が気になる作りになっています。
ただ本作の個別EDというのはTrueEDへの前振りですので、本質的な解決はしないんです。というか内容的にはほぼバッドエンド。そして全員分のEDを見ないとTrueルートへの道は開かれない。
つまり約8回は各キャラクターと親しくなって、絶望しなくてはならない。ここでまた手が止まり気味でした。
お気に入りのキャラが出来て可愛いなあと思っていても、彼女のEDでは幸せになれません、というかぶっちゃけ大体のEDで死んでしまいます。しかもTrueはヒロイン固定という。
最初に見たゴドー先輩EDではびっくりでしたよ。俺たちの戦いはこれからだ!みたいなところで終わってしまうので。しかもこれ個別では結構後味いい方の終わり方なんですよね。
おかげでこういうゲームだとわかったのですが、Trueの大団円には不可欠だとわかっていても地味にきつかったです。
好きなキャラと迎えるハッピーエンドも欲しかったよ~(;'∀')

 

これを乗り切るとTrueルートです。
主人公やキャラクターたちの背景が明かされていきます。意味深なシーンやせりふの伏線回収も。
と同時にこれまでの経験を活かし、主人公は彼らをバッドEDから救うために奔走します。
真相自体は個別ED回収していく時点でふんわり想像がつく人も多いんじゃないかな。
細部は別としても既にいろいろな作品で使われているオチであるし、あとはプレイヤーがこれまでどういう作品に触れてきたかですね。途中までベタに徹して来たことを考えると、「こういうオチはじめて!」という方の方が衝撃も大きくて100%楽しめてよいのかも。
個人的にはループ (今回は厳密には違うけども)を繰り返して最後に幸せな結末を掴み取るお話というのは、わかっていてもやっぱり熱くなっちゃうし好きですけどね。

 

ただ主人公関連はある程度綺麗に片が付くのですが、それ以外の部分は結構放置だったのは気になりました。
委員長の兄とかもう一人の生徒会長etc、これはもしかして同人ゲーム版をやらないとわからない……のでしょうか???
製作者インタビューで補足はありましたが、個人的にはこういう情報は本編で開示するか、出来ないなら匂わせるのをやめてほしい派です。
容量ギリギリで大変だったらしいので、仕方がない部分はあるかもしれませんが。
同じ匂わせるにしても、考察にはちょうどいいと感じる作品もあるんですけどね。結局は好みの匙加減かどうかってことかも?
総括すると異能バトルやループものが好きだから楽しめたけど、中だるみもしたって感じでした。

 

シナリオ以外の部分だと立ち絵の細かい動きにとにかく感心しました。こだわりがすごい。動画を見ているようにとまでは言わないけどそれに近づけようという意気込みが感じられます。戦闘シーンも多いゲームなので、状況を理解する助けにもなりました。

おまけも充実してます。メインキャラたちのおまけボイスとか色々なイラストレーターさんのゲストイラストなんかもかなりの数収録されてました。

 

 

以下は個人的なキャラクターの感想です。かなり人数が多いので一部のみ。

遠山浩 (CV細谷佳正)

ゲーム冒頭で月英学園へ転校してくる少年。
複雑な家庭環境の影響で他人と深く関わりたがらなかったが、謎の生物ハザードと戦う女生徒を目撃してたことで桃生町の秘密に巻き込まれてしまう。
極めてイレギュラーな存在であり、彼の出現によって世界に変化が訪れる。能力は異能のコピー。
最初のモノローグでやれやれ系主人公と思いきや、毎回生徒会メンバーを救うために体張っているので途中から見ててなんだかしんみりしてしまいました。
毎回アウェイ状態でゲームスタート、親しくなったと思ったら (浩君かお相手、もしくは両方が) 死亡。またアウェイからスタート……とプレイヤー目線で見ているとかなり苦労人でした。
True以外では浩くんの片思い状態というか生徒会とは温度差があることも少なくない。浩くんが「色々あったけど今は仲間だと思ってる、助けたい」に対して「やっぱりあいつ敵じゃね?」と斬りかかってきたりもしばしば。切ない。
頑張れ~と応援しやすい子ではあったけども、毎回デフォで英理ちゃんが好きなのにはちょっと困りました。
由来を考えるともうDNA的に刻み込まれてそうで仕方ないっちゃ仕方ないんだけど、こっちはひたすら冷たくされるところしか見てないからなあ。
どこが好きなの??顔が好みなの???とプレイ中は思っていました。もっとこういうところがあるから好き、というのを彼自身の言葉で語ってほしかったです。
英理ちゃんは自ルートのEDでデレてくれた時は可愛かったけど、その後の他ルートではまた冷たくされちゃうんですよね。
結末は浩くん的には満足のいくものが得られて良かったけれども、執事さんにも救いが欲しかったなあと思ったり。

 

月英理 (CV早見沙織)

才色兼備な現生徒会長の妹。代々ハザードと戦ってきた御月の人間として、自身も生徒会に所属している。ブラコン。
出会ったときの状況が状況だったため主人公には冷たい。能力は危険察知。
作品全否定になりそうだけど、特定ルート以外での浩くんとのカップリングは微妙でした。
ツンデレのツンの部分だけずっと見せられて、それで萌えろというのは私にはレベルが高すぎました……。たぶん浩くんがデフォ惚れだったから余計に際立ってしまった気がするので、勿体なかったかも。
お兄様大好きっていう言動の方が目立っていたので、どちらかというとお兄様との組み合わせの方がしっくりきてしまいました。ごめん。原作版では彼女が主人公だったらしいのでその関係かなー。
個別の彼女は可愛くて好きでした。
ハザードとの戦い以外には不器用だけど、生徒会長選のために慣れない人付き合いを頑張ってみるツンデレ女子と、そんな彼女に反発されながらも健気に支える年上男子……。とてもいい。
我がまま言えばTrueももう少し過程が欲しかった。個別でもうこの(デレる)くだりやったでしょってことなのか、覚醒したら即デレしちゃったのがとても残念でした。

 

御月大河 (CV中村悠一)

月英学園生徒会会長。非の打ちどころのない人格者。
男性の中では一番のお気に入りキャラだった気がする。
序盤敵として処分されそうな浩くんを、「俺は君の言うことを信用する」って生徒会に入れてくれるところでもう株がうなぎのぼりでした。
さすが公式サイトに「性格:カリスマ」って書かれるだけはある。
だからこそ黒大河さんが会長本人だと断言された時は辛かったです。何があったらこうなってしまうんや……。
ただ黒大河さんも最後の最後でやっぱり会長らしい行動を取るところは、さすが会長という感じでした (ボキャ貧)。

 

執行律 (CV茅野愛衣)

主人公のクラスの学級委員長。
行方不明になった兄が魔界にいると信じずっと探している。アニメオタク気味。
電波気味で人を振り回して……と言うと本来あまり得意でないキャラなのですが、委員長は可愛かったです。
多分女性キャラクターでは一番お気に入り。
今作はギャルゲーではないのでこういう楽しみ方はあれかもですが、彼女のルートのシナリオは親しくなっていく過程が理解しやすかったのでプレイしていて感情移入しやすかったですね。
彼女にとって浩くんは兄探しを手伝い、「律」の秘密を知った時に支えてくれた新相棒。そんな彼に好意を持つのは自然かなと。
また委員長の好意はかなりあけすけで、浩くんになんとか振り向いてもらおうと一生懸命な様子が可愛くて癒されました。
浩くんが絆されるのもすごくわかる。

他だといずみさんとか朝倉もお気に入りでした。

 

 

次は2018年上半期の感想なんかあげてみたいなーなんて思っています。

年末に1年振り返ろうと思うと、私の記憶力ではそこそこ大変だということにようやく気付いたので(;´・ω・)

お付き合いありがとうございました。

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