トランクルームとスレイベル

ゲームの感想 乙女ゲ多め

0時の鐘とシンデレラ 感想

 

ちょっと間があきましたがようやくシリーズ最終作、0時の鐘とシンデレラの感想になります。

実はアスティンとレイナルドを残して、かなりの間積んでました。

ちなみにプレイ再開にあたって既読スキップを使わずに遊んだところ、1周目アスティンは6時間半かかりました。その次のレイナルドはスキップ使用し5時間半です。

まあ何かの目安になれば……(笑)

続きよりネタバレありです。あいかわらずふわふわしてます。最近プレイしたはずのアスティンとレイナルドもふわふわしてるのはどういうことなの。

 

 

全体感想 

0時の鐘とシンデレラ ~Halloween Wedding~ - PSP

0時の鐘とシンデレラ ~Halloween Wedding~ - PSP

 

シリーズ完結編です。
今回の主人公は長女エリーゼ。見た目はおっとりしたお姉さんという感じですが、中身は結構したたかで毒も吐きます。三女オデットや同メーカー別作品のアリスに近いかもしれない。
芯の強さも持ち合わせているので、攻略対象たちは軒並みそのギャップにやられていきます(笑) 私もギャップ萌えの気があるので気持はすごくわかる。
お話の都合上、どのルートでもしっかり者のはずの彼女が迂闊としか言えない行動を取らされるのが若干不憫でした。

今作の彼女の目的は「幼いころに亡くなった実の父親の本当の死因を探ること」
実は父親が亡くなった事故の目撃者でもあるのですが、確かにモンスターが関係していたはずなのに、後日その痕跡はすべて消されていました。当時のエリーゼは、幼いなりに何か大きな力が働いていることを察知して口をつぐみます。
久しぶりにそのころの夢を見て胸騒ぎを感じた彼女は、情報を求めてモンスターたちの居住区通称モンスター街に通いはじめる、という導入です。

完結編なので全部明らかになります。
スッキリはしますが、あまり緊迫感はありません。ここまで3本やっているので、明かされなくても大体は予想がついてしまうためです。いよいよ真相!と意気込むより、肩の力を抜いて恋愛を楽しむのがベストだと思います。

 

 

エルマー=イングラム (CV緑川光)

貴族の青年。すみません………彼も記憶がうっすら*1してきてます……(;'∀')ポンコツ!
彼のルートではエリーゼの雇い主である貴族の姉妹と三角関係になったはずですが、顛末を本当に覚えていなくて自分でびっくりしました。たぶんそこまで後味の悪い感じではなかった、はず。ただエリーゼが長女だったからってまさか彼女らを意地悪な姉にするとは思わなかった。
とにかく最初に「没落してしまってさぞかし辛いだろう?」とエリーゼにぶっこんで来るインパクトが大きすぎました。
嫌というかただただ驚いた。何のかんのこのタイプのデリカシーのない攻略対象は乙女ゲーではあまり見ない気がします。

ただ最終的に普通に好青年という印象に落ち着きました。
エルマーの言動も貴族としてのふるまいを周囲に期待されて、それが少しずれた結果だったみたいな感じで、彼は結局天然気味の素直な青年でしたね。彼も貴族だから強かな部分がまったくない、とは思いませんが他に比べると大分まともだと思います。
手を握るのにもドキドキしてる二人が可愛らしかった記憶があります。

 

 

ラルフ (CV森久保祥太郎)

モンスター街で飲み屋を営むオオカミのモンスター。人間嫌い。
オデットとロザリアは基本的に人間のテリトリーから出ませんし、人間に好意的なモンスターを相手にしていたので、人とモンスターの複雑な関係については詳しく語られてきませんでした。その辺の情勢について詳しくわかるルートでしたね。

ラルフ自身は実際には人間嫌いというよりなるべく関わりたくない中立派なのですが、人間排斥過激派に仲間と思われていて会合に誘われたりしてます。
ストーリー進行上、エリーゼが毎回この会合に突っ込んでいってしまうのが突っ込みどころでした。でも過激派は過激派で、エリーゼを発見しても「え、人間……?とりあえず捕まえちゃったけどどうしよう?(オロオロ」という感じなので緊迫感はそこまでないです(笑) たぶんこの世界基本的に空気が優しい。

ラルフも主人公に最初はツンツンしていましたけど、乙女ゲームでそれは前菜だと何度言えば。後に可愛い大型犬(たまに噛みます)になっていたのが何ともお約束でした。好きです。個人的にはもっとツンツンしててもいいと思いました。
いい雰囲気になった途端速攻押し倒されて、エルマーとの対比でびっくりした記憶があります。狼だもんね……。

エリーゼの顔がすごく好みらしく、アスティンルートのサブEDでも彼女の面倒を見てしまうラルフ、実際は苦労性な気がする。

 

 

スペンサー=ヘンドリック (CV中田譲治)

エリーゼの婚約者。若い頃の姿と本来の壮年の姿を使い分けることができます。
スカーレット家没落の黒幕の一人ですね。12時で犯人とされた弁護士を唆し便宜を図ったのがこの人、という構図。
理由が「そうすればエリーゼが自分との結婚を望んでくれると思った」というものなので、本来ドストライクに萌えそうなタイプなのですが。いまいち萌え転がるという感じにはなりませんでした。
たぶん黒幕にしてはラスボスっぽい強キャラ感があまりないから。乙女ゲーに何を求めてるんだって感じですけど。
もっと前からエリーゼに張り付いている魔王様がいるし、番外編のあの人という最大の壁がいますからね。相手が悪すぎた。
スペンサーに関してはどちらかといえば、そこまでして彼女を手に入れようとした一生懸命さの方が強調されてました。

彼がここまで回りくどい方法を取ったのにはきちんと理由があって、婚約する際に彼女の保護者から『エリーゼが自分から望まない限り結婚はできない。スペンサーからのアプローチも不可』という感じの条件を出されていたためです。しかも勝手に反故にしないよう魔法の効力付き。なかなか厳しい、というか番外編やると分かるんですけどそもそも嫁にやる気はなかったっぽい。
黒幕の一人であること&もう一人の黒幕は真相枠として表に出てこない関係上、色々なルートで禊のように彼の謝罪を聞くことになります……ちょっとかわいそう。彼に幸あれ。
周囲には隠しているけど甘いものが好物で、エリーゼ手作りのお菓子をもらって「食べたいけど、食べたらなくなってしまう」と本気で悩んでいるところとかは可愛かったです。
“黒幕怖い!でも萌え!”よりも“君は君で大変だったね……”という感想のスペンサールートでした

 

 

アスティン=マーロウ (CV関俊彦)

彼はモンスターですが、人間との折衝役を務めるため高い貴族位を授けられています。その関係で苗字もち。
エリーゼとは同じ剣道場に通っていた縁で、最初から親しい友人状態でスタート。
他の攻略対象には (内心どうあれ) にこやかに対応するエリーゼが、アスティンに関しては取り繕わなかったり、取り繕っても本音がバレていたり『悪友』という感じで新鮮でした。

長く続いた友人関係をどうやって崩すのかと思っていたら、女性に付きまとわれているアスティンの恋人役ということでなるほどなー!と思いました。
最初はあくまでお芝居の「恋人」なんだけど、恋人らしい振る舞いを真似ていたら思わずときめいてしまったり、お芝居が終わるのが惜しくなったり、これは友愛?恋愛?と悩んだり。自然な流れだったと思います。

ただアスティンは結構最初から好意的でしたよね?? ぼそりと好意を仄めかすセリフが多かった気します。お約束でエリーゼには聞こえてないのですが。
正式にお付き合いすることになるとクールそうに見えて執着度が高い、というキャラでした。

余談ですが彼の場合直属のボスが彼なので、委縮したりするシナリオだったらやだな~と思ってたら普通に「あ、恋人になりましたから。すみませんね」くらいのあっさり感でした。よかった。

 

 

レイナルド=ハロウィン (CV草尾毅)

エリーゼの過去や体質について明らかになりますが、思ったよりも穏やかなルートでした。
エリーゼとは彼女が幼少期に既に知り合っており、その後エリーゼの父親がモンスターがらみの事件に巻き込まれたことで、影ながら彼女をずっと見守ってきました。

※そのモンスターというのが反魔王派で、レイナルドを攻撃するために暴れていたので。
こういう事情なのでエリーゼを庇護してきたのは、恋愛感情というより罪悪感からくるものだったんじゃないかなあと受け取っています。魔を引き付けるという彼女の体質のこともあるし、お気に入りではあったんだろうけど。
ルート入ってすぐに恋人関係になって、「ああ、そういう対象になりうる年齢になったのか」と気づいたみたいな台詞があったし。
一旦恋人になってしまったあとはとにかく甘い。偉そうな魔王様というより気さくなお兄さんという感じでした。

中盤、エリーゼが真相を知ってしまうとレイナルドは姿を消してしまうのですが、直接の関りを絶っただけで見守り運動 (仮) は続ける気満々だったと本人が語っています(笑)
たぶん他のルートでも(恋愛感情かどうか不明だけど)ずっとエリーゼを見守っているんだろうなあと思うと、微笑ましいやらうすら寒いやら(;・∀・)

長命種らしく気が長いのか年の功なのか、思ったよりも魔王らしい振る舞いが少なくて若干残念だったのです*2が、最後の大暴れは楽しかったです。

幼いエリーゼに対して言う「お前たちの時間は短いから、暇な時くらい俺と遊んでくれよ」という感じのセリフがあって、これまで寿命の差を痛感するようなことが何度もあったのではないかな~と思わせました。声優さんの演技もあってすごく印象的でした。

 

 

サブキャラ

今回はオズウェルとロイでしたね。

ごめんなさい、これもかなりあやふやですが(笑)

例えメインと結ばれずとも王宮関係者と自然と知り合えるってどんだけ強運なんだよ、と思った記憶があります。

もちろん、恋愛的にどうこうはなりません。気の合う友人という感じ。

思えばロイもオズウェルもこれくらい強かな方が友人として付き合いやすいのかもしれない。

 

 

脇役あるいは主役視点END

スカーレット家の最後の一人、ファティマ視点で語られる彼女の半生です。
萌えという感じではないシナリオなのですが、めっちゃ良かったー!!
そんなに長いものでもないんですけどとにかく私好みだったということで、このシナリオでシリーズ自体の評価も底上げされました。

相思相愛で結婚した夫を例の事件で早くに亡くしたこと。このことからファティマは「娘たちを幸せにする」ために動くようになります。
グラハム(オデットの父親)と再婚を決めたのも娘たちのため。彼は彼で魔法使いと因縁のある実娘オデットを心配しており、また自分が病で余命いくばくもないことが判明したため、自分の死後オデットの世話を頼める相手を探していました。共犯者のような関係だったんですね。
ファティマは彼の提案を承諾し、再婚します。

ただし責任を感じて支援を申し出たレイナルドの手は最小限にしか借りていません。彼も夫を奪ったモンスターの一人ですから。
またエリーゼとの婚約を申し込みに来たスペンサーに、理不尽ともいえる要求をしたのもグラハムではなくファティマ。理由は年が離れすぎていると、エリーゼを残して先立つ可能性が高いから。

なりふり構わない振る舞いから、娘たちの可能性を狭めることになっても自分と同じ思いだけはしてほしくないという必死さが伝わってきて胸が苦しくなりました。
それほど旦那さんが好きで、彼を失った喪失感が大きかったということですから。

このようにこの視点では、ファティマが作中のほとんどすべての事情を把握していたことが分かります。つまり彼女がいわゆるシンデレラの魔女ポジションだったというわけです。

そして願い通りに幸せをつかみ始めた娘たちを見て、彼女はひっそりこう思うのです。

どんな魔法を使っても、どんな呪いをかけても。
叶うことなら、どんなことをしてでも……。

 

……どんなことをしても、取り戻せないから。
私はもう、鐘を鳴らさない。

エンドタイトル回収です。かつて誰かのお姫様だった魔女は、彼女の王子様がいなくなった舞台に上がる気はない、と。
そしてここでようやく作品タイトルの鐘=舞踏会の鐘だけでなくウェディングベルも指していたのかー!!と気づいて目から鱗でした(笑) 本気でここまで気づかなかった。
サブタイトルに思いっきり~Halloween Wedding~と入っているのに、どんだけぼんやりプレイしていたんだ(^^)

というわけで脇役あるいは主役視点END、大満足でした。

 

 

 


ここまでお付き合いありがとうございましたー!
総評は書くか不明です。前二つにも書いたように、記憶がぼんやりしているので(;'∀')
総評モドキっぽいものなら書く、かも?
もしモドキがupされたら、そっちにもお付き合いいただけると幸いです('ω')

 

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*1:ゲームをやる傍から内容を忘れるため、記録用にブログを始めたほど記憶力がない

*2:中二病が治らないのでそういう展開が好きです……