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トランクルームとスレイベル

乙女ゲーム(+α)の感想など

Diary フルコンプ感想

その他乙女ゲーム

Operettaさんの処女作「Diary」クリアしました。

Diary

Diary

 

 
「次は三国恋戦記仲謀軍!」とか言っておいてね。
既にパッケージ版はロットアップしているそうで、今回購入したのはDL版です。
PCソフトは入手経路っていうか販売店が限られるので、やりたいときに即手に入るDL版はありがたい限りです。そのおかげで今やってるゲームから浮気してしまうんですけども。でもさくっと終わらせられたので!セーフセーフ。

 

Diaryは攻略対象一名、初周30分、フルコンプ2時間ほどです。

ボリューム少なめに感じましたが、DL価格1,852円のプチプライスなのでこれはある意味当然だし仕方がない。
特徴としてはタイトル通り、シーンごとの冒頭に小学校から高校卒業までの主人公の日記が挿入されます。
それに関連して、イベントも日々の何気ない会話を切り取るようなものが多いです。
その特にどうということもない会話の端々に見える幼馴染の彼「花島零」の狂気や、ふとした瞬間に突き付けられる(その時は気づけないけど実は重要な)選択を楽しむゲームかなと思いました。
このわかりやすくアレなイベントを入れるのではなくじわじわと病んでいることを知らせる演出は上手いと思いましたし、主人公と零の関係性の描写は丁寧だったと思います。また「内容は一見おかしくないし主人公はちっとも気づいてないけど、プレイヤーからすると嫌な予感がする選択肢だなあ」と思わせる分岐ははらはらさせてくれて良かったです。なんてったってDiaryはジャンルが「サスペンス恋愛AVG」。
ただ難も少なからずありました。※後述します。

 

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攻略対象の花島零(CV谷古宇夕真)

※同一人物。選択肢で変化します。

幼いころは 美少女のような外見で、かつてとある事件の被害者かつ第一発見者になっています。しかし唯一の家族である父親にも無視され心を閉ざしていたところに、主人公と出会い、彼女を精神的な支えとしていきます。

そんな彼が病みすぎないよう、気を使って選択肢を選んでいくゲームです。

※カウンセリングって感じではありません。

 

じわじわ病んでいることを知らせる~と書きましたが、初回は選択肢無しのもれなくバッドEDです。
「幼少期、割ってしまった花瓶を土に埋めるという形で隠ぺいする」「零を幼馴染以上に気にかけない」「先輩と付き合い始める」ことで恐らく零の病み度がマックスになってしまうものと思われます。
このルートだと連続通り魔が主人公たちの街を賑わせるようになるのですが、これが零。零は主人公を汚すものを次々殺しては、土に埋めています。こうすればいい、と主人公が幼いころ教えてくれたとおりにしているわけです。しかし先輩を刺したところで主人公に目撃されてしまい、彼は主人公も手にかけます。ずっと俺を見ていられるように目玉だけは取っておいてあげるね、と囁いて終わり。
ただこれは作中表記からするとifEDらしく、要はこれらを満たしていると訪れる「もしもの結末」ということです。二周目以降は一周目で強制的に進んだものとは別の行動を取ればいいので、攻略もそう難しくないかと思います。

 

そして二周目、「花瓶を割ったことをきちんと謝罪する」「それにより後に父親代わりのような存在となる担任教師と深く付き合うきっかけができる」「例の先輩と主人公と零の三人で友人関係を築く」「あくまで友人であるため主人公は先輩を好きにならない」ことで零に変化が生じます。
具体的には通り魔にはなりません。かつての担任教諭・先輩など周囲との繋がりも強くなっているので初周ほど主人公のみに依存しておらず、ある程度安定しているためかと思われます。また実は主人公に出会う前にとある事件に巻き込まれている過去があるのですが、そのことも打ち明けてくれます*1

 

そして後半は分岐で姿が二種類に変化します。
ひとつは幼少期のイメージそのまま、黒髪の優等生然とした零。もうひとつは金髪で見た目チャラめ、モデルをしている金髪の零です。ちなみにこれらの変化も主人公の発言が大きく影響しています。
ルートのおおまかな流れはどちらでも同じで、零の心の傷になっている過去の事件に決着をつけるという感じになります。
私が好きだったのは黒髪の方でした。幼少期の印象とブレがほとんどなかったですし、「優等生でいよう」と仮面を被っている分抑圧されている箇所がいい感じに煮詰まってそうです。
「大学卒業して結婚するまで婚前交渉はしません」みたいなことを断言する理由が「確実に子供を産んでもいい状況にないから」だしね…。一応これも零の過去のあれこれから出た発言なんですが、どうにも思考が偏執的に見えます。好みです。
事件も解決したので、「基本穏やかだけど主人公には意地悪」くらいのキャラに落ち着いてましたが、初周零に近いのはこちらかと思われます。
金髪の方は思考が態度により出ます。嫌なものは嫌だし、主人公への執着も隠さない(当社比)。
こちらが本来の零…というより「自信家でモデルをやる人が好き」=別に優等生でなくても主人公に好かれる、ということで自分の感情をストレートに表現できるようになったのではないかと思っています。
なので『もののはずみで「別れる」と口にしてしまった主人公に対して「手足を折って俺がいないと何もできないようにするぞ(意訳)」と押し倒して脅す』などよりヤンデレらしいイベントがあるのはこちらですが、病み度は黒髪よりは低い気がします。黒髪は「別れる」と言わせないというか、表面上は気にしてないように見えていつかとんでもない方向に爆発しそう。
こっちは主人公にもとっとと手を出しちゃいますしね。
残念なのはヤンデレ度は初周のifEDがマックスだということ。バッドEDはいくつかありますが、どれもあっさりめだし零とのバッドというより犯人にやられる(隠喩)って感じのものばかりなので。

 

ただ処女作ということであちこち粗削りなのは否めないです。
特に主人公と零以外の登場人物に関しては、処理が割と雑です。展開や心情を数行ですましているために、唐突に感じたり納得できない部分もありました。この尺でメイン二人に焦点をあてた結果かなーというのはわかりますけども。

同じライターさんの「超えざるは紅い花」も精神的な描写は素晴らしいのに、法律その辺はつっこみどころというか「あくまでストーリーを進めるための装置」にすぎない感が強かった気がするのでこの方の特徴なのかもしれませんが。
あとは細かいところだと地の文が基本一人称「私」の主人公視点なのに、父親や先輩のことは名前を呼び捨てにしてて違和感がありました。三人称視点とごちゃごちゃになっているというか。

ボイスに関してはじっくり聞く方でもないのですが、それでも若干棒読みに感じられる方はいました。

イラストも同じ原画の方の別作品と比べると癖が強めというか、髪の毛の描写が気になりましたね。

「細けぇことはいいんだよ!」とメインストーリーに集中できる方、日常に潜む狂気にぞくぞくしたい方におすすめですね。

 

 

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*1:初周は家庭が冷え切っていることしかわからない。