【総評】 吉原彼岸花
一言で表現しようとすると「堅実」とか「硬派」って単語が思い浮かぶ、個人的遊郭ものベスト1。
※R-18作品ですので公式サイトの閲覧、商品購入の際はご注意ください。
ようやくラスト!今回はネタバレなしの総評です。
前回の全体感想と内容はまるかぶりですが、お付き合いいただける方は続きよりお願いします。
前回の全体感想と内容はまるかぶりですが、お付き合いいただける方は続きよりお願いします。
攻略対象5名で総プレイ13~4時間だったかと思います。
ものすごくボリューミーかと言われるとそうでもないのですが、とにかく設定を活かした濃い作品でお腹いっぱいになりました。
これがメーカー処女作とのことで、今後が楽しみです。
ものすごくボリューミーかと言われるとそうでもないのですが、とにかく設定を活かした濃い作品でお腹いっぱいになりました。
これがメーカー処女作とのことで、今後が楽しみです。
世界観に忠実で真面目な作風
江戸時代の遊郭という舞台設定とそこから生じる独特な雰囲気を重要視しているのか、全編シリアス調。
ほのぼのはあってもコメディ要素はありません。
乙女ゲームとして美しく整えられるギリギリのラインまで、史実というか当時の雰囲気を出そうとしているように感じました。時代物としても優秀だと思います。
公式サイトのあらすじやキャラクター紹介で抱く印象がそのまま、プレイ後もほぼ変化しない素直な作品でもあります。
かといってそれがネガティブに働くかというとそうではなく、花魁「千早」の日常と変化を丁寧に描いています。
誇りをもって花魁*1を務める少女と彼女を取り巻く魅力的な男性たちの、切なく翻弄されるさまを楽しむことができます。
またこちら、いわゆる真相ルート(のようなもの)が用意されています。
あくまで「千早の物語」という体なのでかなりミクロなものになりますが、「あれはこういうことかな」などわくわく予想しながらプレイする楽しみ方も存在します。
人を選びそうなバッドエンド
上記作風と設定から予想はできるかと思いますが、バッドエンドがかなりハードです。
ぶつ切り形式ではなくきっちり中身のあるタイプのバッドエンドで、しかも内容が多彩。
好きな人にはたまらない仕様ですが、バッドエンドや鬱要素が苦手な方は避けた方がいいかもしれません。
ベストエンドのみを回収する場合でも、展開や障害はかなり重ためなので「ずっと甘々」ではないことを念頭に置いて購入検討された方がいいかと思います。
世界観を支える取り組み
ストーリー以外の部分でも遊郭ものという設定を際立たせようとする努力が見えて、大変好感を持てました。
線が美しいイラストももちろんそうなのですが。
個人的に推したいのは文章。この紹介は誰得なんだろう…と思いつつ。
当時の単語を随時用いつつ、さりげなく補足説明も文章内に盛り込んであります。そのうえで読みやすくてなんちゃって言葉遣いフェチの自分としては大喜びでした。
時としてわかりやすさも大事ですが、今回はどっぷり世界観に浸るという点で効果的だったと思います。
線が美しいイラストももちろんそうなのですが。
個人的に推したいのは文章。この紹介は誰得なんだろう…と思いつつ。
当時の単語を随時用いつつ、さりげなく補足説明も文章内に盛り込んであります。そのうえで読みやすくてなんちゃって言葉遣いフェチの自分としては大喜びでした。
時としてわかりやすさも大事ですが、今回はどっぷり世界観に浸るという点で効果的だったと思います。
まとめ!
☆3.6。
丁寧に作られているためある意味逃げ場もなく、ひたすら物語を見届けるプレイスタイルになりました。心が痛い展開が待っているのに、目をそらせないという。
ご都合主義よりも設定を優先した方が魅力が発揮される世界観のため、リアリティを産むためのある程度容赦のなさが好みでした。
そのためバッドエンドも好む私としては嬉しい作品ではあったのですが、総合的にはところどころある萌えより切なさが勝ってしまいました。ときめいたというより物語として美しかった。
クオリティ高く物語がまとまっていることを考えると、ストーリーや世界観重視派にオススメしたい作品ではあります。
あとは遊郭という設定とバッドエンドの内容ですね…。この辺ダメな方は本当にダメだと思うので。
悲劇や鬱要素もバッチコイ!物語に浸れるならなんでもおいしいよ!というプレイヤーさん向きだと思います。
あとは遊郭という設定とバッドエンドの内容ですね…。この辺ダメな方は本当にダメだと思うので。
悲劇や鬱要素もバッチコイ!物語に浸れるならなんでもおいしいよ!というプレイヤーさん向きだと思います。
お付き合いありがとうございました。
*1:最高位の遊女