トランクルームとスレイベル

ゲームの感想 乙女ゲ多め

夏空のモノローグ 浅浪先生√感想

そういえば部長お誕生日じゃん、と8日に公式関連検索していて知りました。
夏空、スマホアプリ移植おめでとう。まだツイッター上での告知のみ?なのかひっそり広まっているようです。もっと大々的にやってもいいんやで…
プラットフォームに関しては色々ご意見もあるでしょうが、とりあえず展開があるにこしたことはないですよね。

 

ルートごとに追加される要素が楽しい夏空のモノローグ。

最初に表示される数字がどんどん増えていくのはなんなんでしょうか。ループした本当の回数?
特異点での季節が順番に進んでいくのは、ループをさらに繰り返しているってことでしょうか。綿森さんがそれっぽいことを言っているし。
この辺まだわかりません。

 

 

 

 

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浅浪皓(cv井上和彦)

科学部の顧問を務める臨時教員。主人公が記憶喪失になった時、保健室で学業の面倒を見るなど彼女にとっては恩人でもある。

さて浅浪先生ルートなのですが。ううーん。
決定的な不満があるわけではないです。また私の希望を叶える方向に舵を切ると夏空らしさが失われてしまう気がするのでこれはこれでよしとするべきなのかもしれません。ただ終わってみて呆気ない感じを味わったのは確かで、ここをもっと描いてくれるはず!と期待したところがそうでもなかったのです……。
なんのこっちゃわかりませんねwww 要は浅浪先生と主人公の交流が他ルートよりも少ない(薄いということはないですが!)気がしたんです。
プレイ後ちらっと検索した結果、今回のブログのような私のような意見はごく少数でしたことを先にお伝えしておきます。
このルートではとある理由で訪れた病院で先生の弟である浅浪翔君と知り合い、先生に頼まれて長期入院中の彼の友人となる……というのが導入です。
しばらくは先生・翔君・主人公の3人での交流が和やかに進みます。主人公は翔君の好きな天体やプラモやゲームの勉強をして、ループごとにリセットされつつも仲良くなることに成功します。しかし何気なく先生へ退院後の予定について振ってしまい、翔君の病気が良くならないこと、あともって二年の命であることを知らされます。そして告げられるループ終了までのタイムリミット。主人公は確実に不幸になる明日へ進む意味があるのか、とループ終了反対を部長に申し出ることにします。
主人公が身近な人間の余命を知り、それを間接的に進めて(早めて)しまったかのような罪悪感に狼狽し、積極的に29日に留まろうとする√なのはわかります。それでも先に進むと決めた先生と翔くんを支えようと決意するお話なのもわかるんです。
でもどうしても主人公が第三者であるという意識が払拭できませんでした。この場合やっぱり当事者は翔くんであって、もしくは彼に取り残される未来を覚悟しなくてはならない先生だと思うんです。主人公の苦悩も本心からではあるでしょうが、彼らよりも一歩引いた立場からのものであることは否めません。冷めた見方であるのは承知しております。
支えるという点に関してもその役目を果たしていたかと言われると疑問です。主人公は今回とにかくループ終了反対派です。篠原ルートよりもさらに状況が深刻なためか部長にも強固に主張し、感情的になっているためそれ以外の結論が出せません。部長に苦言を呈されて一度は問題を見つめ直しますが、それで心底納得したかと言われるとそうでもありません。その後明日への決意を固めたのは主に翔君(と先生)で、彼女はそれに引っ張られたに過ぎないように見えました。
そもそも先生はゲーム開始時から、教師という立場的にも主人公とのこれまでの関係性的にも、圧倒的に主人公を庇護するポジションにいます。ですのでルート中自分の苦しみを彼女に吐き出したりすることはほぼありません。ループがいよいよ終了するときの電話のシーンくらいでしょうか。この泣くシーンは声優さんの演技もあってぐっときました。しかしそれ以外ではむしろ主人公の方がわかりやすく悲しみ憤っているのを宥めるくらいの雰囲気でいた気がしました。なので先生を支えるという感じはちょっと薄いです。その一回こっきりが重要でだからこそ先生は前向きになったんだよ!という意見も当然ながらありえますので、これは本当に個人的な感想。
というより先生当人との交流シーンが他と比べて少ない気がします。翔君と「先生ってこういう人」みたいな会話はその分あったけれども。
なもので個人的には病気の弟とそれを支える兄、見守る(傍観とまでは言わないが)教え子……という友情?親愛?ものとしてはまとまっていたと思うけど、恋愛と言われると違和感がすごかったです。主人公の方はこの√初期から先生を意識していたけれども、先生の方は表面に出てこないというかそれどころではなかったので、最後の冗談めかしたプロポーズにはびっくりしました。奇跡は起きないけど希望はあるから明日へ進む、っていう結論が美しかっただけに、言葉とかでなくこれまでの流れで3人の関係がぐっと近くなっていることが伝わるだけに、ここはいらなかったなあ。唐突感がありました。
毎度のことですが、部長はほんとお疲れ様です。今回は途中で翔君にもツリーの歌を聞かせることで、彼の記憶の持越しを可能(=思い出づくりが可能)にしてますからね。次はそんな部長を攻略です。
お疲れ様でした。

 

 

この後少々主人公について辛口にまとめてあります。

感想自体は上のものと特に変化はないので読まずにいても支障ありません。要はオブラートが破けてしまっているだけですので。

 

直近1年の記憶しかないためなのか、元来の性格なのか、彼女は物事に対する姿勢が非常に素直です。
今回も友人が死ぬのは嫌、先生が悲しむのは嫌、だからループを進めるのは嫌、と非常に感情的。事が事だけに混乱してしまうのもよくわかるし、ある意味正しい反応です。
しかしそこで思考が止まってしまっているように見える。「嫌」なのはわかりますが、だからループ解消はありえない、という自分の物差ししか持っていません。そこを部長に指摘され、一応頭では理解しつつも不満を持っています。
そして結局、やっぱりもうすぐ終わりなのは嫌だ、どうして翔君がこんな目に、明日なんかいらない、と先生にぶつけてしまうんです。ここが多分一番ひっかかってしまって、他もネガティブ目線になってしまったんだと思います。恐らく主人公と同じことを何度も、より強く考えただろう先生にそれを言ってしまっていいのか、と。弟のために嘆いてくれているという感謝や自分と共感してくれる存在が現れたことへの嬉しさはあるでしょう。けれどもこのシチュエーションだと心理的負担の方が大きい気がするんです。そんなことわかってる、自分だって嫌だ、でもしょうがないんだ、と思い知らせそして飲み込ませていたとしたらそれはあまりに残酷では。※先生がどう思ったかはここでは窺い知れないので半ば私の妄想です。
そのシーンで主人公は結局、先生に「悩ませてごめん、俺たちは幸せだから大丈夫だよ」と慰めさせてしまいます。嫌なのはわかる、でもそれを後先考えず口に出したらダメだよ!不満言うだけならそれこそ子どもでもできるから、状況を考えるとか相手を慮るというのは大事だと思うよ!と、思ってしまって…ね…。
ぐだぐだ書いてますが端的に言うと一番キツい人に気を使わせるなやの一言に尽きます。
先生が主人公を見守るという構図が崩れない二人、言い換えると主人公が先生に甘えてよっかかっている感じが強い二人なので、この先決定的な出来事によって先生に余裕がなくなったとき大丈夫かいなと一抹の不安が残ります。カガハルもそういった向きはありますが、彼はメンタル強者でありなにより状況がそこまで逼迫していないので気にならなかったです。そこいくと先生は彼の善性と忍耐、年上の立場などから大人としてふるまわざるをえなかっただけで、メンタルはそこまで強くないように思うので余計にです。
しかして最終的に当の先生が出した結論はプロポーズであったわけで、私の上記ぐだぐだは完っ全に余計なお世話以外の何物でもないですね(笑) 少女マンガとかでよくある、メインカップルのことを何も知らないのに「○○にはああいうタイプ合わないって―」と訳知り顔で口をはさむモブの気持ちを思い知りました。
この際だから細かいところもあげとくと、先生が転勤する理由を「金」だと知って「ありえない」みたいな反応をする主人公に絶句しました。高校生の大人になりきれない面を強調しようとしたのかな。いやお金は大事ですよ……。それから先生が別の学校に行くなら「主人公の先生」ではなくなるから恋愛的に問題ないのでは?という期待をしていた時も同じく。所属する学校がどうとかそういう問題じゃないよ!
彼女の純粋さは嫌いじゃないんです。むしろ共通の楽しそうな感じや他(篠原)ルートでの成長は好きです。だからこそハードルがだんだん上がってはいます。彼女の純粋さが無神経に繋がってほしくはないな、というある種の期待をこめた愚痴であることを追記して筆を置きたいと思います。