【総評】 ピリオドキューブ
ガワが丁寧なキャラ萌えゲー。
大分前にフルコンプ済のピリオドキューブネタバレなし総評、先にあげておきます！
辛口ですゆえ注意。
行方不明の兄の手がかりを求めて、 幼馴染のヒロヤと一緒に オンラインRPG「アルケイディア」を始めたアナタ。
光に飲み込まれて気を失ったアナタが目覚めると、 そこはゲームの中のファンタジー世界だった。
突然の出来事に戸惑うアナタが知ったのは、 この命懸けの世界から脱出するには ゲームをクリアするしかないという衝撃の事実。
世界が端から崩壊していく禁断の状況の中で、 ゲームクリアの鍵を握る「神剣」となったアナタは、 誰からも狙われることに!
――冒険の中で触れあう心、近づく気持ち。 それでも世界は壊れてゆく――。
公式サイトより
MMORPG風乙女ゲーム、ピリオドキューブ攻略してました。過去形。
攻略対象7人と多めで共通√はほぼないのですが、それでもフルコンプに12時間程度とかなりひかえめボリューム。
凝った立絵・背景・UIに、メインはもちろんサブキャラまで豪華声優陣で固め、しかして中身は大変あっさり薄味……とどうにも力の入れる方向を間違っている気がしてならなかったです。
シチュエーション特化型シナリオ
攻略人数は7人と多めですが、展開はほぼ同じです。
またどのルートでもほぼ黒幕や今回の騒動を起こした理由がわかってしまうので、周回を重ねて真相を探るタイプのゲームではありません。最後のキャラを攻略しても特に追加情報らしい追加情報はないです。また一部設定は投げっぱなし。
ストーリーや親しくなる過程もないではないですが、文章量的な意味で必要最低限です。
その代わり｢怪我の手当てをしてもらいながら甘い台詞で心配される｣など具体的なシチュエーションはかなり力を入れています。CDのトラックみたいな感じ。
ハッピーED以外にメリーバッドEDが存在するというのがこのゲームの特徴でもありますが、内容は大筋と同じく全員似たり寄ったりです。どうしてもこのキャラでメリバEDが見たい！というのがあればオススメ。
仮想現実ならではのキャラクター設定
(ちょっと不憫で)苦労性な幼馴染、人との関わりを頑なに避ける最強の剣士、凄腕なりきりプレイヤー、何も知らない真っ白なNPC、刹那主義なPK、小悪魔な案内人に謎のマスコット……などなどキャラ立ちはしっかりしてます。この辺のキーワードにひっかかるものがあって、キャラ萌えできればかなり楽しめるかと思います。
また彼らはオンラインゲームアルカディアでの姿と現実での姿、二つの顔を持っています。ゲームと現実にそう差異がない人もいればギャップの激しい人もいて、後者に関しては｢どうしてアルカディア内でこういう振る舞いをしているのか｣という点についてはきちんと作中で触れられていたのでよかったです。
力の入れどころがおかしい気がするMMO要素
選択肢をRPGの戦闘コマンド風にしたり、メニュー画面で主人公のステータスが見れたり、立絵や背景が細かく動いたり。
ビジュアル面ではかなりMMOらしく見せようという工夫が見られました。Tipsで用語について詳しく説明があるのも親切です。
しかし実際プレイすると基本読むだけのいつものオトメイトさんになってしまうので折角の演出もスパイス程度にしかならずもったいないなーという感じです。
ここまで凝るならバトルシステムありにしてもよかった気がするんですが、やっぱり最近は受けないのだろうか。
また大人数で遊ぶのがMMOですから、攻略対象以外のプレイヤー(モブ)もかなりの人数がボイス付きで登場します。
このサブキャラの声優陣がすごく豪華なんですよね…。釘宮さん花澤さん森久保さん大塚明夫さんetc。嬉しいですけどもっと中身に力を入れてほしかったというのが本音です。
まとめます！
☆2.5。
MMOの雰囲気を出そうという努力は見えましたが、それらはあくまで視覚的な演出に留まり、シナリオ自体は真相や恋愛過程は巻き気味、主にキャラクターと物理的に接近して甘い台詞を囁かれるシーンに尺が割かれていましたので、あくまで｢風｣で終わってしまいました。
ドラマCD先行型のゲームだったため、意図してこのような構成にしたのかもしれませんが、結果として｢スマホアプリでありそうなゲーム｣という印象になっています。
ストーリーは薄味ですが、一応あらすじはあるのでキャラに萌えられればこちらのものです。私も何人かはお気に入りがいました。
ドラマCDを聞いたり公式サイトで気になるキャラクターがいるなら楽しめるかと思います。
なぜ主人公が聖剣に選ばれたのか？ピリオドキューブとはなにか？その辺の真相に期待しての購入はおすすめしません。
