トランクルームとスレイベル

ゲームの感想 乙女ゲ多め

好きな(商業)乙女ゲーム10選 後編

私が好きな商業乙女ゲームを(かなり悩みましたが)フルコンプした中から10本まで絞りました。
今回は後編の「割と人を選ぶ」5本です。とはいえ選んだ10本の中から比較的という感じ。
作品の雰囲気を伝えるためのキーワードは出てきますが、基本ネタバレはしてません。
ただ全く知識を入れずにプレイしたい!という方は閲覧しない方がいいかもしれません。
大丈夫だよ!という方、どれだけ偏ってるか見てやろうという方は続きよりお付き合いお願いします。

 

華ヤカ哉、我ガ一族

大正時代、とあるお金持ちの一族の使用人として働くことになった少女のお話です。
攻略対象はほぼその一族の兄弟たち。
彼らの抱える「お家騒動」的事情は重ためなものの、主人公の立ち位置や性格的なもののためか作品全体としての空気は明るいです。
人を選ぶ箇所は「攻略対象からの罵詈雑言」「主人公がうっかりもの」という点。
PSPでは本編・キネマモザイク(ほぼ続編)・黄昏ポウラスタの3作。
Vitaでは本編の移植であるモダンノスタルジィ・キネマモザイクと黄昏ポウラスタがセットで移植された幻燈ノスタルジィの2作が出ています。
発売通りのプレイ推奨です。

 

時代が時代なので仕方がないのですが、攻略対象の宮ノ杜のご兄弟にとにかく「使えない」とか「ゴミ使用人」とか罵られます。実際主人公が結構粗忽者なので、言われても当然な部分もあったり。
身分違いの恋に苦悩…はあまりしてません(笑) どちらかというと自分のこれまでの価値観をぶち壊されて攻略対象が戸惑います。
私は罵られるのが好きというより「絶対土下座(=攻略)させてやるからな!!!」という気分でプレイ。最終的に天然気味な主人公に振り回されて段々ペースが乱れる兄弟がみんな可愛くなりました。
パラメータ育成要素がありますが、かなり難易度が低めなのでそこで引っかかることはないかと思われます。
またこのゲームにはマップを移動して色々な人のお願いを叶える「お使い」的なクエストもあります。内容は「あれ取ってきて」「これが欲しい」みたいなのがほとんど。
ただこのお使いに関してはルート攻略にはほとんど関係しなかった、はずです。お使い系クエストは好きなので、やらなかったことがない…。やりたくなければすっ飛ばして可。
好感度がマイナス気味スタート、そこから親しくなる過程を楽しみたければオススメです。

 

 

 

蝶の毒 華の鎖 

蝶の毒 華の鎖~大正艶恋異聞~

蝶の毒 華の鎖~大正艶恋異聞~

 

同じく大正時代。こちらは雰囲気がかなり重たいです。
没落しかかった華族家の令嬢である主人公。自分の誕生日パーティで結婚相手を探すはずが事件が起きてしまいます。それをきっかけに主人公の周りでは次々と不穏な出来事が…。
人を選ぶ箇所は「性癖」。いや本当に。
というのもPCソフトで本編とFDである幻想夜話が出ていますが、PC版はR-18なんです。
本編のみR-18要素を削ってPSPとVitaに移植されています。
Vita版も所有していますが私がフルコンプしたのはPC版ですので、今回はPC版について書いています。

 

2時間サスペンスものっぽい雰囲気で、綺麗にまとまっている良作だと思います。
R-18要素に関してはそういうシーンもガッツリ入りますが、どちらかというとそういうシーンを介した全年齢では表現できないドロドロした「人の欲」の描写が印象的でした。移植版積んでいるけどその辺どうなっているのか。
またそれに関連してバッドEDの内容が秀逸なゲームの一つでもあります。
GAME OVER的にさくっと終わるのではなく、きちんと一つ一つに内容とそれまでの流れがあります。FDではハッピーEDとバッドEDのその後のエピソードが入るほど一部界隈(どこだ)では人気です。
※でもその分主人公もひどい目にあいがち。
ただそれらバッドEDの一部で特殊な性癖をさらす方々がいるので、普通の乙女ゲームにそういうシーンが入るだけでしょ?と思っていると痛い目を見ます(笑)
これに関してはネタバレ覚悟である程度検索してから購入検討された方がいいかもしれませんね。
大正時代のエログロナンセンス*1・退廃的かつ耽美な空気の乙女ゲームがやりたければこれです。

 

 

 

アラビアンズ・ロスト 

アラビアンズ・ロスト (通常版)

アラビアンズ・ロスト (通常版)

 

主人公は犯罪大国ギルカタールという架空の国の姫。
「普通の人間」になるという目的のために、国王夫妻の勧める婚約者候補との縁談を回避しようと彼らと取引をします。内容は「25日間で1000万Gを自力で貯め、自活能力を示す」というもの。さて彼女は取引に勝ち、希望する恋愛結婚をすることができるのでしょうか。
人を選ぶ箇所は「登場人物が全員悪人」という点。
PC・ガラケーアプリ・PS2・DS・PSPなどで発売されていましたが、PSPのみイラストレーターさんが違います。またPSPのみ続編の「アラビアンズ・ダウト」も出てます。
※ダウトは未プレイ。

 

クインロゼの初プレイ作品でした。
「普通になりたい」という割に主人公がとにかく精神的に強いです。
音に聞こえた大悪党である攻略対象たちにも怯むどころか、平気で突っ込んだりからかったりするしで手玉に取っている感がすごい。
対する攻略対象たちも、悪人かと思えば割とピュアだったり、かと思えばやっぱり抜け目なかったりと一筋縄ではいきません。
くどい文章が有名なメーカーさんですが、アラロスはそこまで感じませんでした。
ただ1000万Gを貯めるためのRPGのようなパートがあり、それが若干作業気味です。
基本はダンジョンに通って、依頼を受ける・敵を倒す・アイテムを売却するなどして所持金を増やします。
一応裏技は存在しますが、攻略対象を同行させることによって好感度が上がり、かつイベントが発生するのもダンジョン内だったりするので、このパートは飛ばせません。
とはいっても乙女ゲームRPGパートなので基本難易度はぬるめです。しかし正攻法でお金を貯めようとすると目標金額は割とシビア。
主人公が精神的に優位なゲームがやりたい・ちょっと変わった乙女ゲームがやりたい方はどうでしょうか。

 

 

 

BLACK WOLVES SAGA 

人と獣人種が暮らす世界。そこで急速にひろまった謎の疫病「ゾディバ」は狼種という一族のせいとされ、彼らは迫害されてきました。
一方主人公は(人族の)貴族のお嬢様。身体が弱く塔の外には出られない彼女ですが、16歳の誕生日に転機が訪れます。
人を選ぶ箇所は「容赦のない狂気的・残酷描写」。
元々は同じキャラクター・設定で異なるストーリーを描いたPC版「-Bloody Nightmare-」(15禁)とPSP版「-Last Hope-」の2作構成でした。1月発売のVita移植版はこの2本が一つになったものです。
※異なるストーリーとはいえ基本となるキャラクター設定は共通なので、個別ルートの印象は似ていたりします。絶対に両方プレイしないといけないわけではないです。ただ攻略対象がBNとLHで一部異なります。

 

PC版初プレイ時に、とあるシーンで「あっこれやばいやつ」と衝撃を受けてからずっと(自分の中では)高評価なゲームです。
とにかく暗いし重たいし鬱っぽい内容で、攻略対象も主人公もガチでひどい目にあうし、「これで18禁指定ついてないの? すごいなあ…」という印象です。
なにがすごいって迫害する側とされる側のどちらも攻略対象にいるという。そしてどちらにいっても主人公に安寧の道はない。また一部攻略対象が発狂していたり、攻略できないまま終わってしまうのも地雷な方はご注意。
こう「乙女ゲームならこうなるでしょ」みたいな暗黙のお約束をことごとく破っている感じのゲームです。
PSP版は何人か攻略残しているんですが、PSP版の方が(比較的。あくまで比較的)ソフトな印象。
このゲームもバッドEDが結構好きなんですが、なにせ全編バッドルートみたいなゲームだからなあ(笑)
こう書くとすごいエグいの?という感じですが、最近の乙女ゲームの中では、という限定が入ります。普段から男性向けとか一般向けのR指定ものとかプレイされている方には生ぬるいのかも?
PC版は発売当初品薄気味であまり感想が見れなかったので、Vita版で初プレイの方の感想を見るのが何より楽しみです。

 

 

 

華アワセシリーズ  

華アワセ 蛟編 (エンターブレインムック)

華アワセ 蛟編 (エンターブレインムック)

 

「華遷(かせん)」という花札を用いた(超能力バトルじみた)特殊な競技がある世界。華遷は華詠(かえい)という能力者と彼らのサポートである水妹(みなも)一組で行われます。
主人公はとある事件をきっかけに伝説の水妹、「泉姫(せんき)」候補として華遷国立学園に迎えられることになり…。
人を選ぶ箇所「考察必須・性的な匂いのある描写」
「本屋で買える乙女ゲーム」としてムック本+ゲームソフト(ソフトはWinPC用)という変わった形態で販売されています。
「蛟編」「姫空木編」「唐紅/うつつ編」の3本が発売済み、「いろは編」が制作決定しています。
「蛟編」だと他の攻略対象のルート・EDはあるもののハッピーEDを迎えられるのはタイトルに冠された蛟のみです。姫空木・唐紅・うつつ編も同じく。
お目当てのキャラ編のみを購入するのもいいですが、共通する世界観の謎を追いやすくなるので、出来れば発売順の購入をお勧めします。

 

現代日本が舞台であるものの、とにかく設定が特殊なゲームです。
特有の用語もバンバン出てきますし、さらっと文章で情報が追加されたりするので気が抜けません。
「これってどういうことなの?」という部分を自分である程度補完・あるいは流せる方でないと楽しめない可能性があります。逆に考察大好きな方にはたまらないかも。
ただそれを踏まえても面白いです。攻略対象がみんな強烈で、かつ全体的に病んでる匂いがします。あと主人公愛されゲーです。
これもバッドEDが秀逸なゲームの一つです。シリーズ作品を通して「主人公は特別な存在であり、彼女に正しく選ばれない存在には救いがない」という感じなので、それもやむなし。
商品的にはムックのおまけ扱いのためか審査がガバガバで、レーティングは全年齢なのに艶っぽい描写が過剰気味。乙女ゲームにそういう描写はいらないという方は避けた方が吉。さすがにストレートにそういうシーンはないですが。
またゲームを進めるのに、花札ミニゲームプレイが必須です。ルールは簡単ですしレベルさえ上げれば(=時間さえかければ)クリアは誰でも可能かと思われますが、苦手な方はご注意を。ハマると楽しいですけどね。
中二(っぽい)要素が好き、病んでるゲームがやりたい、考察大好きな方におすすめ。

 

 


こんな感じで10本でしたがいかがでしたでしょうか(笑)
たぶん、すごく好みがわかりやすい選出になったと思われます。
好みの合う方、もしくはこれが好きならこれも好きかもというおすすめのある方いらっしゃいましたら是非コメントをください。
ツイッターもやってますのでよろしくお願いします。
お付き合いありがとうございました。

 

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*1:乙女ゲームなのでそこまで露骨ではないですが