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トランクルームとスレイベル

乙女ゲーム(+α)の感想など

下天の華 百地/秀吉/蘭丸ルート感想

下天の華の感想をまとめるとどうしても「器がでかい、さすが偉人、バッドエンドも尊い」に収束してしまいます。ボキャブラリー貧困。

今回は百地・秀吉・蘭丸のルート&ED感想です。ネタバレしてますのでお気を付けください。

 

 

百地尚光 (CV檜山修之)

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主人公、師匠好きすぎるね…!? プレイ時一番驚いたのはそこでした。
早くに両親を亡くし、それ以降は師匠が庇護者であったため、主人公からの好感度が最初から高いのが特徴のルートです。
師弟関係は良好だったようで、主人公に「師匠になら何を言っても大丈夫」という無意識の甘えが見えるのも興味深いです。たぶん軽いわがままならなんのかんの言って叶えてくれるし、ダメなことはきちんと諫めてくれていたのでしょう。
師匠は数年前に里を出ているので久々の再会なのですが、師匠的には「借りのある信行のためにいよいよ作戦開始」という段になっての不確定要素なわけで、態度も自然そっけなくなります。でも主人公は全然気にせず懐いた子犬のように師匠に会いたがります。そこは可愛くはあるのですが…。
忍である以上たとえ同郷であっても状況によっては敵対やむなし、というものだと思っていたので、主人公があまりに素直に嬉しそう&本音と迷いがだだ漏れで、私はびっくりしましたし師匠も多分困惑してました。
元々乙女ゲーム的優等生な性格の子なので、くのいちとしてはだいぶ甘い部類になると思います。ただ任務と情の板挟みとか苦悩が描かれているので、他ルートではそこまで気になりません。しかしこのルートでは攻略対象が同じ忍び、そして先達ということで、「失ってしまった純粋さ」みたいなのが主人公の魅力として描かれているような気がします。その結果彼女の理想主義な部分や非情になり切れない部分がより強調されているというか。ここをどう評価するかで、ルート全体の評価が変わりそうです。私はルートの一つとしてなら楽しめるかなという感じでした。
恋愛面でも主人公が押せ押せで、最終的に物理的追いかけっこになっていたのは笑いました。
師匠目線に立つと「優秀で真面目な忍びなのに純粋で甘ったれで自分を慕うほっとけない教え子」なので、そりゃ可愛くてしょうがないだろうし絆されるのもやむなしだなと思いました。
罪の華ルートでは他の武将と違って主人公を庇える立場にないので、彼女と脱獄からの逃亡生活EDでした。追手が割とガチで、3年経っても心休まる暇はないらしく、師匠を巻き込んだ罪悪感から主人公も辛そう。それでも傍を離れるなと言う師匠の男気とか腹の座りっぷりは好きでした。

 

 

 

羽柴秀吉 (CV森久保祥太郎)

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基本素直で相手の美徳を見つけて敬う姿勢の主人公が、最初から「苦手だ…」って言ってて面白かったです。
箱入りで真面目だから、軟派な人物には耐性がなく理解できない模様。そういう意味では少女漫画の学級委員とクラスのムードメーカー的チャラ男に通ずるものがあります。
しかし軽い態度は秀吉の一面にすぎず、彼は早々に主人公の正体を看破してしまいます。そのため彼女も警戒マックスですが、秀吉は信長たちに報告せず交流を持とうとします。その結果彼の思慮深い部分にも触れていくことになるわけですが…。
普段はおちゃらけてるのに切れ者っていいですよね! すごく好きです。
彼のすごいところは主人公から何も告げられずとも主人公の置かれている状況や心理状態を、ほぼ正確に把握していること。そのうえで主人公を責めるでも監視するでもなく、「自分の心を裏切ると、一番辛いのは姫さんだよ」と本気で心配しています。基本的に余裕をもって見守る姿勢で主人公のやり方を尊重してくれます。この辺はさすが後の天下人ですね。器がでかい。
「秘密を握ることで自分を避けそうな相手と強制的に交流の場を設け、たとえそのことで警戒されようと、以降は理解と誠意を見せることで最終的には好意にまで持っていく」という手腕、人たらしの異名は伊達じゃないなと思いました。上級テクすぎる。
秀吉の方も、素直になった主人公の可愛さにメロメロのようなので引き分けですけども。
EDでみんなに主人公の正体を明かさせたのは、彼女の後の憂いになるかもと思ったからかな? とにかく安心感が尋常じゃないし、秀吉といっしょにいたら何があっても大丈夫だと思います。
罪の華EDでは主人公の放った火を食い止めるために、秀吉は両目にやけどを負い失明してしまいます。主人公はその罪悪感から彼の目の代わりに尽くす…という結末なのですが。実際には彼の目は、永遠に見えないというわけではなく徐々に回復しています。それを彼女に告げないのは彼女のためか己のためか、という秀吉の独白が印象的です。偉人というのは無私無欲の聖人ではなく、強い欲や執着を持つのも資質の一つという考えなので、納得のEDでした。

 

 

 

森蘭丸 (CV島﨑信長)

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彼はいつでも全力ですねー。
主人公より律儀で融通がきかないタイプなので、彼女の方がやんわりと周囲との緩衝材になっているというか彼の思考を柔軟にしていく感じです。ちょっとお姉さんぽくなるんですよね。
下天の華の、相手によって(違和感を感じない程度に)主人公の新しい一面が見えるところは大変素晴らしいと思います。
甘酸っぱくにやにやしてしまうようなやりとりが多いのですが、途中主人公はなんとなく相手の好意に気付きつつも*1、「好かれているのは姫であって本来の自分ではない」と躊躇ってしまいます。
これはかんざしがきっかけかな、と勝手に考えてます。姫が好みそうにない(けど本来の自分の好み)のかんざしを贈られたことで、逆に偽りの自分を強く意識してしまったのでは、と。加えて間をおかず信長暗殺の密命も下されてしまうので、主人公は蘭丸を避けるようになってしまいます。
蘭丸は「光秀どのがあやしい、もし何かあるなら自分に相談してくれ」と直球なので、暗殺計画が失敗して主人公が捕まった時身を挺して庇ってくれるのはいい意味で意外でした。いかにも「嘘をついていたのか、裏切り者!」と激高しそうなキャラだと思っていたので。さらには炎の本能寺で、主人公にそれと気づかれないよう彼女だけ逃がす成長っぷりに胸が熱くなりました。他の武将より年若で未熟な分、伸びしろはすごいと思います。
罪の華ルートは当初の嫌な予感が当たってしまったというか、城に火をつけた主人公に蘭丸が「絶対に許さない」と憎しみを抱く展開です。他のキャラの罪の華EDはこれまで「悪いことは悪いけど騙されたからしょうがない」というスタンスであったし、蘭丸恋愛EDを先に見ていたので完っ全に油断してました。ここでこうくるかーともこうなるよなーとも思いました。
主人公を許せない反面愛しい姫が裏切り者であるということをどこか信じられない蘭丸は、変化の書を牢に持ち込み姫に化けてみろと要求します。従うほかないと変化してみせる主人公。しかしその時の彼女の態度で蘭丸も全てが嘘だったわけではないと気づきます。彼は結局自分では自害もできず辛い状況を耐えるしかない主人公を、その手で終わらせることにします。ここのスチルが構図としては一見抱きしめているんですが、よく見ると胸に刃が刺さっているという。血の代わりに花弁が散っててとても綺麗です。お気に入りです。
というか他の記事を読んでくださった方や感想文の描写でお気づきの方もいらっしゃると思いますが、どのキャラも罪の華EDがことごとく私のツボです。理想的なメリーバッドエンドを体系化して見せられているかのよう。
ここで入るBGMも良くて否応なしに気分が盛り上がります。どうもVita移植で追加されたEDのようなので、本当にありがたいなと思いますし、PSP版をプレイした方でバッドエンドが好きな方にはぜひVita版もお勧めしたいです。

 

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*1:だって蘭丸はだだ漏れですから