トランクルームとスレイベル

ゲームの感想 乙女ゲ多め

蛇のシンデレラ 感想

 

agony/禁飼育さんの同人乙女ゲーム「蛇のシンデレラ」クリアしましたので感想です。
こちらR-18となっていますので、公式サイトへの訪問や購入の際はその点ご留意ください。
販売しているDL.siteのページにて、体験版も配布されています。

シンデレラつながりでこっちもとかいう……(もにょもにょ) 亀の歩みですが0時も書いてますよ……!

 

 

www.dlsite.com

agony/禁飼育 さま製作
Nscripter製 ヤンデレ悪人愛され現代サスペンス風大変面倒乙女ゲーム
攻略対象 1人 / エンディング数 2 (+α)
プレイ時間 総合で5時間弱 / 名前変換なし / 有料シェアゲームです

あらすじ

清掃員として働く季雪さきは、夢や希望といったすべてを諦め、質素な生活を送る三十路干物。

いつもの満員電車で通勤中、痴漢冤罪で捕まりそうになった男、酸ノ宮を助け、しかも同じ会社で働く者同士、すぐ打ち解け仲良くなり、彼のおかげで少しずつ前向きに生きてみようとするが…?

出会い、交流…愛され…やがてといった過程を描いた
ヤンデレ悪人愛され現代サスペンス大変面倒ノベルゲーム
公式サイトより

 

感想

有名なため私もお名前だけは以前より存じておりましたが、プレイは今回が初めてのサークルさん作品です。
ストーリー前半は主人公さきが痴漢冤罪をかけられそうだった男性酸ノ宮と知り合い、親しくなる経緯が描かれます。過去にトラウマを抱えており、人との交流を避けていたさきにとって、酸ノ宮は久しぶりに関わる“他人”。しばらく穏やかな交流を楽しむ彼女ですが、ほんのささいな契機により彼の異常性を知っていくことになり……。
選択肢はほぼないものの、スチルは差分なし90枚以上(差分込みで715枚以上)という超ボリューム。GIF画像なども入っていたりしてこだわりに驚きました。

すごい作品でした……。
攻略対象の粘着質具合とか主人公さきさんの悲惨な過去について、乙女ゲームというリミットをかけずに作っていると言いますか。
いい意味で同人乙女ならではの作風と思います。尖っていて刺さる人にはすごく刺さる。

一部会話のノリは独特*1ですが心理描写は丁寧で、物語に入り込みやすかったです。
彼女がもがいている様、苦しみながらも答えを出そうとしている様子は、見ていて共感せずにいられませんでした。
さきさんのみに限らず、相手役である酸ノ宮さんの内情も語られるので、悔しいけど(笑)だんだんそちらにも入れ込んでしまいます。

注意点として上記のような作品のため、自己投影派プレイヤーさんやプレイしていて感情移入しすぎるタイプにはちょっときついかも。かなり重たい雰囲気です。
購入検討されている方は、DLsiteの商品説明欄に作品コンセプトが記載されていますのでそちらでの確認を推奨します。

 

以下はネタバレありのキャラクター感想です。
一部白抜きしてますので、お手数ですが反転お願いします。

 

 

キャラクター感想

季雪さき
主人公。
過去にレイプされたあげく、その犯人と気づかずに親切にしてしまったせいでずっと粘着されることになった可哀そうな女性。
彼女の「何かおかしいな」と思いつつも「自分が人慣れしてないからかも」「自意識過剰かも」とずるずると拒絶できない感じ、理解できない人種に好意を求められてまず嫌悪感を抱く感じ、生々しくて等身大の女性という感じで大変良かったです。
両親を苦しめないよう絶対に自死だけは選ばない、という言葉は胸を突かれました。彼女が不器用ながらも平穏を取り戻そうともがいているさまは、感情移入せざるをえませんでした。

それだけにプレイ中少し気になったのが、ハッピーエンドルートのさきさんの態度軟化のタイミングについて。自分には少しばかり唐突に感じました。それまでの描写がことさら丁寧だったため余計に気になってしまったんだと思います。
ただ終えてから色々考えましたが、さきさんはとっくに (許さずとも) 絆されていて、たぶんあの時点で既に彼を受け入れるための自分への言い訳を探している状態だったのかなーと。そう考えると納得しかない。
※ハッピーエンドに関しても「未来のあるEDもあって良かった……」という気持ちがありつつも、本当に正直な個人的結論は「やめとけ」でした(笑)

さきさんは奪われたという過去よりも、反省して奪われたものを返してくれた現在を重要に感じる人なんだと思います。彼女が色々考えて感じて出した結論なら、こちらも受け入れざるをえない。二人でゆっくり関係を築きなおしてほしいと思います。

 

 

酸ノ宮怜

攻略対象。蛇っぽい外見がめちゃくちゃ好みで、終盤の泣き顔がシーンが性癖に刺さりました。攻略対象が泣くの大好き。
商業ゲーでは恐らく中々出会えないだろう男性でした。さきさん一筋は一筋なんだけど、色々ねじくれまがっている。
海のシーンは最高に気持ち悪くて良かったです。
プッツン来た時の言葉攻めが、的確に人の弱点を突きまくるので戦慄を覚えました。あまりに的確過ぎて、その後「さきさん、こいつを本当に信用していいの?絶対また簡単に騙されたねーって手のひらを返してくるよ?大丈夫??」と猜疑心を植え付けられたくらい(笑)
ホラーならめちゃくちゃ好きなキャラ造形なんですけど、これ乙女ゲームなんですよね……www
そんな彼の過去についてもかなりのボリュームできちんと描いてくれるので、最終的に肩入れしたくなってしまうのがある意味悔しい(笑)
『もう二人で幸せになれよ派』の自分と『さきさん逃げて-派』の自分が分裂しそうでした。4:6で後者がギリギリ優勢でした。
超個人的な所感として、酸ノ宮さんは精神的には童貞に近いんじゃないかなーと思ってます('ω') 自分に親切にしてくれた=好意があると思い込む(※)ところとか、行為時にAVみたいな口調になるところとかね。
twitterかなんかで見たんですが、こういう人は自分自身が好意のある人にしか優しくしないため、相手もそうだろうと疑わずにこういう思考になるんだとか。すごい納得……!
お勤めを終えて罪を償ったとも言えるし、これからは独りよがりではなくさきさんを大事にしてくれるといいなあと思いました。酸ノ宮さん自身のためにもね。

 

 


Twitter見かけて興味を惹かれ体験版をDLしてから、止まらずに製品版も一気にクリアした作品でした。
スピンオフ作品が3つ出ているそうなので、近いうちにプレイしようと思います。
お付き合いありがとうございました。

 

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*1:主人公も攻略対象もオタクっぽい趣味があるので