OCCULTIC;NINE 感想
超常科学アドベンチャーOCCULTIC;NINE、クリアしました。
こちらは同タイトルでラノベ(未完)、漫画(完結)、アニメ(完結)、ゲームの順番でメディアミックス展開されています。
ちなみに私は、ラノベも漫画もアニメも未視聴です。
ラノベ原作は科学アドベンチャーシリーズを手掛けた志倉千代丸さんなのですが、厳密にはシリーズには含まれないらしい、です。Vita版カオへをやっただけのにわかなので、この辺は詳しくないです、すみません。
続きからVita版OCCULTIC;NINEクリア後の個人的感想です。
ネタバレありなうえに今回批判多めです。スクショも多用してます。
未プレイの方、OCCULTIC;NINEを楽しくプレイされた方はご注意ください。
世の中にあふれたオカルティックなインチキをバッサリ!のハズが……。
幽霊、UFO、UMA、超能力や黒魔術、都市伝説や超常現象と呼ばれる数多の不可解な出来事。
それらを信じるオカルト心棒派と、世の中にあふれたオカルトというインチキを科学的に暴き、論破しようとする者たちが集い、論争するブログ「キリキリバサラ」。
我聞悠太(がもん ゆうた)は「キリキリバサラ」の運営者。
その崇高な目的は、オカルトをネタにアフィリエイトで稼ぐこと。
自身はオカルトなんて信じちゃいないが、儲けになりそうなブログネタの取材に行った先で、他殺死体を発見する。
狼狽しながらも誰にも見つからずに逃げ出した悠太だが、図らずもそれは「ニゴロ事件」とも関係し、「幽霊」の存在に関わる大きな陰謀へと巻き込まれた事件となるのであった。
公式サイトより。
初回は何も見ずにバッドエンドを迎え4時間半。
途中ED分岐条件や収集要素を攻略サイトに頼り、大体総プレイ16時間ほどでした。
発売日に購入してずっと積んでいる間に各所の微妙という評価は流れてきたのですが、「 (アニメの続きや補完があると思ったのに) アニメの内容と同じ」という感じだったので、アニメ未視聴組には関係ないかと思っていました。
実際プレイするとアニメ未視聴の私からしても……うーん。
敗因は、ものすごく面白そうな雰囲気を出しているのに (実際途中までは面白い)、終わってみると諸々の要因により「これは未完のまま発売されたのでは?」という疑念を抱かせてしまうところだと思います。
シナリオの問題点
テーマは好きだし、最初の事件が起きて以降の奇妙な現象の連続していくところはとても楽しかったです。何が起きているんだろう?とわくわくできました。
特にニゴロ事件の被害者の名前として主人公の名前が読み上げられ、ゾン子が「あーあ、バレちゃった」というシーンはゾクッとしました。
ただしピークは2周目に迎えたサモナー・ソウルEDまででした。
※一周目はパラダイム・チェンジというバッドEDでした。
一番最後にいわゆるTRUEEDを見たのですが、そのあと再度検索をかけました。つまり他にEDはないのかどうか。
それくらい投げっぱなし感が強いです。
主人公が (復活の可能性を示唆されつつも) 仲間のために死ぬというラストの内容自体は嫌いではありません。
不満に思ったのはどちらかというと回収されなかった伏線の方。
宗主とやらとの直接対決はナシ?あのスケッチブックのお姉さんは何者なの?などですね。
個人的にこの終わり方で許せるのは、最初に前後編ですよーとか直接の続編のアナウンスがあった場合のみだと思う……。
ルート分岐アリのマルチエンドにも関わらず、ほぼストーリーが一本道なのも上記の印象を強めました。
ルート間で追加情報がほとんどないです。あるにはあるけど欲しいもの全部はこない。違いはどの女の子と親しくなるか、くらいかな。
序盤の日常パートが長めで、後半の盛り上がっていく部分は駆け足。しかも重要事項に関してはさらさらっとキャラクターにしゃべらせて終わり、という構成もなんだかなあという感じです。最後に関しては設定資料をそのまま読んでいる気分でした。
これらのうちどれか1つだけならまだ「不満はあるけど楽しかった」という感想になったのかもしれませんが、全部がネガティブに作用した結果「未完なのでは?」という疑問を抑えられなかったです……。
余談ですが、ゲーム開発者のインタビュー記事で「ユーザーの期待する作品と現実はギャップが少ない方がよい」という意見があって、マジでこれだと思いました。
普通に読み物として面白いのでリンク貼っておきます。
今作の肝が、「事件の完全解決」というより「ニゴロ事件から生還できるかどうか」であると念頭に置いてプレイできていれば、構成とかその辺は “若干自分の好みからは外れるかな” くらいで済んだかもしれません。
でも「この山の標高は1000メートルです」って看板がそこかしこにあったら頂上まで登れるって勘違いするじゃん。途中でこれ以降は立ち入り禁止なんでって追い返されるとは思わないじゃん!!
色々なところで見られる低評価は、みんなのプレイ前の期待値の高さの裏返しだと思います……。
システムの問題点
今作でプレイヤーが操作できるのは「ブログの題材を決める」ことと「スカイセンサー(ラジオ)をいじって周波数をキャッチする」くらいです。
前者でルートが決定され、後者の収集数が一部エンディングの条件になっています。
けど正直どちらも面白くない……。というより洗練されていると言い難い。
ブログ記事に関しては、会話からキーワードを集めて、
3つのキーワードを組み合わせると記事が出来るというシステム。
なんですが、正直メインのキーワードにさえ気を付けていればあとはなんでもいいみたいです。
メインキーワードもAルートに行きたければこれ、と最適なキーワードが決まっていてそれをひたすら選んでいても問題なく攻略出来ます。
初回こそ関連しそうなキーワードをああでもないこうでもないと組み合わせていましたが、頑張ってそれらしくしても頓珍漢なものでもその後の展開に変化はありません。全く関係ないものについて語り出したり、スルーされたりします。
記事の内容自体もこれこれこういうことがあったというのを数行でまとめて、あとはバサラー(コメント欄)に丸投げという。主人公が頑張って記事を書いてる、というシーン描写があったけど正直何を頑張っているのかよくわかりませんでした。
アフィブロガー主人公設定なのに、ブログ記事の描写に力が入ってないのはどうなの……。
あとはマママ。正式名称はマスターマストマーダー。
特定の場所でスカイセンサーを取り出し、左右のスティックで周波数をあわせると、
ゾンビなヒロインたちが悪いゾンビを倒していく『サスペンスクライムアクション (公式) 』の5分枠ショートアニメっぽいものが見れます↓
※Youtubeに公式による第一話の動画もあります。
マママが聞けるところではページ送りボタンが黄色くなるので、探すのはそこまで大変ではありませんでした。ただ内容が……これ入れる必要があった?
一応メインキャラのゾン子は本編でもキーキャラクターではあるものの、マママ自体はゆるーい感じなので毎回シリアスなムードを破壊して大変でした。面白くないわけじゃないんだけど、このゲームに求めているのはこれじゃない感が強い。
テキストウィンドウが出ないうえに、キャンセルすると未回収あつかいになってしまう地味に困った仕様でもあるので、マママが始まるとじーっと見ないといけないのもきつかったです。
内容もこういうアニメあるあるって感じで特に言うことはなく、なのに全部で30話もあるので……本当になんでいれた???
せめて本編プレイ中はエピソードがアンロックされるだけで視聴はEXTRAから、とかの形ならまだ良かったんですが。
他にも細かい不満をあげると立ち絵と一枚絵のCGが別人でした。
立ち絵の人と原画の人が別なのはいいとして、もうちょっと絵柄を寄せてくれてもよかったんじゃないかと……。
特にヒロインの一人のりょーたすちゃんが銃を構えるイラストは何度も出てくるので、もう少し頑張ってほしかったです。
これだけではなんなので、プレイして個人的に良かったところも。
良かったところ
キャラクターには好感を持てたことでしょうか。
今回の主人公の我聞雄太くん (ガモタン) は、高校生ながらオカルトネタのまとめブログを運営するアフィブロガー。
ビビりだったりネットスラングを多用するところはカオへ主人公の西條 拓巳にも通ずるところがあるのですが、ガモタンはもう少し根が素直です。
自身も父親 (故人) が幽霊DJとして語り掛けてくるのをずっと待っていた過去があるためか、父親や親友を亡くしたサライやみゅうちゃんを思いやることができます。怖がってチキンな言動を取ったりもするけど、あとでその行いを反省したり自己嫌悪を覚えている様子も見えます。
今回のような状況に置かれて誰もが冷静に行動できるとは思わないし、人間らしくて好きでした。
何よりガモタンが怖気づくと、ゾン子がケツ蹴っ飛ばして行動を起こさせてくれるので、見ていてそこまでイライラしません。
他のメインキャラクターもわかりやすく彼に協力的なので、ストレスはたまりませんでした。
彼らの掘り下げはやっぱり足りないなと思うけど、それも各キャラに好感を持てばこその感想ですので。
あとデザインがあちこちスタイリッシュでかっこいいです。
↑これがタイトル画面。
特にセーブスロットがニゴロ事件モチーフになっている部分は、悪趣味だけど大変好みでした。見つけたとき「うわっ」て言ってしまった。
感想を書くにあたってちらっと検索したら別ハードに移植予定ありと出てきて、それ自体はいいんだけど、伏線回収とトゥルーEDのその後が追加されるシナリオパッチも同時配布予定と出てきてもうね……。
一応パッチが配信されたらプレイ予定ではありますので、そこで諸々解消されて「あー楽しかったー!」と言えるように期待して待ちたいです。
お付き合いありがとうございました。