トランクルームとスレイベル

ゲームの感想 乙女ゲ多め

吉原彼岸花 大月忍ルート感想

ゲームどころかPC触る時間もほとんどなくて大変きつい一週間でした…。
かろうじてFate/EXTELLAのみちまちまやってました。
気を取り直して吉原彼岸花、朔夜に続いて忍さんルートのネタバレあり感想です。共通ルートを既読スキップすると2時間くらいでしたね。
こちらR-18ソフトとなっております。大したことは書いておりませんが、その辺をご了承の上続きからお願いします。

 

 

大月忍 (CV須賀紀哉)

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みんなで騒ぐのが好きで、金払いもよく、少々の失礼は笑って許してくれる(全然侍らしくない)おおらかなお侍さん。

女の子と見ると口説いてくる軽いところもありますが、主人公にも優しいです。
最初は女遊びの好きな軽い人がだんだん本気になるルートかと思っていたのですが、実際は結構な苦労人で筋金入りのお人好しでした。裏や下心があるのでは?と主人公(と私)が疑っていた行動もやさしさ100パーセントでなんか土下座して謝罪したくなるくらいにはいい人でした。だからこそバッドEDがきっついんですけど。
個人的な印象だとこのルートのテーマは「約束」。
作中主人公と忍さんはいくつも約束を交わすのですが、それらが守られるかどうかは本人たちの行動次第です。
というかぶっちゃけエンディング次第。
シナリオの内容自体はTheお家騒動という感じ。
かなり裕福な身分ではという描写が再三出てきており、絶対身請けされる云々の内容になると思っていたので身請けEDが一つだけ(しかもバッドED)でびっくりしました。

 

忍さんは先に書いたように桜華屋にとって太客。しかも酒に弱く、床入り前にいつも寝入ってしまうという遊女にとって都合のよすぎる客でもあります。
なのでゲーム開始時点ですでに主人公の馴染み客なのですが、一緒に寝たことは一度もありません。
そんな忍さんに対し、主人公は当初ありがたいお客さん以上の感情を持ってません。
そのためたまたま昼(=仕事外)の時に町で会って、「今度一緒に甘味食べに行こうよ」と誘われても軽く躱します。彼の軽口をリップサービスだと思っているので約束をするにまで至りません。
しかしその後主人公が体調不良により彼の宴の席で失態をさらしても、忍さんは怒るどころか果物と折り紙を持ってお見舞いに来てくれます。これにより主人公の心情に変化が生じます。
折り紙は「具合の悪い時一人で寝てると寂しいかと思って」とのこと。現代設定だったらぬいぐるみとか持ってきてくれそう。
何か折ってほしいものはあるかと聞かれた主人公は、郷里で家族との思い出から蛍をリクエストします。
忍さんは器用に蛍を折り、「いつか一緒に見に行こう」と言ってきます。主人公は吉原から出られない自分の身の上では無理だと思いつつも、「行きたいですね」とあやふやながら前向きに答えます。少し絆されてるのが分かりますね。
しかも後日、川辺で蛍を捕まえてきて部屋に放つことで本当にその約束を叶えてくれます。
お侍さんである忍さんが、主人公のためにわざわざ時間をかけて…と考えると嬉しくてつい涙をこぼしてしまった主人公の気持ちもわかる気がします。

このシナリオ中一番好きなイベントです。

 

優しい忍さんですが、中盤までは謎も多いです。
忍さんがいつも飲むお酒は、彼自身が持ち込む特別なものなのですが、ある日主人公はそれが酒ではなく水であることに気付いてしまいます。
高いお金を払って遊郭に来ているのに、水を飲んで酔ったふりをする理由とは? 一応直接聞いてみると本人はお酒があまりにも弱すぎて恥ずかしいから水でごまかしていると説明してくれるのですが…。
また二人でいる時には顔を隠した刺客たちの襲撃を受けます。それを慣れた風に撃退する忍さん。彼はいったい何者なのか。
まあ、あまり尺がある作品ではないのであっさり種明かしされるのですが。
忍さんは甲斐の国(今の山梨)の大名の庶子。母親が遊女であったため正妻に疎まれ、幼い頃から父の家臣にあずけられて育ちました。大名である父親はそろそろ引退を考えているのですが、正妻の子はまだ10歳かつ成人まで生きられるかわからないほど病弱なため、忍さんに跡を継がせるのではないかと正妻はピリピリしているようです。
お酒に弱いのも本当で、それでも吉原に来てしまうのは母親を思い出すからとのことでした。ちなみに彼の母親は主人公と同じく「桜華屋」のお職花魁*1だったようです。
公儀隠密か何かで酔ったふりして情報収集しているのかと予想してましたが、全然違いました(笑)

 

このあたりの事情を教えてもらえるほど二人の仲も深まったところで正妻の横やりが酷くなってきます。
桜華屋の前まで来て「忍を出せ」と騒ぎ、出てきた彼や遊女を侮辱します。
忍さんを庇いたくて咄嗟に「武家の女性ならその品格を貶めない行動をなさった方がいいのでは」と言い返した主人公と「彼女に手を出すなら絶対に許さない」と言い切った忍さんにはすっきりしましたが、これにより主人公も本格的に正妻に目をつけられてしまいます。
忍さんの弱みとして主人公は誘拐され、蔵に閉じ込められることに。
たまたま自分の母親の凶行を目撃した鈴千代くん(例の正妻の子)が助けに来てくれますが、逃げ出す前に彼が中にいることを知らない正妻の手下の手によって蔵に火がつけられてしまいます。
正妻の言動にヘイトたまりっぱなしのため「なんという因果応報…」とこの辺真顔でクリックしてました。
絶体絶命のなか、忍さんだけが気づいて助けに来てくれます。
しかし主人公と鈴千代くんを先に脱出させたため、燃え盛る蔵の中に取り残される忍さん。落ちてきた柱に出口をふさがれ、呆然とする主人公。
すわ忍さん死亡のバッドエンドか、と思ったのですがどのエンディングでもここでは忍さんは死にません。あっさり別の出口から出てきます。意外、と思った方は結構毒されてますよ(笑)
騒ぎが大きくなり父親である大名も出てきて、とりあえず現状を説明。夫に悪行を把握されたためか息子を失うところだったためか大人しくなる正妻。そして忍さんだけ大名に呼び出されます。
結論として、鈴千代くんが成人するまでの期間限定で忍さんが大名を務めることになります。
「どんな立場になっても君が好きだよ」と言う忍さんとどのような関係でいるかによってエンディングが分岐します。

 

忍さんのEDは3つ。
どれも数年後に時間が飛びます。
「時間を作って会いに行くよ」と約束して忍さんは大名、主人公はこれまで通り桜華屋の花魁の生活に戻ります。
その後子供を身ごもってしまった主人公は産んでもいいという許可を特別にもらい、桜華屋の寮で静養中。
そこへ時雨さん(楼主)がお見舞いに来てくれるのですが、どうも話がかみ合わない。主人公は子供の父親は忍さんで、生まれてくるのは息子だと断言する。大名として正妻を迎え子供もいる忍さんの足はこの時点で既に途絶えて久しいというのに。
それどころか忍さんとお腹の子供を混同するようなことを言う主人公に「お前はおかしいよ」と慄く時雨さん。
※余談ですけど時雨さんのこういうリアクションは珍しくてちょっと笑いました。
気にも留めず、「だって永遠に一緒って約束したもの」と主人公は笑う…というバッドEDがひとつ。
もうひとつは「これから忙しくなると会えなくなる、それは嫌だ。一緒にいてほしい」という忍さんに妾として身請けされると見れるバッドED。
結局鈴千代くんは病気で亡くなってしまい、忍さんがそのまま大名を続けることに。
仕事は忙しいし正妻をもらって子供もいるため、主人公のもとにはなかなか来れません。離れで一人ぼっちの主人公。
そんな彼女のところに、彼と正妻の4歳になる息子がこっそり忍び込んできます。
複雑ではあったものの、寂しさを紛らわせようと子供をもてなすと懐かれてしまいます。
その夜、久しぶりに訪れた忍さんになんとなく「また一緒に蛍を見に行きたい」とねだる主人公。彼女にとっては二人の幸せな思い出の象徴だったのですが、「忙しいからごめんね」と断られてしまいます。涙をこぼす主人公ですが、もう忍さんは彼女が泣いていることに気付いてくれません。
後日遊びに来た子供に「今度父上と一緒に母上を連れて蛍を見に行く約束をした」と無邪気に報告されて衝撃を受ける主人公。
家族3人が寄り添って蛍を見る光景が頭に浮かび、仄暗い気持ちを抑えられなくなります。落ちてしまった鞠を取るために池のほとりに立つ子供の小さい背中に主人公が近づいていくところで終わるED。
対してハッピーEDでは、お嫁に来てほしいという忍さんの申し出を「大名として本腰入れて頑張るならそれは難しいだろう」ときっぱり断り、主人公は期限の最後まで遊女を勤め上げます。
数年後自力で年季明けを迎えた主人公が吉原の大門をくぐると、そこにはあれ以来ほとんど連絡も取ってなかった忍さんの姿が。
無事鈴千代くんが成人したので当初の予定通り大名位を彼に譲り、主人公を迎えに来たとのこと。
跪いてプロポーズしてくる忍さんの頭にはかつて主人公に贈られて「ここぞというとき、例えば主人公に跪いて求婚するときに使う」と言っていた組みひもがついていました。
「もうだめ?他に好きな人がいる?」と不安そうな忍さんに「あなた以外を好きになったりしない」と主人公は答えます。
大喜びで「(主人公)もーらい!」とはしゃぐ忍さんがいつもの忍さんで、私のバッドEDのもやもやも浄化されました。
なんというか忍さんルートのバッドEDは男女の関係は移ろいゆくもの…みたいな諸行無常感のあるものばかりなので。
忍さんはルート中は本当に誠実で優しいので「どうしてこうなった」となじりたくもあり、そんな人でも時間の流れや環境の変化には抗えないんだなあと思うと空しくもあり。
かつての忍さんの両親の構図を繰り返しているような1つ目も相当ですが、「2番目の女」というポジションをこれでもかと主人公に思い知らせる2つ目の破壊力がすごい。
実際に子供を池に落としたらどうかはわからないまま終わるんですが、直前のモノローグで「今なら誰も見ていない、子供がここにきていることは誰も知らない。たとえ池に落ちて無事でも、上から棒で頭を押さえつければ確実に死ぬだろう」とか語ってますからね。容赦のない上に計算もしっかりしてるのがある意味女性らしい。夜叉のごとく変貌した主人公に見てるこっちが悲しくなりました。

 

あと忍さんは遊郭に来ても寝てしまうので、とにかくこのルートセックスしない。
朔夜と違って正規の客なのにセックスまでが長い。途中から「あれ? 忍さんルートはプラトニックを貫く純愛系なの?」とちょっと思ったくらい後半です。
最終的な回数、尺自体は結局朔夜と同じくらいですけどね。

忍さんはかなり大柄らしいのですが、それに合わせてというか巨根らしく。これまで遊女ともなかなか関係を持たなかったのはそれも関係しているとのこと。二次元だしエロゲだし主人公は百戦錬磨なので割とあっさりいけますけど、サイズの描写(ここで詳細を書くのは控えますが)を見る限り本当にでかい。これは怖いよ。
思いが通じ合ってからしかセックスシーンが入らないので、ずっといちゃいちゃしてて微笑ましい(という感想もどうなんだと思わなくもないですが)感じでした。

 

 

次は彰人さんなんだけど、うーん。多分合間に違うゲームの感想を入れる気がします。
とりあえず次はFate/EXTELLAの内容ネタバレなし感想かな。
R-18のゲームって一気にやると気力をごっそり持っていかれる気がするので、ゆっくりプレイするつもりです。

一回感想消えちゃうと何回書いても「消えちゃった奴はもうちょっとうまく書けてたな…」と思ってしまうので割と難産でした。

お付き合いありがとうございました。

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*1:高位の遊女