トランクルームとスレイベル

ゲームの感想 乙女ゲ多め

流行り神 本編感想

 

なんか時々無性にホラーADVやりたくなるんだよね……というわけでPSストアでセール中だった流行り神(not真)3部作買ってしまいました。さっそく1をクリアしたので感想などを。
実は大分前にUMD版を二話の途中までプレイしていて、「これはこういうオチだったはず」という決めつけや記憶違いでのミスが多くて大苦戦しました(;'∀')アレー?
今回は本編の感想のみ、ネタバレはガンガンしてますので未プレイの方はご注意くださいね。

 

 

 

流行り神 ポータブル 警視庁怪異事件ファイル The Best Price - PSP

流行り神 ポータブル 警視庁怪異事件ファイル The Best Price - PSP

 

流行り神とは?

警察庁警察史編纂室に所属する風海刑事が、相棒の小暮刑事や上司の犬童刑事のほか、頼りになる知人たちの協力を得て都市伝説にまつわる事件を解決していくシリーズです。
3まで制作されており、現在は登場人物を一新した新シリーズが2まで出てます。
状況を推理するために選択肢を選んでいって結論を導き出すセルフクエスチョンや、人物相関図に正しいキーワードを当てはめていく推理ロジックシステムなどがあり、章終わりにプレイについて評価されたりもします。
また専門用語や都市伝説に関連するキーワードが出てくると自動でデータベースに登録され、その解説を読むだけでもかなり楽しいです。

 

 

第零話チェーンメール

主人公である風海刑事が『女性連続殺人事件の犯人を知っている』というチェーンメールを受け取ったことで話がはじまります。犯人の名前として人気アイドルの本名を挙げられ、とりあえずメールの送信者と会ってみることにしますが……。
現代版不幸の手紙としてチェーンメールが登場します。今だとSNSかな?見た人は必ずRTみたいなやつ。
でも「犯人を知ってます!信じてくれる人は連絡ください、そうでない人は拡散してください」まではわかるけど、「でないとあなたが次の被害者になります」はええ??と言う感じでしたけど。チェーンメールのテンプレではありますけど、送信者の事情を考えるとちょっと違和感あります。それだけ切羽詰まっていたとしても……うーん。

章全体的にはあくまで操作チュートリアル的役割なのか、他の話よりもかなり巻きで進行した印象でした。お話自体の長さも短め。
そのためかメール送信者がアイドルのルートはまだ自然な流れに感じましたが、メイクさんのルートは結論が若干唐突に思えて残念でした。オチは好きでしたけど。
※メイクさんルートのオチ
情報提供者としてずっと同行していたメイクさんが、実は事件の初期被害者としてとっくに亡くなっていたことが全て終わった後に判明するもの。
彼女は同行中よく目をぐりぐりと押さえる仕草をしていたのですが、彼女の遺体も目がえぐられていた……というやつ。ベタだけどぞっとできていいですよね。

このゲーム、捜査方針を科学かオカルトどっちに割り振るかでルートが分かれる……という部分が有名だと思うのですが、毎回科学とオカルトにきっちり分かれてるわけではないことに注意が必要です。
というか他の話でも共通して言えることなのですが、二つあるルートのどちらを選んでも犯人や事件の重要な部分は変わらないのが基本のようです。微妙なニュアンスが変わってくるだけみたい。
同じ事件でも捜査方針を変えると得られる情報にも違いが出るわけで、両方のルートで真相を相互に補完する……というのが一番近い気がします。

例えばこの話だと犯人がアイドルのなかに潜むもう一つの人格だった……というところまではどちらのルートでも共通です。けれどオカルト要素アリのルートでは、犯行の手口や動機の同一性&現場に残されていた肖像画などから、アイドルは16世紀の殺人鬼エリザベート・バートリに憑依されていたのでは?という可能性も示唆されたりします。

あとストーリーは結局オカルト成分多めで進むことが多いので、その辺を明確に区別してほしい方には向かないかもしれない。
攻略面でもあまりこだわりすぎてると逆にルート分岐を見逃しやすくなったり、最後の推理ロジックでミスするかも。私は無駄にぐるぐる周回しましたorz

ちなみにこの回の分岐点はメール送信者の言うことを信用するか疑うかでした。

 

 

第一話 コックリさん

とある私立高校を舞台に、コックリさんを行った生徒が連続で自殺していく事件を調べます。
時系列が巻き戻って警察史編纂室に所属する前の話で、まだ捜査一課所属の風海刑事(と所轄勤務時代の相棒小暮刑事)が見られます。
この事件がきっかけで編纂室に関わることになるんですね~。
そして名サブ(?)キャラである監察医の人見さんと霧崎教授もここで登場。このゲームの科学とオカルトを象徴する両極端な持論の二人です。

話自体は二つの怪異が存在しているためかちょっとわかりにくかったように思いました。
若干自信がないのですが、二つあるルートのどちらも「2年前いじめによって亡くなった少女の霊が転校生に憑依し、復讐のためにコックリさんを利用していじめグループを自殺に追い込んでいた」が結論でいいんですよね……?ちなみにいじめの原因は主犯格が少女の幼馴染に横恋慕したから。
ここでのコックリさん(占い)はあくまで被害者を追い詰めるための方法に過ぎなくて、高校の敷地内に昔から祀られていたお狐様と少女の霊は特に関りはない、と受け取りました。自殺事件ではお狐様はあくまでおまけ扱い。ただお狐様はお狐様で、力を取り戻すためにイジメグループの主犯格を触媒にして、遺体から血を抜き取るなどしていたと。
人見さん寄り(科学捜査)の方針だと、狐はほぼ出てこず。その代わりレシピエント(転校生)がでドナー(いじめられていた少女)の人格や過去を引き継いでしまう……という有名な逸話が出てきますね。科学的立証はされてませんが「記憶転移」として事例はいくつか報告されているらしい。
霧崎教授寄り(オカルト)ルートだと、イジメの主犯格が獣じみた変貌=いわゆる狐憑き状態になるシーンがたびたび入ります。しかしその分実行犯(転校生)に触れる部分が少ないので、如何にも狐が呪い殺していたように見え、こちらのルートを先にやると推理ロジックで戸惑うかもしれません。
ここに限らずプレイヤー(もしくはこの回の風海刑事)は情報を持っていないのに、推理ロジックでネタバレすることがしばしばありました。こういう詰めが甘いのは勿体ないなーと思います。
この時点では消化不良感が残る一話でした。
※番外編で若干補完がありました

 

 

第二話 鬼

少年が鬼に誘拐されるという奇妙な事件の話。
時系列はコックリさんの直後。風海刑事と小暮刑事が警察史編纂室に配属されてから初めての事件です。
サブキャラゆうかさん登場。彼女もいいキャラですよね。登場すると雰囲気が明るくなって好きです。
あとここで出てくる道明寺さんって一話で校長に話通してくれてたり、ゆうかさん編に出てくるあの人ですよね?? 1時点ではまだ謎だらけですね……。

テーマはズバリ母の愛でしょうか。鍵となるのは誘拐された少年が代理母出産で生まれていたということ。
このお話では3人の女性が出てきます。出生の秘密から少年への愛情を見失っていた母親、裕福で幸せそうな家庭を羨む隣人、少年の身を案じていた代理母
なぜ人(というかこの場合女?)は鬼となるのか……という謂れを単純な恨みとせずに解説入れてくれたのが良かったです。作品で語られた説にそって考えると代理母は愛情、隣人は羞恥(と母親への同族意識?)ということでしょうか。詳しい事情を知っちゃうと両者ともやりきれなくて切なくなるのが良かった。
登場人物同士に意外な繋がりがあって、知る前と知った後だと細かいセリフの印象も変わるのも好みでした。

実はルートによって鬼の正体が明確に違う唯一の章なのですが、少年の証言もありますし、誘拐犯自体はやはり代理母なのかなーと思います。

隣人は共犯者かつ両者とも鬼と化していて、ルートによって廃病院でどちらと出くわすかが変わると考えると自然かなと。お互いについて語る描写はほとんどないのですけどね、そう考えると鬼は一人ぼっちではなかったということで、ほんの少しは救いがある気がするような? ただの願望ですけどね。

根拠は一切ない妄想ですが、あるいは既に二人は同化して一匹の鬼になっている、とかでも面白そうだと思いました。二人が合体してるというより「鬼」自体が女性のネガティブな感情とか怨霊の集合体みたいなイメージです。どのルートでも「鬼」として姿を現した方は事件開始前に既に亡くなっていたのでは?みたいな描写が入るので、つい。
少年と母親はどちらのルートでもきちんと和解&生存出来て良かったです。それぞれ違うシチュエーションでの見せ場が用意されている力の入れようで、こちらもほろりと来てしまいました。
というか私は家族愛ものにとことん弱い。

 

 

最終話 名前のない駅

かつてのオカルト実験施設跡地からゆうかさんを救い出そう!な話。
もう最終話!?と思いました。一応この後もそこそこボリュームのある番外編が4編あるのですけど、1に収録された風海刑事視点はここで終わりです。本音言うとあと二、三話欲しかったですね。

さてまずは最終話らしく冒頭や合間にちょくちょく出てきた謎のシーンの答え合わせです。

※このゲーム自体、コンクリートで周囲を囲まれた謎空間の中で、自分のことを何も思い出せない語り手に対して「風海純也という刑事がこれまでどのような事件を解決してきたか」を謎の声が聞かせていく……という構成を取っています。
そして種明かしですが、風海刑事は数日前の非番中にゆうかさんに誘われて噂の「名前のない駅」とやらに出掛け、気づいたら病院前で倒れていました。目覚めた彼は記憶がなくなっており、ゆうかさんはそのまま帰らず。自分の正体と何があったのかを思い出してもらうため、協力者ズは風海刑事に逆行催眠をかけることにします。

つまり記憶喪失の語り手=風海刑事自身、謎の声=霧崎教授、謎の部屋=逆行催眠による風海刑事の心象世界、ということでした。うん、知ってた。少なくとも語り手の正体については隠す気もなくバレバレだったと思うのですがどうでしょうか。
霧崎教授もあんなに滔々とF.O.A.F.とかについて語らなくても良かったんじゃないかと思ってしまいますね……ゆうかさん失踪してるし。

一番さら~っと終わってしまった印象のお話でしたね。
施設については風海刑事自身はあまり捜査してないので。
ゆうかさんと脱出するのにいっぱいいっぱいでいつの間にか終わっていて、真相は犬童さんに「これこれこういうわけだったので」「アッはい」と概要を説明してもらって終わり、みたいな。
ルートについてもポルターガイストに遭遇して、「これは悪霊の仕業だ」「いいや機械の仕掛けだ」と言う風に分岐するんですが、後者でも結局死者の霊魂は出てきちゃうし。
途中“戦後まもないころの秘密の地下施設”“霊を人為的に操作する人体実験”とか都市伝説あるあるキーワードが出てきてテンションうなぎのぼりだったので、その反動も大きかったかもしれませんが、ちょっと残念でした。

ちょくちょく風海刑事に電話で助言をくれた謎の声の主ともこの話でようやく対面していますし、彼の属する組織とやらの登場編という趣向が強かった気がしますね。流行り神2,3と続くうちに組織について調べる(or戦う)流れにする予定だったのかも。まだ2と3は未プレイなので結局どういう決着だったのかは現時点ではわかりませんけども。

 

 

 

以前プレイした時途中で積んでしまった理由が「思っていたのと違った(=オカルト、科学きっちりわかれてないじゃん!)」ということだったと記憶していますので、流行り神はこういう雰囲気だと念頭に置いていれば普通に楽しいです。

次はサブキャラ視点の番外編をまとめて1の感想は終わりにしたいのですが、ホラー熱が異様に高い時用に買ったのでこのまま2と3をやるかは考え中です。

特に番外編は「これ続編のための伏線だよね?」みたいな部分がちらほらあるし、堪え性ないので我慢できずにプレイしちゃいそう……(´・ω・`)

 

 

お付き合いありがとうございました。

 

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