トランクルームとスレイベル

ゲームの感想 乙女ゲ多め

短編フリーホラーノベルゲームをやってみた

下天夢灯りがあとは信長様と大団円を残すだけなんですが、もったいなくてなかなかやれない…。次は夢灯りのキャラ感想まとめられたらいいなと…!

先に最近ちょくちょくプレイしていたフリーホラーゲームいくつかの感想をまとめました。今回はほぼノベル系。
実はこの系統のものはほとんどやったことがなくて、どういうゲームがあるのか検索するだけでも楽しかったです。
需要不明な私得ですが、お付き合いくださる方は続きからよろしくお願いします。ネタバレは控えめですが、一応反転してます。

 

 

The noose

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 姉さんが僕を殺し
 妹が僕を吊るし
 僕が姉さんを殺した

失踪した弟の日記に書かれていたのはこの一文のみ。
穏やかでいつも日記帳を持ち歩いていた彼。妹などいないはずなのに何故彼はこんな文章を書いたのか。彼は今どうしているのか。
残された姉視点で意味を探るZIGZAGさんのビジュアルノベルです。
これをプレイして「もっとノベルホラーゲームやりたい!」となったきっかけの作品。
意味を探る…と言っても、姉は家から出ません。弟の部屋で彼との記憶を思い返す形で進んでいきます。
EDは二つで、一番最後に分岐します。
オチが思っていた方向(サイコホラーと思ってたら心霊ホラーだった)と違ったこと、画面を文字で埋める・画面を揺らすなどの演出を繰り返しているために恐怖が薄れてしまっている点は残念でした。あと一部の要素(幼い姉の狂気とか)にちょっと取って付けた感があるような。
ただそれを差し引いても途中の状況描写が巧みで怖いです。特に、現在は姉の一人暮らしなのに、いるはずのない他者の気配に気づいてしまう一連のシーン。軋む廊下の音など、間接的な情報で相手を想像するしかない場面は背筋がぞくぞくしました。
視覚的に怖いものはとある画像一枚くらい、総プレイ時間1時間ほどでした。
おすすめです。

 

 

 

腐った金魚の呻き声が聞こえる

ぴろぴとさん作のフラッシュゲームです。
※上記リンクはゲームページに直接つないでありますが、作者さんのHPが割と閲覧注意気味なので苦手な方はご注意を。
「私」の体験談をひたすら読み進めていく形式で、語り口は投稿ホラー系のテレビ番組に出てきそう。
ただその体験の内容を概略でさえ説明できません…。
というのも、文法自体は普通なのですが内容が最初から滅茶苦茶。5歳の頃の話をしていたはずなのに、次のページでさらっと「当時は保険会社に勤めていましたので」などと書かれている。
あまりに自然だったので、初回プレイ時は他諸々の違和感に気づかず進めてしまうところでした。
これはあくまで一例にすぎず、内容の破綻していない箇所がありません。狂人の手記を読む感じ、というのが一番わかりやすいかも。
意味の分からないまま初回を終えて、再度はじめからプレイし、二周三周するうちに文章には更なる異変が…。
考察しようとすれば出来る作品らしいのですが、あまりにもヒントが少なく、私は「雰囲気」のみを味わって終わりました。
それでも真夜中に1人、イヤホンでやるととんでもなく怖かったです。じっくり読んで総プレイ20分ほど。
プレイした方で「私」に何があったのか推測のできた方がいましたら、ぜひ考察をうかがいたいです。

 

 

 

PRICE

www.freem.ne.jp

こちら海外制作者夜兔AVGさんのゲームを他の方が日本語に翻訳しています。公式サイトが海外のみだったのでふりーむさんのリンクを貼らせてもらいました。
悪夢を見て、目覚めた場所はなぜか妹の部屋。少年は彼女を探して部屋から出ようとしますが…。
今回感想を書いているものの中では、これのみ探索クリック系。
部屋の中のオブジェをクリックしてアイテムと手がかりを集めていきます。この手がかりを組み合わせることで段々少年は真相を思い出していく…という構成。
真相自体は結構予想しやすいのですが、このゲーム、ビジュアル面のこだわりがすごいです。
ふりーむの紹介文にもある通り、ムービーを複数挿入したりカットインを多用して「動き」のあるゲームにしています。以下は翻訳者の方のあげたOPムービー。

www.youtube.com

絵柄も少女漫画風味・怖さも控えめなので、ホラーゲーム初心者さんとか苦手な方にもおすすめ。
初周30分、フルコンプには合計1時間ほどかかりました。勘のいい方はもっと早いかも。
この制作者さん、乙女ゲームも作られているんですが、製品版は日本語未対応のようで(体験版は対応済み)残念です。

 

 

 

トンネルー

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クロチカさんの少年4人がトンネルに肝試しに行く短編ホラーです。どうやら別作品のスピンオフらしいのですが、こちらからプレイしてしまいました。問題はないようです。
EDは5つですが基本は一本道で4つはおまけとのこと。
私は初周トゥルーEDだったのですが、正解だったと思います。
はっきりホラーな映像やシーンは出てこないのですが、暗いトンネルを1人黙々と歩くこと。そしてじわじわと滲む異変。こちらのゲームにも『The noose』と似た「想像させる」怖さがあります。
それは作者の方の筆力に裏打ちされたものに他なりません。
ただ他4つのEDに関しては、超個人的な理由でそこまで好みではありませんでした。
それらもホラーではあるのですが割とトンデモ要素が入るので、恐怖感が薄れてしまったのが理由のひとつ。
もうひとつはこのような選択肢によって平行世界的に基本設定まで変わってしまうADVが苦手なためです。
商業だと『かまいたちの夜』と『流行り神』が確かそんな感じでした。
※いくつかEDを見ただけでフルコンプできませんでしたが。
例えばルートによって主人公の得た情報に差があり、それにより結論が左右されるというならわかります。しかし主人公(プレイヤー)の選択で、犯人や真相自体が遡って変化するというのはどうにも…。納得がいかない気分になってしまいます。
個人的な嗜好を述べましたが、トゥルーEDや文章は文句なしに好みでしたので、他作品も折を見てプレイさせていただこうと思います。
総プレイ40分ほどでした。

 

 

 

cubic3

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プレイは18歳以上推奨となっています。ご注意ください。

一般的なノベルゲームでは、選択肢は「何をするか」を選ぶことで、その後の展開を変えるものです。
ですが「cubic3」では、選択肢によって「いつ」「誰が」「どこで」「何をしたか」全てが変わります。
それにより、選択肢以後の展開だけではなく、選択肢以前に語られた内容の解釈も変化します。  
また一般的には、選択肢によって展開が変化すると、その他の選択肢を採った場合とは別の世界(パラレルワールド)の物語となります。
「cubic3」では、変化しうるエピソードすべてが、同じ世界、同じ時間軸上の物語の一部となっています。  公式サイトより。

『トンネループ』の項で語ったことと矛盾しそうですが、グロビュールさんのcubic3、面白かったです。
暗闇の中で目覚めた「僕」が、自分が何者なのかを把握し行動する、そのシーンを何度も繰り返して全体像を把握していくゲームです。
ネタバレになるのかならないのか微妙ですが一応伏せます。
このゲームにおける選択肢とは、主人公公の行動を選ぶというより、本当の意味でのルート選択にすぎません。
上記の公式サイトの説明通り、同じ「僕」という一人称を使っていてもルートによって主人公(と時間軸)は異なります。ゆえに取る行動も変わります。
最初に同じような状況(真っ暗・主人公は記憶がない)を持ってくることと一人称を揃えることで、まるで主人公が一人であるかのように錯覚させますが、「何が起きたのか」という真相はあくまでひとつ。それらを色々な時期・色々な視点で描いてるということです。反転ここまで。
ADVのシステムを逆手に取ったこの仕掛けは大変興味深かったです。
最初は意味が分からないEDたちも、リストが埋まっていくうちにパズルのように真相が見えてきます。
肝心の真相の内容は結構ぶっ飛んでいて、某コズミック・ホラーに触れたことがないとびっくりするかも。
でも大変面白い試みで、わくわくプレイさせていただきました。こういう挑戦的な作品は大好きです。
総プレイ20分くらいほどでした。

 

 

 

まだまだフリゲ熱というより同人ゲー熱が冷めないので、年内にもう少しクリアしたいなあと思っていますが。

最後までお付き合いありがとうございました。

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