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トランクルームとスレイベル

乙女ゲーム(+α)の感想など

【総評】 夏空のモノローグ

夏の風のごとく爽やかに吹き抜けていきました。 

夏空のモノローグ Portable (通常版)

夏空のモノローグ Portable (通常版)

 

全然関係ないですが灰鷹のサイケデリカ、(昨日)発売おめでとうございます!

黒蝶がかなりあっさりボリュームだったので油断してましたが、7時間しても一周目終わってません。一本道ぽいので二周目からかなり短縮できそうではありますが…。

その前に夏空のモノローグ、ようやくネタバレなし総評です!

【終わらない"夏空"、再び――。】

舞台は海にほど近い田舎町、土岐島市。
主人公・小川葵はいつもと同じように過ごしていた。
平凡な風景の中にそびえ立つ、超高層建築物『ツリー』。
30年前に突如現れ、にわかに全国を騒がせたそれも、
今やただ寂れた観光資源に過ぎない。
そんな中、葵の所属していた科学部は廃部が決定。
面々は連れ立って廃部前日である、7月29日。
『ツリー』観測へと赴く。
その日、その時、その瞬間――。
『ツリー』は歌いだし、
――7月29日は、ループを始めた。

公式サイトより。

 

スマホアプリへの移植も決まっている夏色タイムループAVG、「夏空のモノローグ」フルコンプしました。
攻略対象は6名。初回プレイは7時間弱。二周目以降も周回ごとに変化があるため、4~5時間は要していた気がします。
設定からすると壮大さには欠けるシナリオですが、青少年の成長ものとしてみると物語として完成されていると思います。ちょっとしたシステムの工夫が物語への没頭を助けてくれて、その点も高評価です。
萌えや糖度を求めるとちょっと違うかなーと思います。感動、青春、どちらかというとその方面です。

 

 

イムループを重視しすぎないシナリオ

同じ時間を繰り返すという本来あり得ない現象を題材にしてしまうと、つい「世界の運命を決める」とか「誰かの命を救う」といった壮大なお話になりがちです。
夏空にもそういった要素がないでもないですが、このゲームはあくまで「未来を怖がる少年少女が明日へ進む希望を抱けるようになるお話」です。ループ現象それ自体は、あくまでその不安や問題にわかりやすく直面させるきっかけにすぎません。
普段は主人公と楽しそうに部活をしている科学部の面々。でも実はそれぞれが大なり小なり誰にも言えない秘密を抱えています。それを知ったとき、主人公はどうするのか。明日を諦めずにいられるのか。
一見地味というかこれはこれでありがちに思えるテーマですが、夏空のモノローグでは登場人物のパーソナリティ、過去、それによる作中での感情の動きがかなり作りこまれています。何も珍しいことはないところを丁寧に描くことで、多くのプレイヤーの感動を呼んだのではないかと思います。
根本的な事情や障害そのものは何も解決しないこともあります。ただ何事も重要なのは自分の気の持ちようというか、端から見ると変化がないように思えても、悩んで選んだ結論は必ず精神的な糧となるため決して無意味にはならない…そういう感じのストーリーだと私は受け止めました。
よって世界の謎やループ現象の真相などを考えすぎず、素直に科学部の面々と騒がしい部活動を楽しんで、明かされる各々の事情に一緒に悩む……という楽しみ方がたぶん一番いいのかなーとフルコンプして思います。
乙女ゲームとしての個人的な評価は最後にしますが、未来へ進む少女の青春ADVとして見るとかなり高いクオリティだと思います。

 

 

 

世界観への没入を助けるシステム

VNRというちょっと珍しい、ビジュアルノベルと従来の立絵+下ウィンドウの中間のようなシステムを採用しています。
百聞は一見に如かずですので是非公式サイトをどうぞ。
最初は進行速度の面が気になり何故わざわざこの形式なのか疑問でしたが、終わってみるとすごく重要なのがわかりました。
他の乙女ゲームと比べて主人公のモノローグが多い作品だと思うのですが、それらがすっと頭の中に入ってきます。癖はないけどひとつひとつ言葉選びにこだわっているであろう文章がより効果的になるシステムです。そのため主人公や周囲の人物への感情移入もしやすくなります。
またLRCと呼ばれるミニイベントや共通ルートのイベントの変化。
周回ごとにイベントの数が増えていったり内容が変化したりするのですが、こういうループものだからこその仕掛けも細やかでよかったです。

 

 

 

恋愛というより自己改革?

というと途端にあやしい自己啓発本みたいになりますが(笑)
甘酸っぱい恋愛観のキャラクター達揃いで、おまけに恋愛一直線になるには障害が多すぎるため、作中のわかりやすい恋愛描写は控えめです。それよりも精神的な支えとか絆とかそういう面が強調されています。よって糖度は低めかなと感じました。
ただ仲良しな部活仲間からたった一人の特別な人へという関係性の変化は丁寧に描写されていると思いますので、過程重視な方にはおすすめです。
そしてここが個人的には最重要だったのですが。
今作の主人公(デフォルト名小川葵ちゃん)との相性があまりよくなかったです。決して嫌いではないですし、モノローグの思考回路も十分理解できるものだったのですが、一部のルートで見せる素直で(子供らしい)言動が危なっかしくて、萌えるどころではありませんでした。この辺は相性があると思うので個々人で評価が変わってくると思います。
そのため好みのキャラクターはいましたが、萌える!というより「よかったねー」とほのぼの終わってしまいました。

 

 

 

まとめ

☆3.9かな。
上記の事情であまり萌えはなかったので、乙女ゲームというより一つの物語としての評価です。
人気作だけにハードルをガンガン上げてプレイに挑んだ&世界の謎によるどんでん返しを期待して購入していたため、ちょっと厳しめです。
とはいえADVとしては楽しめましたし、主人公への複雑な感情も作品にのめりこめればこそだとも思います。だからこそ萌えられず泣けずで大変悔しかった。
アプリに移植されれば今より手に取りやすくなるかと思いますし、未プレイの方で気になっている方がいらっしゃいましたらその辺も是非チェックしてみてください。

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最後に感傷的でめちゃくちゃ恥ずかしいですが、ブログにあげた初回プレイ時の感想が、個人的な夏空へのイメージを割と表現できていると思うのでセルフ引用しておきます。カガハルの感想までいかなければネタバレないです。たぶん。

 

tr-sb.hatenablog.com