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トランクルームとスレイベル

乙女ゲーム(+α)の感想など

【総評】 Collar X Malice

  客観的に見ると高評価、個人的にものすごく惜しかった。

Collar X Malice 予約特典(ドラマCD) 付
 

濁った環境に慣れていると澄みすぎた空気にずっとはいられない、とばかりに夏空休憩してCollar X Maliceやってました。なんちゅう理由だ。

以下ネタバレなしの総評です。

 

「この首輪をはめたのは、誰?」

連続凶悪事件――通称【X-Day事件】が起き、 危険な街となってしまった新宿で、警察官として働く主人公。

地域の安全のために日々奔走していた彼女は、 ある夜、何者かに襲われ、 毒が内蔵された首輪をはめられてしまう。 混乱する主人公の目の前に現れたのは、素性の怪しい男性たち。

元警察組織に所属していた彼らは、独自で凶悪事件を捜査しているのだという。 彼らを信用していいのかわからないまま、 突如、大事件の鍵を握る存在となってしまった主人公。

死と隣り合わせの首輪を外すため、 悪意に包まれた新宿を解放するため、 彼らと共に捜査を開始することになるが――。

彼女の命は誰が握っているのか。 そして、新宿が再生される日は来るのか――。

 公式サイトより。

 

個人的思いれのある乙女ゲーム一位「ANMESIA」のスタッフさんが手がけるラブ×サスペンス乙女ゲームCollar X Maliceフルコンプしました。
攻略対象は5人でそのうち2人に制限がかかっています。1人はすぐに外れますが後回しの方がお勧めです。
AMNESIAと同じくデストラップ的バッドエンドが多く配置されていますので若干手間取りましたが、攻略は初回6時間。二周目から4時間ほど。アホなことに最初メモを取らずにプレイしていましたので、効率的な方はもう少し短くなるかと思います。デストラップと書きましたが大体選択肢を一つ戻れば回避できますので、ベストエンドを見るのはそう難しくないです。Qセーブ&ロードがとんでもなく仕事します。
一連の「X-Day事件」の犯人や背景、黒幕の正体や思惑を力を抜かず描き切ったのはあっぱれ。その過程で生じるキャラクターとの交流は恋愛的な糖度は控えめながら、綺麗にまとまっていました。
ビジュアル面も申し分なく、あとは個々人の「乙女ゲームとして萌えるか」という点で評価が左右しそうです。

 

 

 不足部分のないシナリオ

作品のテーマ、キャラクターと主人公との交流、どちらもおろそかにせずしっかり描いてくれているゲームだと感じました。
例えば主人公たちが追う「X-Day事件」は四月に端を発し、毎月なにかしらのテロ行為とその犯行声明とともにカウントダウンを告げるのが特徴なのですが、その月々の事件ひとつひとつにきちんと決着がつきます。さすがに一つの√に全部は詰め込めないし全員で同じくだりをやられても飽きちゃうと思うので、一人当たり1月~2月分の担当事件を解明するという感じですが。
主人公は事件を捜査していくうちに、攻略対象の過去や彼らが事件を追うようになった理由も知っていき一緒に迷ったり答えを見つけたりします。この流れが大変自然でよかったです。

 

 

恋愛は微糖気味?

上に書いた内容ともつながりますが、主人公はゲーム開始当初大変微妙な立ち位置で、巻き込まれただけの被害者にもそう装ったテロ組織「アドニス」側のスパイにも見えます。

そのため最初期は攻略対象たちに警戒されており、まずは自分が警察官として仲間として信頼に足る人間であることを知ってもらうことからはじめなくてはなりません。
主人公は何を信じるのか、そのために何ができるか。失敗したり落ち込んだりしながらももがく主人公を見て、攻略対象との絆が芽生える…という部分がフィーチャーされているので恋愛的イチャイチャは確かに少なめ。それが許される状況ではないっていうのもありますけど。
緊迫した状況の中で生まれる精神的に強い繋がり、とかがお好みならオススメ。

 

 

サスペンス度合について

この項目要るかな???と最後まで悩みましたが、もし私が未プレイならここが一番気になるので似たような人が万一いたときのために。
事件の内容、真相については作品として物語として綺麗にまとまっているものの、当然のことながらあくまで乙女ゲーム的に調節されたサスペンスです。つまり心抉るシナリオとかトラウマになりそうな真相…そういったものはないです。普段他の媒体などでハードなクライムアクションに触れている方が、それらと同じレベルを期待するとやっぱりちょっと物足りないと思います。
グロいのとかエグいの無理!地雷!という方には安心。
あと推理要素はあんまりないです。一応キャラクターからクイズみたいに聞かれることがあるのですが、大体「アドニスの行動方針についてお前はどう考えるか」という感じ。個々の事件についても犯人や動機については進めていけば判明しますが、トリックとかアリバイ崩しとかそういう要素はないも同然です。

 

 

こまかいビジュアルのこと

キャラデザの花邑さんが原画もされているので、スチルと立絵の印象が違うということもなく、美麗です。若干気になったのが今回パースというか体格差がおかしい?と思ったものがありました。気にならない方は気にならない程度ですけど。
またメッセンジャーアプリ風の演出を多様していたり、電話をかける際にはスマホの画面をきちんと表示したり、「その場にいる」雰囲気を出そうという細かいこだわりが良かったです。

 

 

 

まとめ!

☆3.9…かな。
全体的なクオリティは高く、それぞれ担当事件を割り当てることで周回を飽きさせない作りになっていること、攻略対象を5人と(最近のオトメイト作品傾向からすると)絞ることで諸々丁寧に決着をつけている点は高評価です。
惜しむらくは(超個人的な理由ですが)真相がかなり乙女ゲーム的にマイルドであったこととキャラクターの過去・性格が序盤で「こんな感じかなー」と立てた予想範囲に収まってしまったこと。ギャップ萌えの気があるのでこれにより「予想外ですごい萌え転がった!」というところまでいかなかったのです…。

あと主人公はいい子なんですが、最初は突然の事態に戸惑い流されている場面が多いので「この子大丈夫かな」と心配になりました。20歳前後の女の子として見ると無理もないと思うけど、警察官・社会人ということも踏まえるともう少ししっかりした子だと思ってたというか。
サスペンス、というとちょっと手に取りにくい乙女ゲーマーさんもいらっしゃるかと思いますが、好みの問題を差し引けばVita新作の中ではかなり上位の出来なのでは。