トランクルームとスレイベル

ゲームの感想 乙女ゲ多め

三国恋戦記 孟徳軍キャラクター感想

玄徳軍がまだ二人+ノーマルルートが残っているのですが、先に終わったこちらから。
孟徳さん、文若さんルートのネタバレありあっさり感想です。

 

 

孟徳 (CV森川智之)

三国恋戦記~オトメの兵法!~

どんな乙女ゲームにもいるであろう女慣れした軟派なキャラ。
ただし他とは違うのは、彼は一貫して最初から主人公に本気で好感度マックスなのに対し主人公の方が最後まで疑心暗鬼という。
敵(玄徳軍)の捕虜だった主人公にも優しく、見目よく、権力もある。そして「別に何をしなくても(策を出さなくても)、君が好き」とことあるごとに主人公に言ってきます。そのことが逆に主人公を警戒させてしまいます。もっと素敵な女性はいっぱいいて、しかもその人たちに好かれるのも容易な人なのになぜ私なんかを?ということですね。
主人公も少しずつほだされてはくるのですが、孟徳さんを完全に信用しきれない。本を他人に渡さないためでは、とどこかで思っている。
何がすごいってこのあたりの機微を孟徳さん自身に言わせること。曰く「権力のある男に優しくされて嬉しくない女の子はいない」。初回そりゃそうだ!!となりました。乙女ゲームの醍醐味のひとつですしね(笑)
孟徳さんは煙に巻くようでいて「嘘をつかない」という約束をずっと守っているなど、主人公に対しては実はずっと誠実であろうとしています。主人公の精神的な隙をつくようなセリフはぽろぽろ出てましたけど、無自覚っぽいしこれはしょうがないかな。
ただし主人公の方はあちらこちらの入れ知恵や先入観のせいでなかなかそれに気づけません。その結果孟徳さんも疲れちゃってやけになって、強硬策に出ちゃうんですが。この辺は孟徳さんも過去のことがあって言葉足らずですね。言ってもしょうがない、信じてもらえないものはどう説明しても信じてもらえないと諦めている節があります。
その流れからの薬を飲む飲まないの問答です。私はこのイベントがこのゲーム中一ニを争うくらい好きです。
孟徳さんに軟禁されてしまった主人公は、このままではよくないと孟徳さんに眠り薬を盛って逃げ出そうとします。しかし計画を実行に移す直前、部屋の外に刺客がいることに気付きます。このままでは眠りこけた孟徳さんが暗殺されるだろうということ、自分はそれに利用されたことに気付く主人公。どんな嘘も見抜けるという孟徳さんの特技を活かして、刺客に気付かれないよう現状を伝えます。最後に薬を自分で呷り、彼の代わりに刺客に刺される…というあれです。
好きすぎて筋書書いてしまった。
刺された後「主人公を信じたい」と思っていると孟徳さんがようやく認めてくれたこと、その時の彼の泣き顔含めて大変好みです。攻略キャラを泣かせるのも好き。
ハッピーEDだともちろん刺されたあと生還するのですが、そのまま死んでしまうバッドEDもあります。ここでは死ぬ間際「自分のもとにいなくてもいいから(=元の世界に帰ってもいいから)どうかどこかで生きていて」と言ってくれます。これはこれで自分の欲求よりも相手の命を優先する愛を感じました。どっちかというと手元からなくなるなら自分の手で消したいタイプの人だと思うので余計に。
ラストで全てが終わったら何をするでもなく主人公と二人で静かに眠るのが夢だと語ってくれますが、彼のこれまでの遍歴が見えるようでちょっと物悲しくもありますね。色々な面を見せてくれて翻弄されっぱなしな孟徳さんルートでした。

 

 

 

文若 (CV竹本英史)

三国恋戦記~オトメの兵法!~

堅物、真面目と書くと子龍くんと被りますが、あちらが割と素直なのに対してこちらは融通がきかない。
主人公のことも中盤まで「何か狙いがあって丞相に取り入っているに違いない」とがっつり疑ってかかります。というか、本来この反応の方が正しいんですけどね。
でも過去行ったりなんだりで主人公にそういう腹芸は無理だと知り、主人公側も文若は怖い人という印象から信念があってそれを曲げないだけなんだと理解します。疑惑さえ晴れてしまえば(腹をくくると)強い、裏表がない、善良で明るくて前向きな主人公は基本文若さんの好みのタイプだったのではと思われます。
元の時代に戻ってきたあたりから、一貫して漢室匡輔*1を主張する文若さんと帝位簒奪*2の噂のある孟徳さんとで溝が深くなっていきます。
孟徳さんは孟徳さんで前述した悪癖が出て詳しく説明しないし、文若さんも丞相は自分が意見しても変わらないと諦めているので泥沼。このままだと亀裂が深刻化して文若さんは毒を飲んで自害、と本に書いてあったため主人公が奔走します。文若さんといい公瑾さんといい、補佐官は一人で溜め込むだけ溜め込んで自滅するからもう…。
ということでこのルートは戦をどうおさめるかというより、文若さんと孟徳さんの仲をどう取り持つかがクライマックスです。
孟徳さん暗殺計画の誘いがきて文若さんは積極的に参加こそしなかったものの、計画を孟徳さんに知らせることもしません。そこを「それで後悔しないのか」「きちんと話し合わなくていいのか」と主人公が背中を叩きまくって、馬を走らせぎりぎりで阻止。孟徳さんとも和解出来てエンディングです。初回プレイ時、小刀で太刀を受け止める文若さんがあまりにも無茶無謀ではらはらしました。
三国恋戦記の個人的な見どころの二つ目*3として、元の世界に帰ろうとする主人公と帰らせたくない攻略キャラのやりとりがありますが、文若さんの場合最初わかりにくくて、通じてないと知るとストレートに引き留めてくれるのが良かったです。普段低糖な分、甘いとすごく甘く感じますね。アフターストーリーと黄巾党のころの態度の違いの落差ににやにやしてしまいました。

 

 

 

次は仲謀軍、そして玄徳軍後半、総評…はまだ書くか迷ってますが。

もう少しお付き合いお願いします。

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*1:皇帝第一、臣下はこれに従うべきという考え。

*2:自分が皇帝に成り代わってしまえという考え。

*3:一つ目は以前書いたベタなすれ違い